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赤ちゃんの目的

間が開いてしまってすいません、3話は、2日後までには更新予定です。

人生の指針のヒントになれば幸いです。


……


 正直言って頭が良い、物事の考えレベルからいって幼くとも18歳ぐらいの考える力があるのではないだろうか?


 認めたくないが僕より頭がいいのかもしれない。


 だから僕は、この赤ちゃんが遊びに来た目的が知りたく、恐る恐る尋ねることにした。


「あのさ、君の目的は何? そして、君は何者なのでしょうか?……」


 その問いかけに赤ちゃんは、3分の1ほど中身の減ったメロンサワーを近くの台に起き、ダンボールに姿勢よく座って


 僕の目を見て真剣な表情で口を開いた。


 目を見られるのが苦手なので僕は視線を外した。


「君の力になりたいんでしゅ、君のため、そしてボク自身の自己満足のため」


 君のためと言われ、『あなたにどんなメリットが有るの?』と問いかけようと思ったが


 その問いかけが浮かぶよりも早く、赤ちゃんはきっぱりと答えた。


 真剣な表情だったので嘘はなさそうだ。


「自己満足……?」


「んっ?難しかったでしゅか?……意味は……自分の行動に自分で満足……」


 意味は大体分かっていた、でもいざ言われてからほんの少しだけ赤ちゃんの気持ちが理解できたような気がした。

 

「いや、そうじゃなくて……」


「えっとー……何から話したほうがいいでしゅか? 反復? それともボクが生まれてから……?」


「反復……?」


「あ、記憶の反復って意味でしゅ」


 主語が抜けたことを瞬時に察知し、赤ちゃんは答えた、頭の回転が自分より早いかもしれない……。 


 それはさて置き、聞いていいのだろうか? 生まれてからのことを

 

「んー……聞いていいの? 生まれてからのこと」


「いいでしゅよ、人間関係は自己開示からでしゅからね、ただ……二人だけの秘密でしゅからね?」


 そういって赤ちゃんは、右手の人差指を自分の口元にあて、『内緒だよ?』のジェスチャーをする。


 …… 可愛い。 この子が男の子でもとっても可愛い。


 自己開示という難しい単語を使ったことよりも赤ちゃんの仕草に僕はメロメロだった。


 因みに自己開示というのを簡単に説明すると、


 自分自身に関する情報を、何の意図もなく、言葉を介してありのままに伝えること。らしい


「……んぐっ……分かりました、貴方自身の事情は他言厳守します」


 正直、頭の良い赤ちゃんと喋っているのが不思議な感覚だった。


「ありがとごじゃいましゅ、あの、もし良かったら、オオノしゃんも後で自己開示というかボクの質問答えてくれましゅか?」


「はい、わかりました、50・50(フィフティーフィフティー)がフェアですもんね」


 そして、赤ちゃんの生まれてからの話が始まった。 要約すると下記の通りだった。



 前世で間もなく40歳を迎えようとしていた、赤ちゃんは、勉強に勉強を重ね、脱サラをして


 念願の起業の準備にとりかかっていた矢先、なんらかの不幸が起きたらしい。


 そして、赤ちゃんに生まれ変わった自分は、母体から出て、第一声の産声を上げる前に、何処に住んでいたとか、友人・知人・家族の顔、そして、自分が死んだ理由以外の知識が記憶に残っていることに気づいた。


 ぽかんとしている事態に、産婦人科の医師は慌てて、赤ちゃんをひっくり返され、体を優しく叩こうとしていたのを察し


 涙は流せなかったが、目を閉じて、産声を上げざる負えなかった。


 産婦人科に居る時は、とても退屈だったそうだ。


 夢には、前世の記憶がフラッシュバックするのだが、ぼやけていたり、顔を思い出すことはなく。


 夢から覚めると同時に、懐かしい記憶、悲しい記憶、愛おしい記憶、問わず全部消えてしまうのだ。


 ただ記憶に残るのは、前世の夢を見ていたなぁ……といった事だけ。


 それから、赤ちゃんのふりをしながら、自分がどう生きていくかを考え、杖を使いながらとはいえ歩けるようになった最中


 僕を見て、何かがフラッシュバックすると同時にほっとけない気持ちが芽生えたらしい。 前世の自分の性格も少しぼやけているらしいが、多分似ているのかもしれないとのことだった。


 それから、レシートを見て、お店の電話番号を暗記し、暫く経った今日の少し前、電話で僕が出勤しているのを確認しここに訪れたとのことだ。


 目的を端的に言うと、自分自身が前世の知識を得たまま転生していることに対し、秘密の共有者が欲しいとのことだった。


 その言葉を聞いた時、その子の両親が浮かんだ。


 両親といえば子を無条件で信じる存在ではないだろうか?


「秘密の共有者は、両親じゃダメなの?」


「はい、その質問想定してまちゅた!」


 赤ちゃんの可愛いドヤ顔、キュンときたが僕は怯むことはなかった。


「……なるほど」


 想定していた、確かに親と言えば無条件で信頼できる可能性があるのだが、後々面倒になる可能性も生じるだろうか?


「本当は、オオノしゃんに考えて欲しいでしゅが、ボクも早く本題に入りたいので今回は割愛(かつあい)しまちゅ」



「割愛……」


 恐らく口にするのは初めての言葉だった、勿論意味は知っている、省略するといことだよね?


 僕が割愛の意味に迷いを生じさせたのを察したのか、赤ちゃんは、お母さん指をピンと立てて口を開いた。


「割愛ってのは、省略とは違いまちゅよ、惜しいと思いつつも捨てるって意味でしゅ」


「なるほど……似ているようで似てないですね」


「はい、えっと親に話せない理由なんでしゅが……」


 来客のチャイムにより、会話は途切れることになった。


「う……こんな時に……」


 仕方なく僕は、レジに出て、


「いらっしゃいませ、こんばんは」


 一言挨拶をしてからバックヤードに戻った。


 僕が戻って椅子に座るのを確認してから、赤ちゃんは言葉を続けた。 


「両親に話せない理由でしゅが、恐らく冷静に判断出来ないんじゃないかって思うんでしゅよね」


「うん……? 子供のことを一番理解してるのは親じゃない?」


「んじゃぁー、生まれて間もなく、『ハロー』と挨拶を返したのちに天才になる赤ちゃんのその後しってましゅ?」 


「え?……天才になったんじゃ?……」


「えっと、そうじゃなくてでしゅね……、天才になる代わりに、両親のそれぞれの教育方針の違いで家庭が崩壊したり、ほんらいのびのびと過ごす時間であった時を勉学に押しつぶされるぐらい窮屈な毎日だったんでしゅよ?」


「なるほど……」


「本来、親というのは、子供の意見を尊重しないといけない反面、飛躍的に才能がある点があればその芽を引っ張ってでも伸ばそうとするでしゅ」


「なんとなく言わんとせんことは分かるんですが……」


「両親にはお世話をしてもらってる分恩がありましゅし、自立するまで歯向かうのは厳しいでしゅ」


「えっと、つまり、自分のペースで勉強したいとどんなに頼んでも家庭教師や、したくもない教科の勉強をさせられるみたいな?」


「そうでしゅ、だから、両親以外に、打ち明けれる存在が欲しかったんでしゅ、少なくとも、オオノしゃんだったら両親より対等に近い関係が築けるんじゃないでしゅかね……って」


「なるほど、えっと、指導してもらう代わりに、秘密を守ればいいんだよね?」


「そうでしゅ、でも、指導以外にも目的がありまちて……」


 少し恥ずかしそうに俯く赤ちゃん、なんだろう、友達か何かだろうか?


 そういうのは願ってもいないことだが……。


「オオノしゃんの携帯で、調べ物したりしてもいいでしゅか?」


「嗚呼……うん、別に良いよ」


「ありがとでしゅ」


 頭がいいのは十分に分かった、間違っても変なサイトに行ったりはしないと思う。


 それにしても赤ちゃんはどんな気分で今を生きているんだろう?


 知識があるなら活用したいのが(さが)だと思う


 嬉しそうな赤ちゃんを見ていると、レジの方から声が聞こえた。


 ふと防犯カメラを見ると、レジにお客が着ていた、


「あっ、やば……」


 僕はすぐさま、ロックを解除し、携帯を赤ちゃんに渡してからレジへ向かった。


「おまたせしてすいません」


 


 そんな、またせてしまったことに対する申し訳無さもあったのだが、深夜にもかかわらず、大量の商品を入れた籠、


 店内調理のファーストフードの注文に、店内調理コーヒーまで頼むお客さん。


 昼間だったら分かるのだが、何故こんな時間に、こんなに、手間のかかる注文するもんかねぇ……?


 最初は負い目があった接客だったのだが、やや異常な買い物量に、僕はイライラしながらもなんとか接客をこなした。


 ただ、イライラしてしまったのがあるが、お客が最後に


「忙しいのにごめんねー」


 と謝ってきたのに、ハッと我に返り、僕はようやく本当の笑顔で接することが出来た。


「いえ、おまたせしてすいません、またお待ちしております」


 僕が深々とおじぎをすると、お客さんが素敵な笑みに満ちた。


 イライラしている自分が嫌に感じた。


 顔には出ていたようで出てないと思うが、雑な接客が少し含まれていたとは思う。


 自分で採点するならば合格点に達してない接客をしたわけだが


 どうしてこうもいらいらしてしまうんだろう。


 実は、コンビニ勤務でこのようなことは1日に1~2回ある。


 良いお客さんにがさつな接客をしてしまう自分が嫌なのだが、何度も繰り返してしまう。


 僕はお客さんが店内を出るのを見送ってからしてからバックヤードに戻った。


 戻ると、赤ちゃんは、快適に動作するスマホに感動していたようだった。


「わー、4年ぐらい前の携帯とは全然違いましゅね」


 ぐらい前というのは、自分が西暦何年に生きていたのかを記憶してないからだろう。


「確かに、目まぐるしく進化したと思うよ」


 ややこしい記憶の引き継ぎ条件だな……と思いつつ僕は相槌を返した。


 それに対して僅かな反応はあったが、僕に言いたいことは今すぐはないらしく、


 少しだけ別の作業をしてからスマホの調子はどうかと赤ちゃんに改めて尋ねた。


 赤ちゃんは、賢いからか操作の飲み込みが早く、グーグル検索をしていたようだった。


「とっても勝手が良いでしゅ、まるでミニパソコンでしゅね」


「そうだね、文字打ち面と画面の小ささを除けばミニパソコンだね」


「そういえば、さっきちょっと元気ないようだけどなんかあったでしゅか?」


「……こんなこと相談していいのかわからないけど実はさぁ……」


 それから僕は、生まれつきのせいもあるが、感情のコントロールが下手ということについて赤ちゃんに相談することにした。

楽しんでる読者の皆様へ1つお願いがあります。

もし宜しかったら人生で悩んでることや悩んでいたことを教えてくれませんか?

貴方様の経験談や貴方様のお悩み、福梟がきっちりしっかり解決に導いて差し上げましょう。 その代わり小説のネタに使わせていただくかもしれませんのでご了承ください。では、次回は 感情のコントロールの話になります。 お楽しみに

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