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廃墟の呪い  作者: たま


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18/22

願い

伽椰子はどこかでこのまま今日子さんが犯人ならと願ってる自分が嫌になる。ひどい目に遭ってるのは皆同じなのに。

コンクリートの巨大廃墟の中で携帯から流れるニュースのアナウンスが響いている。1週間ぶりに動き出した事件に興奮が伝わる。

「ダメだな。セッテングに時間取りすぎた。廃村でロザリオ見つける冒頭シーンは明日帰る前に撮ろう。

そろそろ片付けて外で倒れてるユウを撮影して終ろう。」今川くんが時計見てスケジュールの変更を決めた。

田中と伽椰子はサキを手伝って車を横付けしてセッセと機材を片した。車椅子を積み込んで、後は倒れてるユウを見つけて助け起こすシーンだけだ。

本当に時間を取りすぎた、日がとっぷり暮れてきた。


(演技)「本当にユウなのか?さっきの化け物じゃないのか?」今川くんが疑う。

「アレは擬態してるだけよ。身体の動かし方まで知らないわ!人間の自然な動きはマネできないのよ!倒れて上体起こしてるのは本物のユウよ!」ゴスロリ伽椰子は最初の被害者なので、化け物の情報が多いのだ。

擬態する時に情報交換されるのだ。

その時、後ろの病院の中からキーキーと車椅子を押すような音がする。

ギョとして皆演技を忘れて振り返る。

「あれ?車椅子、今しまったよね?俺?」このシーンでいないはずの田中が車の方へ走る。

「やっぱり、ある!なんで…」と言いながら、運転席に座りエンジンを駆け出した。

「オイ!早く乗って!もう、ダメだ!」田中が叫ぶ。

「ユウのセリフのシーン撮れてないよ!待って!」と今川くんが言ったが、確かに廃病院の中のキーキーと言う音は、だんだん伽椰子たちに近づいてきてる気がする。

「帰ろう!ユウのアップだからホテルで部屋暗くして撮ろう!」とサキも車に飛び乗る。

ユウが飛び起きて伽椰子を引っ張って車に走る。

病院の1階の入り口の奥がうっすら見える。

確かに無いはずの車椅子が…こちらに向かってる!

「出るぞ!」田中が車を発車させたが今川くんはずっと病院の入り口をハンディカメラで撮っていた。

「これは使えるかもしれない…」今川くんがニヤッとする。

「バカ!それどころじゃないわよ!」サキが昨夜ホテルで貰った塩を盛大に車内に撒き散らした。


「明日の廃村は予定変更して国道沿いのに変えるよ。 徒歩で山の中の入らないといけないからサイレンの廃村はやめる。撮影時間削って東京戻ろう。」今川くんが携帯見ながら、また変更した。

「どうしたの?」サキが聞く。

「実は、長谷川先輩に真鶴岬の話したんだ。そしたら、皆に聞いてほしい話があるって。 どうしても直接話したいって。」今川くんが携帯の画面を見せてくれた。

伽椰子は心の中で絶望する。


伽椰子は、夜ホテルのテラスに出て長谷川先輩のアイコンを押した。明日では遅い気がして。

「まだ日も浅いのにすみません。

でも、好きです。どうか自暴自棄にだけはならないで下さい。中2からヒッキーで4年ぶりに学校通ってるへなちょこより」と送った。

叔母さんが言ってた。

出会った人は、必ず別れる運命だとしても。

死ぬ時は1人だとしても。

「私はあなたのそばに居たいんです。ひとときでも。」星空に想いを託した。

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