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廃墟の呪い  作者: たま


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19/22

禁足地

18の伽椰子にまだ愛とか恋とか良くは分からない。

でも、誰かを大事だと思う事。手放したくないと思うこの気持ちが、それなんだと思う。

先輩からはすぐ「ありがとう」とだけ帰ってきた。

トムを失くして、また長谷川先輩も失くしてしまうのか?と思うと心が張り裂けそうだ。

掴めそうで掴めない砂のように指の間を伽椰子が愛する者がすり抜けて落ちていく。


国道沿い廃村は車で走ってすぐあった。

と言うか周りは所沢の住宅街の中に忽然と鬱蒼とした森があった。

「あの…ココ?」周りには田んぼが広がりカラスがカーカー鳴いている。

「まあまあ、中入ってよ。」今川くんが自信満々だ。

入ると苔むした墓石みたいなのや首のない地蔵が並んでる。朽ち果てた鳥居と神社が奥にあった。

「こんな住宅街の中に、なんでこんな古い廃神社や墓石が捨てられているんですか?」伽椰子が驚いて聞く。

「う〜ん、ほぼ鎌倉時代のモノばかりだからね〜

下手にイジれないんだよ…祟りとか恐れて。」今川くんが淡々とカメラをセッテングする。

「ちょっと待てよ!それって禁足地なんじゃないのか?」田中くんの顔色が変わる。

「禁足地?って、何?」ユウが聞く。

「だから、入ると災いが降り掛かったり人が消えたりする場所だよ!何してんだよ!早く出よう!森の外の車の方へ戻ろうとするが、サキもユウも伽椰子もイマイチやばさが分かっていない。

「でも、特にロープも張られてないし入るな!って立て看も無かったよね〜」お互いに顔を見合わせて苦笑する。

ごく普通の住宅街の中なので、今までの廃墟と怖さが全然違うので誰も動かない。

壊れた神社の社の中にロザリオをポイと投げた石川くんが、「じゃ、カメラ回すからロザリオ見つけて。」と伽椰子に声を掛ける。

固定カメラを回しながらハンディカメラで伽椰子の後から付いていく。

伽椰子は枯れ葉や朽ち果てた材木を除けてロザリオを見つける。

それを手に取り汚れを拭い自分の首に掛けた。

「はい!OK!終了です!」と石川くんが拍手すると皆もつられて拍手をする。

「だからヤメロよ!こんな場所で拍手とかあ〜早く出ようよ〜」田中が泣く。

「さあ、大学戻ろう。先輩、ビレッジハウスのカフェで待ってるらしい。」とカメラを片付け森の外へ向う。

伽椰子もついていこうとすると誰かに背中を押された。

そのため10cmヒールではじめてつんのめってコケた。

「今までそのヒールで廃墟や森走ってたのに!

なんでこんな町中でコケるの?」ユウが笑いながら手を伸ばして引っ張り起こしてくれた。

「…だよね。ヘヘッ、なんか…いや、まあ早く出よう!」と廃神社に一礼して車に小走りで戻った。



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