構想
結局ユウの家は父親が株の投資家でもあったので今川源次郎の息子と言うだけで電話でOK
サキも家で話したらすぐOKが出たそうだ。
伽椰子の実家にサキとユウが泊まりがけで来て本陣も知ってるので大喜びした。
「江戸時代の参勤交代の殿様も泊まった部屋で寝れるなんて!文化財で寝るようなもんだよ〜スゴいわ〜」と勝海舟の書とか伊藤博文からの礼状とか写メって喜んでた。
母の貞子も「伽椰子もやっとマトモなお友達できて良かったわね〜ホホホッ」と地味だが実は大島紬の着物の袖で口元を隠して笑う。
「あっ、イジメっ子の清野ちゃん、結婚したそうよ。
まだ18歳なのに妊娠してね〜土建屋の色情オヤジの蔵馬さんの子を。」貞子がせせら笑うように告げる。
「エッ、あの気持ち悪いおじさん!! 昔、公園で声掛けてきて清野ちゃんツバ掛けてたのに!」伽椰子が驚く。
「ほら、でもお金や土地だけは沢山持ってるから。
まっ、前の奥さん達のお子さんも居るから5人目の子になるかな?一気にその子達のお世話もあるし、お祖父ちゃんもおばあちゃんもボケてるし大変よね〜ホホホッ」貞子ママが小気味よく笑う。
ちょっと小児性愛好家と噂されてる人だ。奥さんを次々変えてるが皆10代なのだ。
「ねえ、伽椰子のお母さんって迫力あるね〜大丈夫かな?」サキが話すタイミングを悩んでたが話すとアッサリOKが出た。
「良いんじゃない。10代しかできない遊びをキチッと10代にしておくの大事よ。あの気持ち悪いオジサンだって私が子供の時は勉強ばっかりしてた超マジメな学生さんだったのよ。
同級生が町中で遊んでても1人塾通いに家庭教師つけられて。遊んでるの見たことないもの。
結果、小学生に声掛けるオジサンになっちゃったしね〜ホホホッ」と。
街の中を歩くのはドキドキしたが、中2で引きこもったので知ってる顔には会わなかった。メイクもしてるし髪型も服装も今時女子大生なので全く誰にも声掛けられず東京に戻る事ができて、ホッとした。
授業で今川くん、田中と合流した。
「長谷川先輩、撮影終わったら手伝ってくれる事になったよ!やった!
で、場所も4カ所絞り込めたし許可取れた!」と写真と地図を見せられる。
「サイレンのモデルと言われる埼玉の廃村と廃病院と静岡の巨大廃ホテルと神奈川のバケトンの4カ所だ。
先輩が撮影したらしい神奈川県の廃ホテルや海沿いの廃病院とか元々存在しないんだよね。
だから、アレは先輩達が途中寄った観光地で撮影したものを差し込んで、そう見せてるだけみたいなんだ。
吉田さんが長谷川さんに聞いたらしいけど、本人も帰ってからフイルムや携帯見て「あれ、ここ、どこだろ?」って状態らしくて〜」と今川くんが説明する。
『あの森の中を追いかけられた場所や森の中から突然現れる廃病院とか実在しないのかあ〜だとしたら繋ぎ方の妙だな。』と伽椰子は改めて長谷川部長に感嘆する。
「それでさ、先輩は帰ってきてフイルムや携帯の画像でお話作るなんて神業したけど、僕らにはそんなの無理だ。
だから、今資料の写真と各建物の大体の見取り図用意したから、誰か大筋のストーリー作って欲しいんだ。」と今川くんがすごい事を言い出した。
「あれ?今川が構想とか温めてるんじゃないの?高校時代から?」田中が目が点になってる。
ずっと熱く語っていたのを聞かされてたのだろう。
「そうだよ!普通、自分ならこう作りたいとか!
思ってる物じゃないの?」サキも驚く。
「…いや、僕のイメージは長谷川さんの映画しか無いんだよね。自分がこう作りたいとかは、全く浮かばないんだ。」と正々堂々と今川くんが言う。
「次の部会で映画の構想も説明しないといけないんだけど、誰かシナリオ書かない?」と他4人に振ってきた。
皆、必死で首を振る。
「ムリムリ、そんなの書いたことも考えたことも無いよ!
あっ、伽椰子引きこもり時代、推しの二次創作ネットで発表してなかった?私、聞いた記憶が…」ユウが急に伽椰子に振る。
「エッ、それはBLだよ!ヤオイだよ!
山無しオチ無し意味無しのヤオイだよ!
そんなちゃんとした話書いたことないよ!」伽椰子が必死で首を振る。
「エッ、ノベル書いてたの?それもネットで公開して読者もいたならスゴいよ!
ところでBLって?ヤオイって?何?」マジメな今川くんが純粋に疑問みたいだ。




