討伐
「ショーイチ、サユリ、あなた達の力があれば今回のクエストはそう難しくないはずです。もしもの時は私がなんとかしますから、自分を信じて戦ってみてください。」
最初に飛び出してきた『一角ウルフ』を範囲の広い火属性の魔法で一掃したあとエルザはそう言って、一歩身を引いた。残りは俺と沙由里でどうにかしろ、ということだろう。この先、元の世界に帰るためにもモンスターとの戦闘は経験しておくべきだしな。
「やってみるか、沙由里。」
「うん、翔ちゃんが一緒なら。」
「なら、沙由里は魔法で離れたところにいる『一角ウルフ』の相手を頼む。近づいてきた奴は全て俺がなんとかするから。」
「分かったけど、怪我とかしないでよ。」
「沙由里が一緒にいるんだ。そんなヘマするわけないだろ。」
沙由里が魔法を発動させると同時に背後に潜んでいた『一角ウルフ』が飛びかかってきた。俺が対処しようとして後ろを向いた瞬間、左右からも沙由里を狙うようにして飛びかかってきた。沙由里は気にせず遠くに見える『一角ウルフ』にだけ集中している。
俺は、後ろの『一角ウルフ』に瞬時に近づくと、そのままの勢いで殴った。同じことを瞬時に左右の『一角ウルフ』に対しても行った。
『身体強化』中の速さなら自身はあったが、まさか一回殴っただけで相手が動かなくなるほどとは思っていなかったので追撃に警戒しつつも内心驚いていた。『身体強化』使用中は制御に気をつけないと危ないな。
そして、その後は『一角ウルフ』が飛びかかってくることもなく遠くに見えていたのも姿を消し、俺と沙由里の初討伐は終了した。予想以上にあっけなかったな。
「やっぱり余裕だったみたいね。あんな一瞬で『一角ウルフ』の戦意を喪失させるなんて。サユリの火力もそうだけど決め手となったのはショーイチのあの動きでしょうね。」
「翔ちゃんが守ってくれてるって見なくても感じてた。だから全然怖くなかったよ。」
「いや俺なんて殴ってただけなんだから、そんなに褒められると逆に恥ずかしいって。」
そんなことを言いながら俺たちは討伐報告にために『ギルド』に帰って来ていた。
「あら、お帰り。ずいぶん早かったわね。もしかして慌てて逃げてきたとか?はないわよね。エルザも一緒だったわけだから。」
「ええ、もちろん。ちゃんと討伐してきたわよ。成果を確認してちょうだい、ニーナ。」
「分かったわ。じゃあ、ショーイチとサユリ、それとエルザも一応スキルブック出してくれるかしら。」
ニーナの指示に従い俺たちはスキルブックを出した。
本当にゆっくりとした更新となってしまってすいません。次はもっと早く更新できるようにします。




