第98話 作者神と吾亦紅神
「それで、どうする?」
俺の案に全員が考える。
「私は私の過去を知りたい!」
「私は尻尾を触るが安全策だと思うぞ」
「俺は殞亡神だな。消されるとわかれば出てくるだろう」
見事に意見が分かれた。
「お前はどう思う。好奇神」
「俺は・・・」
少し考え、答えを出した。
「殞亡神に消してもらう。俺を」
「「・・・はぁ!?」」
俺の答えに全員が驚き、固まっていた。
「何言ってるの!?」
「危険だ!」
「でも俺が消されたら困るのは作者神と吾亦紅神でしょ?だったら俺が消される方が手っ取り早いよ?」
「そうかもしれんが・・・」
「みんな知りたくないの?作者神や吾亦紅神のこと。俺は知りたいよ?」
「・・・」
全員が黙ってしまった。
確かに、好奇神が消されようとすれば現れるかもしれない。しかし、万が一違っていたら?最悪の結末が頭をよぎり、誰一人やろうとは言わなかった。
「私は・・・」
創造神が口を開いた。
「・・・私は嫌だよ。好奇神が消えちゃうの」
「確かに作者神のことは知りたい。私のことも知りたい・・・でも!好奇神を失ってまでは知りたくない!」
創造神は泣いていた。
「お前は・・・怖くないのか?」
創造神に続き、案内神も口を開く。
「そりゃあ怖いさ。俺がが消えるということは俺の好奇心も終わるってことだからね」
「・・・」
全員が再び黙る。
「でも、それ以上に知りたいんだ!」
「知らずに生きるよりは知って消されたい。もしかしたら知ることはできないかもしれないけど、俺の命を賭ける価値は十分にある」
「・・・わかった」
案内神が顔を抑えている。
「案内神!」
案内神の答えに創造神が怒る。
「これが好奇神の覚悟です。創造主様、見届けてやりましょう・・・」
「お前は・・・本当にどうしようもないやつだ」
管理神は少し寂しそうに笑っていた。
俺の覚悟に押されて、殞亡神の元へ向かうことが決まった。
頭の上の怪猫神が俺から降りて人型に変わった。
「どうしたの?」
「これで最後かもしれないにゃ。吸っていいにゃ」
怪猫神は両手を広げて待っていた。
「ありがとう・・・」
俺はそのまま怪猫神を抱きしめた。
「にゃ!?吸うんじゃないのかにゃ!?」
「それは無事に帰ってきた時までとっておくよ」
「そうかにゃ・・・」
怪猫神も俺を抱きしめる。
「好奇神」
金毛神に呼ばれる。
「尻尾・・・触っていいわよ」
「マジ?」
「最後かもしれないなら私の尻尾も触っていきなさい」
「ありがとう!」
俺は怪猫神と離れ尻尾に向かう。
「本当はこんな感じじゃなくて普通に仲良くなってからがよかったんだけどな」
「あら?無事に帰ってくればその願い叶うかもしれないわよ?」
「じゃあ無事に帰って来なきゃね!」
俺は金毛神の尻尾に包まれる。
「やっぱり・・・気持ちいい」
その時、いつもより広範囲にノイズが走る。
ジジ・・・ジ・・ジジジ・・・ジジジジ・・・ジジ
空間の歪みから吾亦紅神が現れた。
「ちょっとちょっとー!何物騒なこと考えてんのさぁ」
「「うぉい!」」
全員が吾亦紅神に向かってツッコミを入れた。
「今めちゃくちゃいい雰囲気だったじゃん!」
「なんてタイミングで現れるんだにゃ!」
「空気読んでよ!」
「・・・俺が悪いの?」
吾亦紅神は困惑していた。
「とりあえず、話を聞かせてもらおうか」
俺は吾亦紅神に向かってもふもふしながら話した。
バゴォーン!
金毛神に吹き飛ばされて地面に突き刺さる俺は続ける。
「なぜこんなことになっているのかをな」
「それはお前のせいだろ・・・」
「そうだなっと・・・」
ズボッ!
案内神が引っ張り出してくれた。
「さて!改めて聞きたいんだけどいい?」
「ちょっと待ってね。おーい!ちょっときて〜」
吾亦紅神が何もない空間に呼びかけるとノイズが発生する。空間が歪み、そこに作者神の姿が現れた。
「呼んだ〜?」
「「うぉい!」」
再び作者神にツッコむ俺たち。
「お前!俺たちが数千年掛けて追いかけてきたのになんだその登場の仕方は!」
「知らんて・・・」
「あれだけのことをしておいて出てくるの軽すぎない!?」
「面白かったでしょ?」
「「怖いわ!」」
「え〜」
「まぁまぁ、落ち着いて。聞きたいことがあるんでしょ?」
吾亦紅神が仲裁に入る。
「そうだよ!作者神!君は何者?」
「前にも言ったよ。君たちを創った存在だとね」
「どういう意味なの!?」
「そのまんまだけど・・・」
「あなたの目的はなに?」
「俺の目的はーーだよ」
一部が聞き取れない。
「ありゃ、まだ早かったかぁ」
「どういうこと?」
「まだその時じゃないってことだよ」
「その時とはいつのことだ」
「ーーだよ」
また聞き取れなかった。
「俺と吾亦紅神の関係は?」
「生まれ変わりって言われなかった?」
「近からずとも遠からずとも言われたよ」
作者神は吾亦紅神を見た。
「やっちゃったねぇ〜」
「ごめ〜ん♪」
「仕方ないから教えるよ。俺と吾亦紅神はお前だよ、好奇神」
俺たちはその言葉を聞いて全員が固まった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第99話 なんで通じるの?
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