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第23話:新学期前のんびりとした日々(その3)

第四関門に到達した時、全員突破で無料チケットを目指した三十名は、わずか五名のみがなお前進していた。

  

五名の中には煥之、闵千枝、陳令、そして体格の良い男子学生二人が含まれていた。

  

しかしこの関門に入った途端、問題が発生した。

  

お化け役の少女が鋭い眼光で美少年を見抜き、熱心に煥之に飛びかかった。仕事を口実に触ろうとしたのだ。

  

煥之は武術の素養があり反応も鋭い。一撃で少女を蹴り飛ばした。

  

そして一同の悲鳴と共に、お化け屋敷の探索は幕を閉じた。


五人が出てきた時、閔千枝はまだ煥之の耳をひねっていた:「スタッフに触っちゃいけないって分かってる?」

  

煥之は理路整然と:「あの子が先に俺に触ってきたんだ!」

  

陳令もこの子が実に面白いと思った。

  

閔千枝は頭頂から湯気が立つほど怒っていた:「人を蹴ったんだから賠償しなきゃ!賠償金を!」

  

煥之は再びツンデレモードに:「銀はちゃんと計算しとけ、倍返しって言ったら一厘も足りないことはない!」

  

その間、とっくに脱出していたメンバーたちのグループチャットでは、煥之がお化け屋敷で鬼を殴るほど勇敢だったことが伝わり、皆がグループで「wwww」と笑い転げていた。

  

「参ったよ、この煥之小弟こそ真の英雄だ」

  

「俺は第一関門で泣きそうだったのに、義弟は最終関門まで耐えて、しかも鬼を殴ったって?」

  

「なに?何を見逃したの?俺早く出ちゃって外で寝てた」

  

「彼が『怖がる奴は腰抜けだ』って言ってたの覚えてる。悲報だ、俺たち腰抜けだったのか!」


煥之がずっと震えていた携帯を取り出すと、すぐにグループチャットの200階建てのコメントのほとんどが自分を称賛しているのを見た。


そこで彼は調子に乗った:「鬼なんて何が怖い?」

  

閔千枝はそれを見て非常に呆れた。弟よ、君が殴ったのは人間だ!

  

「早く他のみんなと合流しよう!まだ夜食に間に合うよ」と陳令が提案した。

  

閔千枝は怒りながらも、長く煥之と対立せず、彼を引っ張って夜食へ急いだ。

  

行ったのは煥之の好みにぴったりの焼き串屋で、羊肉串、鶏軟骨、豚皮の串焼きに彼は夢中になった。

  

閔千枝は食べ過ぎを心配し、時々「ゆっくり食べなさい」と注意した。陳令はそれを見て好感を抱いた──閔千枝が人を世話する時、独特の優しさが滲むのだった。

  

帰宅前、閔千枝は店主にビニール袋を二枚もらった。

  

すると案の定、煥之は車内で「ゲッ、ゲッ、ゲッ」と吐き、車内が大騒ぎになった。

  

彼女は内心笑った。この子は鬼さえ手を焼くのに、車酔いには勝てなかったのだ。


四日目、科学技術館。

  

煥之は目を見開き口をぽかんと開けた──この華国には神業のような物がこれほど多くあり、彼らはそれを「科技」と呼んでいるのか。

  

閔千枝はようやくここが正解だったと思った。一切気を遣わず、子供は素直に全ての指示に従って動く。

  

煥之が夢中で見ている様子を見て、彼女はからかった:「ここに住んでみる?」

  

煥之は一瞬考えたが、やはり閔千枝と住むことを選んだ。

  

なぜなら、銀がなかったから!

  

五日目、水族館。

  

煥之はこの日、初めて海の広大さと生物の豊富さを目の当たりにした。


これまで宮中で学んだことは、ほんの表面的な知識に過ぎなかったのだ。

  

煥之は特にイルカがお気に入りで、陳令はそれを見逃さず、義弟の機嫌を取るチャンスを掴んだ。

  

友人に頼み、煥之がイルカと至近距離で戯れられるように手配した。

  

煥之は拒まず、陳令に礼まで言った。  

  

陳令は心底嬉しかった。ようやくこのひねくれている子供との付き合い方がわかったのだ。


六日目、皆で二日間のキャンプを決行。閔千枝は急遽サバイバル装備を二組買い込んだ。煥之は笑った──屋敷の外で寝食するだけなのに、大袈裟なと。


閔千枝が「キャンプは自然と触れ合えるのよ」と言うと、山に着いてテントを張った途端、雷鳴とどろき大雨が降り出す。

  

携帯食料を持参していたのが幸いした。さもなくば一行は自然と触れ合えぬまま、この山で飢え死にするところだった。

  

真夜中、閔千枝が鋭い耳で子犬のクンクン鳴く声を聞きつけた。テントを出て周囲を探そうとした。

  

煥之も後を追う。

  

「戻りなさい」と閔千枝が言うも、煥之は拒否:「女子一人で夜中をうろつかせるわけにはいかぬ。行くなら俺が付き合う」

  

「千枝、どこへ?」陳令もテントから顔を出した。「俺が付き合うよ!煥之はテントにいろ」

  

煥之は聞かず、閔千枝の袖を掴むと、ゆっくりと声のする方へ近づいていった。


陳令は余計な言葉が無意味だと悟り、ただ一層周囲を警戒した。

  

間もなく、彼らは大木の根元で一匹の子犬を発見した。

  

人里離れた山中に子犬がいるのは妙に感じたが、

  

雨に打たれガタガタ震え、足を怪我していた子犬を、閔千枝はすぐに抱き上げた:「怖くないよ!怖くないよ!」

  

陳令は懸念を示した:「野犬だろう?人を襲わないか?」

  

「子犬よ、大丈夫」

  

閔千枝はテントに子犬を連れ戻し、自分の脇に寝かせた。


翌朝、閔千枝と煥之は先に立ち去った。子犬を獣医に連れて行った後、「閔百枝」と名付けて引き取った。

  

その後、カヌー施設(独木舟之家)のボランティアが不足したため、閔千枝は煥之を連れて手伝いに戻り、40日計画の35日目にようやく合流した。

  

この間、重傷だった閔百枝は次第に回復し、家の中を荒らす術まで覚えた。

  

三十五日目、閔千枝は煥之を連れて旅行に出かけた。  

  

同級生たちは先に到着しており、今回は古都・北城が舞台だった。

  

一行が皇宮に足を踏み入れると、普段はよく喋る煥之が終始一言も発せず。

  

彼は静かに宮中の道を歩き、どの景物も全てこの目で見てきた場所だった。

  

ついにこの地に帰ってきた──たとえ二千数百年の時を隔てていても。

  

硬い壁を撫でながら、これらこそが彼の追憶の刻まれた場所だと確かめた。


珍宝館に入ると、彼はかつて使っていた品々を数多く目にした。

  

ガラス越しにそれらの遺品を撫で続けていた。

  

閔千枝は煥之が国宝に夢中だと勘違いし、咳払いして注意した:「姉さんにはこれ買えないわよ。全財産を注いでも無理」

  

煥之は背筋をぴんと伸ばし、撫でていた手を下ろすと、ゆっくりと館を後にする。すれ違ったガイドの拡声器が響く:「天煥帝は王朝随一の一途な皇帝で、生涯皇后ただ一人を...」

  

過ぎ去ったことは過ぎ去った。未練があっても...もう過去なのだ。

  

放心状態の煥之の脳裏を、この言葉が何度も駆け巡っていた。

  

閔千枝は彼の落胆を察し、手を引いて人混みを抜けゆくように導いた。

  

陳令は無言で歩く姉弟を後ろから見守りながら、閔千枝の背中を見つめていた。

  

明日の計画にボート遊びを入れたことを思い返し、果たして...それを機にすべきか。

  

閔千枝が大学に入ったら、どんな努力も雪を担いで井戸を埋めるような無駄骨になるのではと危惧してもいた。


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