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全てが集まる異世界で  作者: トーマス
第1章 異世界体験入界
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第16話 支配の終わり

黒雷(ブラックサンダー)との戦いから数時間後、すっかり日も暮れた中対黒雷(ブラックサンダー)戦線の面々はサラマンダ―ホームに集まっていた。


「作戦成功を祝して、乾杯じゃ!!」

「「「「乾杯!!」」」」


さすがはここいら一帯で最強クラスのギルド、サラマンダ―だ。その幹部2人を含めた祝勝会である。目を疑うほどの豪勢な食事が所狭しと並んでいた。


「うめぇ、うめぇよぉ」

「こんな食事いつぶりだ?」

「落ち着けよザーク、リク」

「んなこと言ったって黒雷(ブラックサンダー)時代には絶対にありつけなかったんだぜ?」

「そうそう。これもすべてあんたらのおかげだ」

「お2人も対黒雷(ブラックサンダー)戦線の仲間ですよっ」

「そうですよ。あなた方も危険を冒して協力してくれたじゃないですか」

結果としてはあまり役に立たなかったが、その勇気は称えられるべきだろう。

俺やカノン、トミー、ザーク、リクが話している間、幹部2人は何やら話し込んでいた。グリンが言っていたことを気にしているのだろうか。今はそんなこと忘れて楽しんでもバチは当たらないだろうに。そう思い、話しかけようと近づくと

「そろそろじゃの」

「そうだな」

「ん?何の話をしてるんだ?」


「「「お邪魔しまーす!」」」

やけに広い宴会会場の扉を勢いよく開けて入ってきたのは黒雷(ブラックサンダー)から解放された人々だった。黒雷(ブラックサンダー)はほかのギルドをつぶしてはそのメンバーを取り込んで酷使してきた。そして、その支配が終わったことで彼らもまた、自由になったのだ。


「驚いたじゃろ祐樹よ」

「何やら話していることは思ってたがこんなこと考えていたとはな」

「彼らも被害者なのだ。せっかくのパーティは大勢で楽しんだ方がいいだろう」

「その通りじゃ。全員に声をかけるのは少しばかり大変での。開始にはちと間に合わなかったが、それはそれでよいだろう」

「そうだな。さあ、お前らも食べようぜ」


それから深夜まで踊れや騒げの大宴会は続いた。そしてようやく宴もたけなわといった雰囲気となってきていた。

「今回のこと、改めて感謝と謝罪をしようと思う。黒雷(ブラックサンダー)を代表して、私ザークから言わせてほしい。大変な迷惑をかけて本当にすまなかった。そして、本当にありがとう」

「「「ありがとうございました」」」

「何を言っておるのじゃ。困ったときはお互い様じゃろ。それに、お主らはどうすることもできなかったのじゃ。謝ることは何もないわ。」

「その通りだ。そして我々サラマンダ―は諸君を受け入れる用意がある。希望する者は俺かレイに申し出てくれ」

「対黒雷(ブラックサンダー)戦線からもある。今回黒雷(ブラックサンダー)が溜めこんでいた財産は個人所有のもの以外は全て俺たちの手に入った。その一部をお前たちに均等分配したいと思う。どのように使っても構わない。サラマンダ―に加入しない者は新ギルド設立資金にしてもいいかもな」

「皆さんの今後の立場は私たちサラマンダ―が保障します」

「謝る必要も感謝する必要もありませんっ。悪徳ギルドに翻弄された仲間として助け合って生きていきましょうっ」

「お前ら、本当にありがとう」

ザークは泣いていた。


会場は未だ熱気に包まれていた。一部では腕相撲などの決闘(ゲーム)で盛り上がっていた。チップはジュース一杯だの一回だけ言うこと聞けだのと平和だ。そんな熱気にあてられて俺はバルコニーに出ていた。これまた広いバルコニーがあるのもさすが金持ちギルドだ。

こっちに来てからいろんなことがあった、ありすぎた。傷はまだ痛む。サラマンダ―の医療班が治療してくれたが、完全には治らなかった。瀕死と言ってもいい状態から一瞬でここまで回復したのはさすが異世界といったところか。あとは自然治癒に任せてしばらく安静にしているとしよう。この2週間本当に成長したと思う。元の世界では何もできなかった?いや、何もしなかったのだ。たった一度の勇気でここまで来てしまった。流れを掴めるのは自分だけなのだ。そんなことを実感した2週間だった。


「どうだった?異世界体験入界は」

少年が尋ねる。

「よかったよ。いろんなことがあって、辛く苦しいこともあって。でも、大切なものを見つけることができた気がする」

「うんうん。じゃあどうする?元の世界に帰る?それともここに残る?」

「俺は……」

俺は後ろを振り返りった。そこには楽しそうに騒ぐザークとリク。端で笑っているトミー、レイ、グランジュ。ほとんどが疲れて眠ってしまっている元黒雷(ブラックサンダー)の面々。その中に混じって眠っているカノン。

「俺はここに残るよ。俺に何ができるかはわからない。でも、やれることはやるつもりだ。この平和を守るために」

少年は何も言わずににっこりと笑ってうなずくと、ゆっくりと消えていった。

「ん……ユウキさん?」

「悪い、起こしちゃったな。」

「いえ、大丈夫ですっ」

「ま、これからもよろしくなカノン」

「?よくわかりませんがこちらこそですユウキさんっ」

次の報告書を持って第1章完結です

ありがとうございました。

第2章はこれまでとはまた違った戦いが待っています

今後もよろしくお願いします。

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