第24話:新学期前のんびりとした日々(その4)
それぞれの思いを抱えた三人は皇宮を早めに後にした。
陳令は同級生たちがまだ中にいるのを見て、喫茶店で休もうと提案した。
注文を済ませるやいなや、閔千枝はすぐにトイレへ立つ。
化粧直しに行くためだ。
煥之と炎天下を歩いたため、顔がすでに脂でテカテカだった。
「煥之、何か嫌なことでもあったのか?兄さんに話してみないか」陳令は考えた──義弟の機嫌を取れば、明日の計画がうまくいくかもしれないと。
煥之は陳令を見据えて言った:「ここまで献身的なのは、何が目的だ?」
陳令は十歳の子供がここまで人心を見抜くとは予想しておらず、耳の根がほてった「明日...お姉さんに告白しようと思う」
煥之は鼻で笑った:「告白なら本人に言え。俺に仲を取り持てと?」
「ただ伝えたかっただけだ」陳令は顔を上げられず、手のひらのカップを握りしめた:「お姉さんには内緒にしてくれ」
「ただの驚きかもな、言う暇はない」
煥之は甘党で、ミルクティーを口にした瞬間から陳令と話す気を失った。
閔千枝が戻ってくると、煥之のカップが空になっているのを見て、フルーツティーを追加注文した:「ミルクティーは控えめに。フルーツティーが丁度良いわ」
煥之が嘲う:「真夜中に冷蔵庫からケーキを盗み食いしたくせに、俺を注意するなよ」
好きな人の前で暴露され、閔千枝はすぐに言葉が詰まった:「そ、そんなこと...ないわ!」
陳令は優しく笑った。「お嬢様が甘いものを好きなのは普通ですよ」
「女性に詳しいようだな。多く触れすぎて、何も感じなくなったのか」
閔千枝の心の中は罵詈雑言だった:「...」
陳令は殺気を感じ取った:「...」
閔千枝は怒ったふりをして:「黙ってなさい。禁呪術をかけるわよ」
今度は煥之が言葉を失った:「...」
陳令の心は「千枝ちゃん、めっちゃ萌える!」で満たされていた。
二人の大人が大学への憧憬を語り合う中、煥之は会話に入れず、むっつりとミルクティーのカップへフーフー息を吹きかけた。
「入学したら学生会に入ろうかな。自分を鍛えられるから。千枝は?」
「私は討論サークルかしら。コミュニケーションと論理力を磨かないと。だって今は煥之にさえ言い負かされるんだもの、由々しき事態よ」
煥之は軽く鼻を鳴らして同意した。確かに閔千枝は口下手だった。
「君には羨ましいよ、煥之みたいにお姉さんをよく庇ってくれる弟がいて」
煥之は心の中で毒づいた:ペテン師め!
「この弟は本当に文句なしに優秀よ。弟にしても絶対損はさせないわ」
陳令は何かを思い出し、顔を赤らめた:「僕も煥之のことは好きだよ。君が気にしないなら、喜んで(弟に)」
煥之がようやく口を開いた:「俺が物品か?勝手に売り買いするつもりか?」
閔千枝は今の褒め言葉を撤回したくなった:「...」
陳令は心中で嘆いた:「...」
その後、陳令が何を話しかけようと、煥之は必ず二人を戦場に立たせた。
油断ならず、慎重に。
さもなくば奈落の底まで叩き落とされ、再起不能となる。
これが閔千枝の討論サークル入り決意をさらに固めた。一生、煥之に言い負かされて反論できずにいるわけにはいかないのだ。
煥之は従来、人前では寡黙で、皇兄と師匠の前でのみ活発な姿を見せていた。
しかし閔千枝と過ごす日々の中で、自らがおかしくなったと感じるほど、次第に口が悪くなっていった。
夕日が西に沈む頃、同級生たちは外に集合し、北城の屋台料理を食べに繰り出した。
まだ落ち込んでいる煥之を、閔千枝はホテルへ連れ戻すしかなかった。
陳令が残留を選ぶと、同級生たちは意味深な目線を向け、口々に囃したてた:「三人家族~」
閔千枝は火照るほど赤くなった。陳令は笑いながらかばった:「早く行けよ。簋街(小吃街)の空席がなくなるぞ」
煥之はさらに直接的に、振り返りもせず閔千枝の腕をぐいと引っ張り、地下鉄へ向かって歩き出した。
ホテルに戻った頃には夕食時だった。
陳令が閔千枝を食事に誘うと、煥之は承諾せず、仮病を使ってまで閔千枝を階下に行かせまいとした。
陳令も腹を立てず、むしろ一歩引いて三人分の夕食を客室まで届けた。
これで煥之には断る口実がなくなった。
閔千枝と煥之のスイートルームには居間があり、三人で食事する様はまさに整った三人家族のようだった。
食事が終わるや否や、煥之は手のひらを返した:「男女七歳にして席を同じゅうせず。こんな夜更けに、まだ居座るつもりか?」
陳令は退室せざるを得なかった。
閔千枝は名残惜しそうに、入口まで見送った。
扉の内外で二人が未練がましく別れを惜しむ様子が我慢ならず、煥之は閔千枝を部屋へぐいと引きずり込み、バタンと完璧に扉を閉じた。
扉の外の陳令は怒るどころか、むしろにっこり笑った。
閔千枝の瞳に同じ未練が浮かんでいるのを見届けたからだ。
閔千枝は今日の煥之の異常な苛立ちを感じ取った:「煥之、今日は李時珍の皮(※)だわ!それともピカチュウの弟で皮が痒いの?」
「ではお前がピカチュウか?」煥之はとっくにピカチュウが稲妻を放つ巨大な鼠だと知っていた。
「(⊙﹏⊙)」閔千枝はまだ煥之の戦闘力を過小評価していた:「今日は陳令に随分敵意を向けてたわ。彼、何かした?」
煥之は厳粛に言った:「あの男は放蕩だ。関われば必ずお前が損をする」
閔千枝は白目をむいた:「どこでそんなデタラメを?」
煥之は老賢の風格で:「俺は男だ。男の本性は当然知っている」
「あなたまだ十歳よ!聞き間違いかしら!」
煥之は重々しく宣言した:「信じぬか?なら賭けよう。仮に二人が結ばれても、すぐに別れる。それも――別の女性が原因でな」
闵千枝は顔を赤らめた。「ちっちっ、何言ってるの?彼とはただの同級生よ、一緒にいるとか何とかじゃないわ。」
焕之は、闵千枝が陳令と一緒にいることだけを聞き、後半の注意は完全に聞き流したことを悟った。
これはどうせ意味のない会話だと決まっているので、焕之は部屋に戻ることにした。気が合わない者同士の会話は長く続かない。
その後、闵千枝はまた40日群を借りて陳令と話し始めた。
焕之は夜、夢を見た。夢の中で闵千枝は陳令に騙されて遊郭に売られ、毎日棒で打たれ、ついには川辺に立って自ら命を絶とうとしていた。
目が覚めると、焕之は冷や汗をかいていた。
彼は起き上がり、闵千枝の部屋のドアの前に行き、こっそりとドアノブを回した。
ドアが開くと、闵千枝は柔らかいベッドでぐっすり眠っており、彼の心の中の重苦しい気持ちがその瞬間、ふっと軽くなった。




