第十四話
【前回までのShe is a vampire】
夏休みに吸血鬼による連続猟奇殺人の首謀者を倒した男子高校生の叶望。高校の生徒会を手伝うことになり学園祭の準備に奔走する中、新たな吸血鬼が現れて……。
紆余曲折あって、学園祭前日。
精根尽き果てて、布団に倒れこむ。
正直まだ残っている生徒会の事務作業はあるが、もう限界だ。生徒会長には後でしばかれるだろうが、仕方ない。
「のーぞーみー。今日も料理しないのか?」
居候の吸血鬼までもがクレームを入れてくる。
「勘弁してくれ。冷蔵庫にコンビニパスタ入れといたから、それで晩酌してくれ」
「むー。またコンビニか。確かにうまいんだが」
彼女は不満そうな顔をする。
「それで、学校に出た吸血鬼の情報は結局無いんだな?」
「そうだな。私の記憶にはなかった、ということは最近吸血鬼になった者だろうな。最近とは言っても、私の場合は数十年単位の話だけれどね」
「人間の意識を操るような能力、ってだけじゃ対処法が分からないな。学校の一般人を襲ってきたっていうのも理由がよく分からない。俺の価値がどうとか言ってたけど」
ラミアはこちらを、その赤い瞳でじっと見つめる。
「私と一緒にいるから、君を巻き込んでしまったのかもしれないな」
「そこまでは……言ってないよ」
彼女なりに、気を使ってくれているのかもしれない。
しかしどこからともなく高そうなワイングラスを取り出した。取り越し苦労か。
「ところでこの前教えてもらったSNSとやらにワインの写真を投稿してみたら、なにやら感想が送られてくるんだ。これは文通みたいでなんだか楽しいぞ」
この吸血鬼はいつからZ世代になったんだ?
実年齢は確か100歳以上だよな?
「学園祭の広報でもSNS使ってるんだよな。俺はよく分からないけど。ラミア、生徒会の広報担当にでもなってくれよ。セーラー服着て」
「君も程よく滅茶苦茶なことを言うようになってきたな。君の交友関係が一緒に滅茶苦茶になっても良いのなら、いつでも行こう」
「良くある学園物のご都合展開みたいには行かないか。とりあえずそのルージュ? っていう吸血鬼がまた来るまでは、SNSで時間を潰しててくれ」
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日が昇って学園祭当日。
「叶くん、本当に寝てる? 顔色が何だか青白いわよ」
「昨日家でも作業持ち帰ってたからな、多分後で仮眠取ると思う。でもまだラーメン出店してるとこのメニューチェックの最終確認が……」
八重垣が心配そうにこちらを覗き込んでくる。黒髪のポニーテールが揺れる。風が少し強い。
「じゃあこの缶コーヒーあげるわ。ひとまず開会式まで頑張ってね!」
彼女がいつになく優しい。何か裏があるんじゃないだろうか。
「全部終わったら、ちょっと話があるから」
「話って?」
なぜか、彼女はこちらに顔を見せないで言った。
「その時言うから」
その時は、睡魔と倦怠感に負けて、彼女の様子がいつもと違うことに気付けなかった。
感想くれたら嬉しいな。




