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普通は異世界に落ちる  作者: fosel4
14/15

計画(1)

自分のステイタスを開いて、地図を見ながら走る


「はあ...はあ...」


どこへいるのかは知っている

冒険者ギルドに入る、といった


「大きい...」


走り続けて着いた冒険者ギルドは大きかった

城の中にまた城があるような感覚

冒険者ギルドは高く、人も多かった


「でも、こんなに大きいと、理恵が探しにくくなるな」


中は、広く、僕が読めない字でいっぱいだった

ここで、理恵を探す?

...まじで?


「まあ、目立つ人だから...すぐ見つかるかも」


とりあえず、窓口みたいなところへ行ってみるか


「...アスカを連れてきたらよかったかも」


またご飯をおごることになると思うけど

まあ、それはそれだ


「...窓口は...え、と」


言語を知らないと、何が何なのかわからない

...本当に、勉強しないとダメなのかな

まあ、字だけ覚えておいたらいいと思うけど


「使う言葉、日本語だし」


たぶん佐藤という人もひらがなとカタカナで作ったと思うから

漢字がわからなくても、なんとか行けるはずだ


「...聞くしかねぇか」


文字を読めないので、少し手伝ってほしい、と言ったらわかってくれるだろう

適当に、話しかけてもよさそうな雰囲気の人...


「ないな!」


怖い!

人間不信になっちゃったかな!


「ふう...大丈夫だ、僕は大丈夫!」


そういいながら、適当な人を探す

ステイタスを見て、レベルが低い人にするかな

...うわ、本当に人間不信になっている...僕...


「...あ、レベル28を探したらいいじゃねぇか」


確かに、理恵はレベル28だったし

それを探したらいい

そう思い、僕はギルド中を回った

29...41...17...18...

そして、どこかでみた数字があった


「53...?」


...僕は、考えなかった

体が、先に動いた

息を止めて、ガンガンうるさい心臓を黙らせて

静かに、遠くで、あいつを見た


「...」


今、前に行くと死ぬ

あいつが、僕に気づいたら、死ぬ

逃げないと、ダメなのに、体が、動かない

呼吸をすることさえ忘れていた


「これも...全部...罠だった?」


理恵がここにいる、と言ったことも

...何も、信じるなと言ったから

このため、だったのか

と、思っていたとたん

たっ

誰かに、肩をつかまれた


「し...っ」


理恵だった

びっくりして、声が出そうになったところを止めてくれた


「とりあえず、ここを出よう」


そういって、理恵は強引に僕を連れて行った


「...」

「大丈夫?」

「あ...うん、いや、うん」

「どっちだよ」


わからない

なんで、理恵と会うときはいつもこんなふうになるんだろう

話すことがあるのに、黙ってしまう


「...なあ」

「ええ、聞いているよ」

「どうして、あいつがあそこにいたの」

「私が冒険者ギルドに入ることになったから」

「それで、説明になってると思う?」


また、こんな言い方になってしまう

くそ、最悪の気分だ


「すまん、少し頭に血がのぼっている...」

「気にするな」


理恵は、ため息をついた


「なんか飲む?」

「...うん」


理恵は、紅茶を出してくれた


「...うまい」

「だろうな」


気持ちが、落ち着く味だった


「ありがとう」

「気にしなくてもいい、まあ、とりあえず、あの人は私の先輩でもあるから」

「だから、見に来たのか」

「まあ、ね、信じてくれる?」


...信じても、信じなくても

あんまり変わらないけどね


「どうでもいい、今は」


とりあえず、要件を伝えることが先だ


「君に、お願いがあってきた」

「...本気で、言っている?」

「まあ、ね」


理恵は、悩んでいた


「...聞いてから、決めてもいいかな?」

「すまん、無理だ」


手伝う、という確実な答えが必要だ

強引だとは思うけど


「私は...無理だ」

「そうか」


じゃ、祈るしかねぇかな


「君が、健一さんを恨む理由はわかるけど、私にはいい先輩だった、すまん」

「...あ、違う」


もちろん、復讐したいとは思っているけど

それを考えて手伝ってくれと言ったんじゃない


「違うって、何が?」

「手伝う、と言わないなら僕が言えることはあんまりないけどねぇ...」


ばれたくないことだし


「...僕の危機だ、と言ったら、手伝ってくれる?」


理恵は、悩んでいた


「ああ、もう、僕、話へたくそだな...」


うまく言うことができない自分が情けない


「とにかく、お願い、手伝ってくれ」

「...聞かないと、返事ができない」

「だよね」


頑固なやつだ、本当に


「だけど、命の恩人を見捨てるわけにもいかない」


命の恩人か

敵だったけど、命の恩人

人生って、わからないものだ


「だから、聞かせてほしい、私が手伝えることなら、手伝おう」

「...言った瞬間、君も関わってしまうんだよ」


だから、言えない

断られたら、僕は...どうする?


「優しいな、本当に」

「違うよ、ただ..」


ただ、なんだ?

僕は、やさしい?


「納得いかない顔をしているな」

「嬉しい、とか、ありがとう、と答えるのが普通なの?」

「そうかな」


でも、これって今の話と関係ある?


「手伝う、私ができる限り」

「へ?」

「もちろん、聞いて、さすがにだめだ、というかもしれないけどね」

「...わかった」


言葉でする約束は、そんなものだ

それでも、聞きたかった


「...このような状況なんだ」

「それで、私に何をしてほしい?」


僕は今まで起きたことを説明した

ここに来て、盗賊ギルドに入ったこと

そして、その盗賊ギルドを、疑っていることを


「二日あとに、僕を連れて行って欲しい」

「...拉致してくれ、という意味...?」

「それ、表現がおかしいだろう」


まあ、あっている...ような気もするけど


「僕は、二日後に絶対に勝つつもり」

「無理だと思うけど」


まあ、当然な答えだ


「...でも、勝って、もしも僕が外へ行くことを望んでないなら...」

「君が勝っても、盗賊ギルドが何かをする可能性がある、ということか」

「そう」


僕が望むことは、勇者の居場所へ行くことだ

でも、僕は弱いから、鍛錬してあげる、と聞いた時、僕は納得するしかなかった

今、勇者の居場所を知っている人は僕とセイだけ

真実を伝えることは、さすがに抵抗があったから


「なるほど、それで?」

「もしもの話だけど、僕が勝ってしまうと僕を止めようとするはずだよ」


何とか理由をつけたり、それとも...


「君は納得しないだろうな」


じゃ、どうする?

僕が盗賊ギルドだったらー


「連れ去って、閉じ込める...」

「...で、私はどうやって君を連れていく?」


僕は、黙ってインベントリを開く

そして、赤いポーションを出して、理恵に渡した


「計画は4個くらい立ててみた」

「ずいぶん、多いな」


できることを全部考えたら、こうなっちゃったんだよ

僕は、考えたことを話した


「一、何もかもうまく行って、出て活動することも自由になったら、教えてあげる」

「その時は、私は必要ないからな、わかった」

「二、二日後、僕が負けたら、まだ三日が残っているから、外へ出ることはまだ自由だと思う」


多分、監視の目はあると思うけど

今の段階、監視の目はないと考えられる

でも、二日後、僕の計画通りいくと、多分監視がつくはずだ


「だから、無理だということを伝える」

「じゃ、この計画って、君が勝たないと私はやることがなくなる計画だな」

「そうだな」


僕が負けたら、逃げる名分がない

僕が逃げても、それに確かな理由がないとだめだ


「正当防衛、ということか」

「まあ、な」


つまり、裏切った、ことじゃなくて

...まあ、逃げた、くらいになるといいと思う

逃げても、理由があって、逃げたという状況をつくること


「裏切ることじゃなくてか」

「できれば、捕まったときの言い訳はしたいから」


少しでも生きる可能性を上げることだ


「まあ、三番目の計画からは起きないように祈っている」


最悪の最悪まで考えなくちゃダメだからな

まあ、僕の勘があっていると...多分、最悪の状況になると思う...けど


「僕が勝っても、僕を閉じ込めようとするときだ」

「ああ」

「うまく行ったら脱出まではできると思う」

「...君が、盗賊から?」


うん、何を言いたいのかはわかる


「まあ、できることはすべて考えるからな」


死んだら、おしまいだし

できる限り状況はいろいろ考えておいた方が対処しやすい

...と、思う


「無理だとは思うけど、どうやって脱出するつもり?」


僕は、インベントリーを開き、前に買ったスクロールを見せてあげた


「...頭がよくない方向に回るね、君は」

「先輩という人が手段と方法を選ぶな、と言ったのでな」


このスクロールは、切り札だ

できれば、使いたくないけど


「ふふ...いい先輩だな」


理恵は微笑んだ


「っ...」

「うん?どうした?」

「いや...なんでもない」


今更だけど、理恵はすごい美人だな


「...って、何を考えているんだ僕は」

「...?」

「すまん、何でもないから、心配しないで」


まあ、それはそれ、これはこれだ


「それで、最後の策だけど...」

「負けて、出ることもできない状況でしょ?」

「...」

「図星、みたいな顔をされても困るけど」


まあ、当然というと当然なもんだから


「その時は...だけど」


いろいろ考えたけど、これは答えが出なかった


「なので、どうしたらいいとおもう?」

「...私に聞くの?」

「まあ、僕の頭ではここまでが限界だったので」


むしろ、三日の時間でここまで考えた僕をほめてほしい


「私が助けに行く」

「おお...」

「と、言いたいけど、無理だね」


ですよね


「私は無敵じゃないし、勇者みたいに強くもないからね」

「まあ、ね...」


先輩と戦ったら、だれが勝てるのかな

先輩は23だけど、盗賊は盗賊なりの戦闘があるって言ったから


「...まあ、その時は...私が何とかするということでいいや」

「本当に!?」

「ちょっと無茶はすると思うけど、できると思う」


...何をするのか、は聞かないでおく


「まあ、僕が勝って、なんとかしたらいい話だな」

「だな」


まあ、作戦は考えておいたけど

うまくいくかはわからないものだから


「それで、二日後、待ち合わせ場所はどこにするの?」

「むしろ、僕が聞きたいけど」

「...それもそうか、じゃ、待ち合わせ時間は?」

「...」

「そこで黙るな」


理恵はどうするかと悩んでいた


「はあ...いつでもいいか、私が一日くらい、徹夜したらいい話だし」

「ありがとうございます...」

「別に大したことでもないからいいや」


いや、大したことだと思うけど


「じゃ、これでいいよね?」

「お、おう」


理恵は立って、戻る準備をした


「なあ、理恵」

「どうした」

「え...と」


呼び止めたけど、言葉がうまく出てこない


「紅茶、うまかった」

「...そう、二日後、また持ってくるよ」


そういって、微笑む理恵の顔は

とんでもなく美人だった


「これで、できることは全部やったような」


これでも、うまく行く確率は1/2くらいだけど


「まあ、だったら生きる可能性は高くなるかも...」


盗賊ギルドが僕を裏切らない可能性

理恵が僕を裏切らない可能性

だから、これは保険だ


「理恵には少し申し訳ないけど...」


僕は人を簡単に信じる、かもしれない

今までは自覚なかったけど

僕は、盗賊ギルドを信じたい


「でも、二回だ」


疑ったことが、二回

一回目は、夜、ギルドを出ようとしたとき

二回目はアスカが、先輩を怖がっていた時

疑い、ということはそんな簡単に溜まっていく


「だからだ」


何事も、三回までだとだれかえらい人が言った気がする

だから、三回まで信じてみる

そして、だめだったらだめなのだ


「なんていうか、僕...どうにもなれ、という感じだな...」


まあ、いいや


「どうにもなれ、人生!」


それでいい!

よくないけど!


「じゃ、計画どおり行くように、下準備しに行きますか」


神様に祈ることより、何倍も確実だろう

でも、だれでも、計画は持っている

自分にとって、一番都合のいい展開

それが、計画というやつだ


「...だれもが計画通りいくことを望むけど」


僕の半端な計画は、異世界で通じるのかな

その心配だけは、消えなかった

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