第20話 予選開始
十傑選定戦編開始です。長さはちょっとわからないです(汗
第2章3部作その1の予定なので、かなり長くなりそうですが、お付き合いいただけたらと思います
告示が行われてから1週間後、ベルガの中央広場は賑わいを見せていた。カーニバルをはじめほんの一部ではあるが露店が出されていたのだ。十傑選定戦参加者を含め結構な数が集まった。まだ皆不安な表情をしてはいるが、ここに来たということ、それだけで前進だ。
さて、参加者は12のギルドから計30人となった。ベルガには小と極小合わせて28のギルドが存在する。街の大きさは直径約10㎞のほぼ円形である。そのため街全体が徒歩圏内となり、公共交通機関の必要性が高くない。以前は多少あったようだが、今は失われている。それは現時点では大切ではないので後回しだ。とにかく、俺かカノン、アキネ達の最低1人が十傑入りしなければ後々苦しくなるだろう。カーニバルからはアキネとサブマスのエルブル、幹部《記憶》コードの計3人が出場している。全員が突破できればベルガはほぼ完全に掌握したことになる。他からの反感を買うことにもなり、それはそれで問題だが。
グランジュが広場北側に設けられたステージに上る。
「ベルガ十傑選定戦の開催をサラマンダ―の幹部《龍鱗》グランジュがここに宣言する」
『決闘;ベルガ十傑選定選を開始します』
「さて、とりあえず予選を行いたいと思う。くじでランダムに選ばれた対戦相手と戦ってもらう。決闘は3種類。それぞれ知力・体力・時の運が必要となる。これもランダムで決まる。質問はあるか?」
「はい。カーニバルのマスター、アキネです。本選出場の条件を教えてください」
「そうだな。1人3戦してもらう。2勝以上を上げた者に本選出場を認めよう。他にはあるか?」
「「「……」」」
「よし。これより予選を開始する。まず第1試合1人目は……春風・カノン」
「いきなり私ですかっ!?」
「カノンちゃん、頑張ってね」「春風2人で十傑入りしようぜ」
「はいっ!」
「2人目は……春風・ユウキ」
場が凍りついた。
ステージ上に俺たちは上がった。グランジュが少し申し訳なさそうにこちらを見ている。
「気にするなよグランジュ。くじ運が悪かっただけだ。」
「そうですよっ。ここで負けてもまだチャンスはありますしっ」
「……あぁ。では、初めに名前を呼ばれたカノン、勝負を決めるくじを引いてくれ」
「はいっ」
「決まったようだ。勝負は時の運。じゃんけんだ」
「「は?」」
「じゃんけんですかっ?」
「もっとましなものはなかったのか?」
「参加人数も結構いると聞いていたしな。予選は手短に終わらせられるものを選んだ」
「だからって……」
「ま、まぁいいじゃないですかっ。平和ですしっ」
って言いながらもちょっと声が動揺しているぞカノンよ。
「ハァー。せっかく同ギルド同士の対決だって覚悟してたのに拍子抜けだな」
「準備はいいようだな。では行くぞ。じゃーん、ケーン、ぽい」
結果は俺がグー、カノンがパーでカノンが勝った。
「負けちまったな」
「勝ちましたよアキネさんっ」
「おめでとうカノンちゃん。ユウキもお疲れ」
「おう。というかあのグランジュがじゃんけんの掛け声をしてるってなんかシュールだな」
「余計なことを言うな。次行くぞ。第2試合1人目は……カーニバル・コード」
「おっ、コードかぁ」
「そういえば俺たちそのコードって言う人に会ったことないな。ここにもいないし。どんな奴なんだ?」
「えっとね、いかにも黒スーツと四角眼鏡が似合いそうなサラリーマン風の男だよ。アビリティも相まってうちの事務的エースなんだ」
「かっこよさそうですねっ」
「続いて2人目は……避寒地・レイ」
「は?」
早くも本日2度目の驚きの声を上げる。レイはサラマンダ―所属で、しかも幹部のはずだ。サラマンダ―のホームはキトスにあるわけで、参加条件を満たしてはいない。まさか同姓同名か?そもそもこの世界に同姓同名ってあるのか?いや、姓はないか。
と、混乱のあまり思考が脱線してしまったが、ステージに上がった影を見て本線に戻った。間違いなく《咆哮》レイだった。
「どうした皆の者。そんなに固まってしまってはせっかくの祭りが台無しじゃろう」
「どうしてお前がここにいるんだ」
「あのサラマンダ―のマスターがお主に興味を持ったのじゃよ祐樹。そこでサラマンダ―傘下のギルドという形で新たなギルドを設立し、我がマスターに就任したのじゃ。ちなみにトミーは残ったぞ」
「紹介はそんなところでいいな。ではコードよ、くじを引いてくれ。」
選ばれたのは力の勝負。内容はアームレスリング。通称腕相撲だった。




