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73品目 特別遊撃隊

学園都市ポルトロ──


「アディショナル」

地賊団の軍勢を倒す為にテンペラーはかじきの天ぷらチケットをテンペレスト・オブ・ヘヴンにセットする。

「姿が変わった……?あなた何者なんです!?」

生徒は未知の存在であるテンペラーを見て驚く。

「言っただろう?アゲアゲな存在だと!」

カジキフォームのテンペラーは腕についたヒレをなびかせ高速で敵を切り倒していく。


「このアゲアゲなスピードのオレ様について来れるか?」

カジキフォームの機動力を活かしテンペラーは高速でその場を走り回り戦闘員1人1人の目の前に消えては現れを繰り返し撹乱させる。


「波状・カジキバイト!」

そして身動きの取れなくなった戦闘員をテンペレスト・オブ・ヘヴンの鋭い刃で次々と消滅させていった。


「はじめましてアゲアゲ!」

「こっちもアゲアゲ!」

「あっちもアゲアゲ!」

近くにいる憲兵達に挨拶をしながらテンペラーは敵を切り裂いていく。


「なんだ今のは……」

「アゲアゲ?ってなんだ?」

憲兵達は訳もわからず困惑するばかりであった。


「敵が沸いて歯止めが効かないのならば、それよりも速いスピードで倒して終えば良い!足止めなど、思考が弱い弱い弱ぁ〜い!!」

彼が戦闘員を倒していく中でも地賊団は地面から湧き上がり始めていたが彼がそれを凌ぐスピードで討伐していくことにより相対的に勢いはおさまっていった。


「お前は2度目の初めましてだなアゲアゲ!」

「お前は初めて会うぞアゲアゲ!」

「兵長………さっきからあのアゲアゲうるさいのはなんなんですか?」

兵士達にとってアゲアゲという聞き馴染みのない言葉を無駄に連呼しながらも目にも止まらぬ速さで敵を倒してしまうテンペラーは強大すぎるあまりただただ恐怖でしか無かった。


「アゲアゲ……おそらく学園の警備兵からの連絡に来ていたヤツで間違いないだろう。」

「学園?学園にいたんですか?」

「どうやら17日間誰にも会う事なく学園の森の中をひたすら徘徊し、地賊団の戦闘員を倒した後ベェルリ教論が街に出したという連絡が来ていた。」

兵長は既に学園側からテンペラーこと神衣天の情報を聞いていた。

「ただ、言い方は悪いが……文面で聞いた話以上に意思の疎通が取れなさそうな相手だとは思わなかったぞ。」

兵長でさえテンペラーの常軌を逸した強さと言動にはやや動揺していた。


「兵長!」

「なんだ。」

1人の兵士が兵長の元へ慌てて走り込んでいく。


「地賊団の戦闘員との交戦中、一部の戦闘員が奇妙な言葉を発していました!」

「それは本当か!?」

その瞬間、周りにいた者達の目の色が変わった。


「地賊団の戦闘員や魔物は皆言葉を発っさない筈では?」

他の兵士が戸惑うように尋ねる。


「私もそう思っていましたが……周りの者達とも話し合った結果明らかに特定の意味を持つであろう単語を発していました。発音はかなり途切れがあり聞き取りづらくはあったのですが…」

「一体何と発していたんだ?」

兵長が身を乗り出す。


「『フードファイター』。発音や言葉のつながりからそう推測しました。」

「フードファイター?また聞き慣れない単語が出てきたな……とにかく政府や学園の教論達にも連絡をしよう。地賊団の勢いをかなり弱まってきている。残りの戦闘員を直ちに駆逐せよ!」

「了解!」

兵士達は散らばり僅かに這い出てくる戦闘員達の打倒に乗り出した。


翌日──

鎧を脱ぎ正装で兵長はストックの宮殿で文書を読み上げていた。

「以上が先日の地賊団による襲撃及び討伐の内容となります。」

兵長は宮殿に設けられた議会室で読み上げられた報告書には地賊団の今までない規模での大量発生、生徒の安全を怠ってしまった危機管理の不足、そして『フードファイター』と言う戦闘員が単語を発した事実やテンペラーの事について事細かに綴られていた。


生徒を危険に晒してしまった事による学園関係者の胃痛からくる嗚咽、地賊団の戦闘員の大量発生事件に対する恐怖。単語を発したという事についての衝撃、テンペラーという存在への困惑。

兵長の報告書の内容はその日の議会で1番の話題をかっさらっていった。

すると突然議会のドアが開かれた。


「ハァ……ハァ……」

そこに立っていたのは出席の予定など何もなく資料のみ渡されたベェルリだった。

「こんなん……見たら、じっとしてられるか!」

ベェルリは息も絶え絶えで膝をつく。

扉の奥には警備兵が気を失っていた。


「兵長ならびに議会の皆様!この報告書を作成しておいてなぜ私を議会に収集しないのです!?」

ベェルリは自身の破天荒さのあまり皆が言葉を失った議会の兵長が登壇する場へ報告書片手に堂々と歩きながら訴える。


「フードファイターという単語を知らないのですか?異世界人がその異世界の料理の力を持って戦う戦士ことですよ!フードファイター本人を家に滞在させているフードファイターの有識者であろう私が何故この場に呼ばれなかったのかまるで理解できない!」

ベェルリは呆気に取られる兵長の前で興奮気味に語る。

「おいベェルリ!相変わらず貴様は何をしとるじゃ!!」

そう言いながら議会に入るのはトルラトスであった。


「バッカじゃなかろうか!非常識にも程があるぞ!無断で宮殿に立ち入り、兵士が使うような威力のたかに魔法で警備を気絶させ、議会に殴り込むなど言語道断!」

「説教なんて聞いてる暇はありません!今から私の提言聞いてもらえれば納得する筈です!」

そしてベェルリの提言から1週間後


「君達を学園の地賊団に対処する『特別遊撃隊』として迎え入れる。」

兵長は裕太と天に特別遊撃班の証である兵士用の制服とマントを付与した。

「おうカッコいい!!アゲアゲなデザインじゃないか!」

天は渡された制服の柄や質感に大喜びしていた。

「待っていまだに状況に付いてけてないよ!」

裕太は戸惑うばかりであった。

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