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全てが集まる異世界で  作者: トーマス
第1章 異世界体験入界
11/43

第10話 対黒雷戦線:初戦

ついに10話目です

今後とも応援よろしくお願いします

決闘(ゲーム);対黒雷(ブラックサンダー)戦線の挑戦を開始します』



頭にもう3回目となる文字列が出現する。同時に、高速の何かが俺に大量に襲い掛かる。『電光石火』とカノンのアビリティを駆使してそれを躱す。

「大丈夫ですかっ」

「大ジョブだよ」

さっきと真逆となってしまったやり取りを交わしながら敵を睨む。《鬼畜》フラーだ。

「おいおいおいおい、大将が正面特攻かよ?お前お前お前お前、バカか?」

「大将は常に堂々としてるもんだ。それより一人で大丈夫か?」

「いくらいくらいくらいくら、お前が大将でもサラマンダ―の連中のほうが脅威なんでね。そっちに回させてもらったぜ」

不良のキャラ付けなのか、ウザいしゃべり方だ。早々に片づけてしまいたい。

それは置いておいて、作戦はうまく進行しているようだ。

 レイの作戦1、『大将の誤認』:大将にはギルドマスター権限を持つものしかなることはできない。つまり、サラマンダ―組には不可能で、カノンが自動的に対象となる。しかし、カノンには戦闘力がほぼない。狙われたらそれで終わりなのだ。そこで黒雷(ブラックサンダー)もノーマークである春風内で大将の偽装工作を行う。参加者リストは開示されるが、そこに大将の情報は存在しない。バカなギルドのバカなマスターを演じることで俺が大将であると誤認させる。俺が倒された時点で黒雷(ブラックサンダー)も気づくだろうが、守りながら戦うことは避けられるだろう。


カノンのアビリティ『ソウル・サーチャー』は周囲に存在する生命体のそれなりに正確な位置を割り出すことができる。魂を感じているらしい。そしてその魂の波動はそれぞれ異なっている。それを利用して一度顔と波動を覚えればだれがどこにいるのかを割り出すことができる。強力な感知系アビリティだ。さらに、もう1つ『ソウル・キャスト』も持つ。『ソウル・サーチャー』で感知した魂の情報を近くにいる仲間に送信し、共有できるのだ。アビリティも所有者と同様の魂の波長を帯びているので、放出系や設置系、変装系など様々なタイプのアビリティに対応ができる。攻撃力・防御力はないものの支援タイプとしての実力は申し分ない。初撃を躱せたのもそのおかげだ。


「近くに増援の気配なしですっ」

俺も見えてはいるが、小声で報告を入れるカノン。

「ああ。ひとまずあいつに集中だ。カラクリがばれるのも時間の問題だろうしな。『キャスト』の限界まで離れてろ」

「はいっ。気を付けてくださいね」


「ほうほうほうほう、そこの女の子は撤収かい?」

「こいつは俺の唯一の仲間だ。こんなデカい戦いの時には一緒にいてほしいんだよ」

「それはそれはそれはそれは、泣かせるねぇ。いいだろう。お前とタイマン張ってやるよ。これでも懲罰担当だ。ルールを破ったりはしねぇよ」

こっちはタイマン張る気なんぞないんだがな。いつかと逆になってしまった。


「じゃあじゃあじゃあじゃあ、行くぜ?『不良七技ノ弐:根性技(コンジョウギ)』」

先ほどよりも数段多くのタバコが出現する。かなりシュールだが、見た目だけだ。あのアビリティは強力だ。慎重に、そして手早くという無理難題を実行しなければならない。想像以上に壮絶な戦いになりそうだ。

『電光石火』を発動する。迫り来るタバコの正確な位置を『ソウル・キャスト』で把握し、避ける。数本避けきれず掠める。それだけで服が焼け、皮膚が赤くなる。俺の方は攻め切れない。

「おいおいおいおい、口ほどにもねぇな」

「黙ってろ。今に一発入れてやるよ」

「それはそれはそれはそれは、楽しみだな。」

ニヤリと笑い、更に量を増やす。掠める量も増え、数発は直撃する。肌が焼ける。ヒリヒリを超えた痛みだ。相手を倒すのではなく痛めつけるためのアビリティ。性格が悪い。だが、そこに活路を見出す。

全速力で突撃する。『ソウル・キャスター』でタバコの正確な数が分かってしまうだけに余計怖いが、そんなこと言っている場合ではない。無我夢中で突っ込む。

熱い、あつい、アツイ。痛い、いたい、イタイ。燃えるようといった表現でもまだ足りない。ここで俺が倒れればカノンがこの苦しみを味わうことになる。それだけは絶対に避けないといけない。寂しさに耐え、強がりながらも無邪気に笑うカノンを俺は絶対に守ると決めたんだ。元の世界では感じたことのないような衝動に駆られ、苦しみ、もがき、それでも走る。

「そんなそんなそんなそんな……っ」

奴の顔が驚きに満ちている。続く言葉を失っている。

「カノンを守る!」

あと5歩。たったそれだけでフラーに届く。単発の攻撃力はこちらが上だ。アビリティにも慣れ始めた今なら自転車の最高速度と同等のスピードが出ているだろう。

「……こと想定してないわけねぇだろうが」

わざと間を取り俺にわずかな隙を生じさせる。その隙に通常の5倍はあろうかという巨大タバコを具現化する。

「なんとなんとなんとなんと、速さは10倍、威力は20倍、温度は40倍だぜ」

フラーは勝利を確信していた。確かにあんなもの食らえばひとたまりもない。だが、俺はつぶやく

「終わりだ」

俺はさらにスピードを上げる。戦闘開始から俺はずっと最高速度を出さずに、ある一定の速度で動いていた。どれだけ熱くとも、痛くとも、あえてそれを守り続けた。すべてはこの一瞬のために。奴は無意識にではあるが俺の限界を決めつけていた。あれだけの攻撃を受けながら余力を残せるわけがない。そんな気持ちがないはずがない。俺はフラーに出来た一瞬の動揺を利用し背後に回る。そのころにはフラーも反応を見せるがもう遅い。俺の拳がフラーの背中に直撃する。おそらく遅めの自動車に轢かれるほどの威力があるはずだ。フラーは耐えきれず吹き飛ぶ。5mは飛んだであろうか。だが、転送されることはなかった。

「テメェ、ふざけんじゃねえぞ!!」

いつもの口調を失ったフラーは最後の力を振り絞ったのか先ほどよりも大きなタバコが出現させる。対戦車ミサイル(RPG)並のその大きさは俺にトドメをさそうとしたそれよりも強力だろう。対する俺はもうまともに動く力は残っていない。一発入れたことで集中の糸が途切れてしまった。詰めが甘かった。


「させない」

シリアスモードとなったカノンが間に割り込んでくる。

「バカ幼女!逃げろカノン!」

「私は仲間を守る」

「非力なお前に何ができるんだよ」

「『ソウル・キャノン』」

「死ねよ、ガキ共」

巨大タバコと半身(はんみ)に構えたカノンの片手から発射されたいかにも強力そうな極太レーザーが衝突する。


フラーはタバコもろともレーザーに飲み込まれ、消えた。

まともに戦闘書くのがこんなにも難しいとは思わなかったです

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