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廃墟の呪い  作者: たま


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20/22

明るい瞳

久しぶりに会った長谷川先輩はすごく明るくて…まるで生まれ変わったようだった。

「まさか君たちにバレるとはね。吉田はうまくかわせたのにね〜」ととぼけている。

チラッと伽椰子の顔を見た。スゴい色気でクラクラする。

「まさか岩田さんと根岸さんの悪事をそのまま映画にするとか!驚きました。2人から余計に責められませんでしたか?」今川くんが聞く。

「僕は車運転できないし、これ以上彼らと居ると危険だから伊豆の踊り子号乗って逃げ帰ったんだよ。

ヤバいと思ったんだろね。電話とかメールとか山ほど来たけど無視してた。

精神的にヤラれてね〜しばらく僕は学校行けなくなったんだよ。PTSDと診断されて薬飲んで実家でゆっくりしてたんだ。でもヒマでね〜せっかく映像はバラバラだけど沢山撮ったし。編集加工してたら楽しくて。

同期の女の子達の協力で真夜中のビレッジハウスで足りない分は隠れて撮影して映画完成する頃には、かなりメンタルも持ち直したんだよ。

でも薬は今も飲んでるかなぁ〜ずっとは身体に良くないから調子悪い時だけね。」と初めて会ったときとは別人みたいに快活に話す。 

「あの、今日子先輩は本当に…あの岩田さんを殺したんですか?」小さな声でユウが勇気をふるって聞く。

長谷川先輩が真顔になる。

足を組んで顔を近付けてきた。

「あの部会の日はゼミが早めに終わってビレッジハウスの中庭で携帯ゲームして日向ぼっこしてたんだ。

そしたら、今日子ちゃんの悲鳴が聞こえて、上見たら岩田さんが窓閉めようとしてた。

それで急いで部室へ行ったら、今日子ちゃんは携帯のケーブルで先輩の首絞めて、先輩は素手で今日子ちゃんの首絞めてた。」長谷川先輩がなぜか少し笑いながら状況を話す。

「今日子ちゃんから、悩みは聞いてたからね。

そういう関係なったのになぜか誰にも言うな!って口止めされてるし、貸した金も1円も返してくれないって。

だから、見た時行くとこまで行ってしまったんだなあ〜と思ったとこまでは覚えてる。」と先輩が話を切った。

「そこからがね、急にドラマ見てるみたいになった。

なぜか僕は先輩の後ろに回って今日子ちゃんが握ってたケーブルを掴んで僕の方に引っ張って締めたんだよ。

岩田さんは声が出せないくらい締まってたね、口がパクパクしてたけど空気しか出てなかった。

部室狭いから脇から入り口の方へ締めながら引きずっていったら身体は机の上へ乗っかって顔を真上から見る形になった。

助けてくれと言ってるのが口の形で分かったけど、僕も散々崖で突き落とされそうな時に叫んだからね。

車で轢き殺そうとされた時も助けてくれと何十回と言ったのに

岩田さんと根岸さんは聞いてくれなかった…」長谷川先輩の目が映画の中のトムと同じようにギラギラしてる。

ずっと溜め込んだ怒りが爆発するような…

「正気に戻ったら、もうあんな状態になってた。

今日子ちゃんは飛び出していったけど、僕はしばらく亡骸の顔見てたかな?

死に顔見てたらレモネード飲みたくなって、階段登ってココでお茶してたよ。そしたら、君等が発見して救急車来て警察来てスゴいことになってたね〜」長谷川先輩はほんとに清々しい顔で話す。

行き場の無かった憤りを綺麗に精算したように。

「ずっとね…なんか割り切れない感情と恐怖に苛まれていたんだよ、あれから。眠れない日も何度もあった。

それが、やっと終わった。ホッとしたって言うのが正解かな?

もう苦しまなくていい!と思えた。」長谷川先輩は、ニコッといつもの優しい微笑みに戻る。

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