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募金と赤ちゃん

コンビニに遊びに来た不思議な赤ちゃん

その赤ちゃんの目的とはいったい!?

裏へ招くと赤ちゃんは見慣れない光景なのか目を大きく見開き、辺りを見渡した。


「ほほぉ……これがコンビニのバックヤードなんでしゅね」


「う、うん……まぁ……」


 赤ちゃんなのに、いろいろな言葉を知っている、恐縮とかバックヤード(裏)とか防犯カメラとか


 可愛い反面、少し不気味だった。 いや、可愛いけど。


「オオノしゃんは、あそこに座って作業してるんでしゅか?」


 そうやって赤ちゃんは、3メートルほど先の、出勤や発注や返品などをするパソコンの側の黒い事務椅子を指さした。


「うん、そうだよ」


「じゃぁー、この中身の入った段ボール箱椅子の側においてくださいでしゅ」


 そういって赤ちゃんがペンペンと叩いたダンボール箱は、返本作業が終わった本が詰め込まれたダンボールだった。


 確かに赤ちゃんが座るにはちょうどいい高さかもしれない。


「うん、分かった」


 言われたとおりちょうどいいと思われる(監視カメラやストアコンピュータが見える)位置に段ボール箱を置いた。


「ありがとうございましゅ、重ね重ね申し訳ないんでしゅが……」


「うん?……」


 ……どこの赤ちゃんが、『重ね重ね申し訳ない』と丁寧な言葉を使うのだろうか。


 唖然とした僕が赤ちゃんの返事を待とうとしたその時



~~♪



~~♪


 来客のアラームが鳴った。


「えっとでしゅね……そ、そのー……」


 何かを言おうとした赤ちゃんの言葉を制止せざるおえなくなった。


「ぁ……ぁうん、ちょっと待ってね一言挨拶しないといけない決まりだから」


「わかったでしゅ」


「うん、ありがとう」


 そう言って僕は物分りの良い赤ちゃんの頭を思わず2度撫でた。


「こっ、子供扱いはダメでしゅよ!!……むぅ……」


「ぁ……ごめんごめん! じゃ行ってくるね」


「はい、待ってましゅ」


 怒っているのか照れてるのか分からない赤ちゃんを、返本が入って硬くなったダンボールに座らせてから、僕はバックヤー


ドから出た。


「いらっしゃいませー、こんばんは」


 定型文の挨拶をしてから、僕はまず何をすべきかを考えた。


 そういえば、赤ちゃんは何を要求しようとしていたのだろう?


「うーん……」


 小さく唸る自分。


 そんな中、レジから見えるお客さんは、紙パックの飲料コーナーを見ていた。


「……そういえば、喉乾くかな?」


 赤ちゃんの飲み物と連想すると何故か自分は、80円ぐらいで150ccぐらい入ったメロンサワーのジュースだった。


 自分は飲んだこと無いが、結構これを買うお客さんは赤ちゃんのために買っているというイメージが湧く。


 僕はレジから離れ、お客さんが、お目当てのメロンサワーからある程度距離をとったのを確認して、そっとメロンサワーを


懐に入れ、レジに向かう。


 お客さんは、牛乳と、惣菜とおにぎりを数個買い物カゴに入れ、レジに来た。


「いらっしゃいませー」


……


 レジの打ち終わりが待ち遠しかった、というよりは、赤ちゃんが悪さをしてないか、不注意で怪我をしてないかが心配だっ


た。


「ありがとうございましたー」


 お店からお客が出たのを確認し、懐に入れたメロンサワーのバーコードをスキャンし、僕はバックヤードに戻った。


「ただいま」


「おかえりなしゃい、えっとそれで……」


 赤ちゃんが何かを言いかけたのを確認しつつ


「コレでいいかな?」


「へっ……? ボクの心読んだでしゅか?」


 どうやら当たっていたようだ。 でも他に何か僕にして欲しいことがあるのは間違いないだろう。


「いやいや、喉乾くかなって、ところで、何かして欲しいことがあるのかな?」


 そう気になるのは何故コンビニ遊びに来たかということ。


 電話の内容を思い出すと、僕が1人なのを確認していたことに気づく。


 つまり、店長や他の従業員目的ではないようだ。


「んーと……えっと…… ぁ、とりあえずこれ開けてくだしゃい」


 そういうと赤ちゃんの小さな手がぷるぷると震えながら先ほど渡したメロンサワーをそっと返してきた。


「嗚呼、うん了解」


 そう思い、メロンサワーの横についている短い伸縮性のストローを取り出そうとした時だった。


 お金を触った僕の手は恐らく汚い、ということに気づき、僕はそこから少し離れた洗面台で手を洗ってから、清潔な状態で


、ストローを開け、飲みやすいようにセットしてから赤ちゃんに渡した。


「おまたせ」


「あ、何から何までお気遣いありがとうございましゅ、つい菌には弱い立場だってこと忘れてましたでしゅ、やっぱりお兄ち


ゃん凄いでしゅ」


……


『ドンッ!!』


「にゃっ!にゃんでしゅか?」


 突然の大きい音に赤ちゃんがびっくりする。


「嗚呼……ごめんね、蚊だよ、蚊」


 僕は自分顔の額を壁に勢い良くぶつけた、蚊というのは嘘だ。


 危うく人としては踏み入れてはいけない世界に行きかけたのだ。


 確実に僕はこの赤ちゃんに惚れている。ラブではないが物凄いライクとして。


 物凄いライクとしてっ!!



……物凄いライクとし…… あっ、はい、すいません。落ち着きます。


「あの、ボク、超天才というか超秀才でしゅが、肝っ玉や耐久力は2歳児でしゅから……その辺宜しくでしゅ……」


「ぁぁ……うん……」


 額が少しヒリヒリするがお陰で冷静に赤ちゃんを見れた。


 それから赤ちゃんは、小さい口で小さいストローをそっと(すす)った。


「……んっ!美味しいでしゅ、程よい甘みで、甘すぎないから喉の渇きもちゃんと癒えるでしゅ、これ美味しいでしゅね!!」


……嗚呼ダメだ、可愛い。 可愛い子に褒められるとか……。凄く快感である。


「そう? 気に入ってよかった」


「僕は飲んだこと無いけど…」という言葉を飲み込んでから


会計を済ませてなかったことを思い出し、手提げバックから自分の財布を取り出し、100円だけ取り出してから、レジでメロンサワーの代金を済ませ、お釣りをなんとなく募金に入れた。


「お釣り募金しゅるなんて偉いでしゅね」


「……うん?……あー、うん小銭の時とかはちょくちょく募金してるよ、財布は重く無いほうがいいしさ」


 監視カメラで僕がメロンサワーを精算している所を見ていたようだ。


「募金する時は何かかんがえてましゅか?」


「えっ? なんだろう……うーん……例えば?」


 とっさに質問を質問で返した、この言動により僕はもうこの赤ちゃんを赤ちゃんとは思っていないんだなと実感した。


「『このお金で少しでも誰かが幸せになりますように』とか或いは、このお金で助けられた人が『ありがとうオオノしゃん』みたいに言ってるところとか想像してましゅ?」


「えー? でもたかが10数円でしょ?」


「たかが10数円、されど10数円でしゅよ?」


「そうかなぁ……?」


「人類が60億人、皆が1円ずつ寄付したら60億円になるでしょ? たかが1円されど1円でしゅよ?」


「あー、うん、その考えはしたことがある……そっかぁ……確かに募金の先はそういうことだもんね」


 今までただ財布の整理として小銭を募金していたが、元を辿るとたしかにそうだ。


 実際やったことはないが、電話1回(約100円?)で10人の命が救えるワクチンというCMやWeb広告を見たことがある。


 だから、今10数円お釣りを募金したことで、何人かの命を救えたのかもしれない。


 命を救うまでたいそれたことはないけど、確実に何かの1になってその1が集まって100になって結果、命を助けたのかもしれない。


 そう思うと少し寛大な気持ちになれた。


 どうして今まで気づかなかったんだろう、そして自分と同じように何気なく募金している人がいるなら、ぜひとも気づいて欲しい事だ。


「ありがとう、今度からお金がどう使われるかとか、誰かを救う小さな1(イチ)になったと思ってから募金するよ」


「うん、そうしたほうが絶対得でしゅよ! オオノしゃん偉いでしゅ」


 そういって、ダンボールに座っていた赤ちゃんが、立ち上がり手を上に伸ばしたので、僕は屈みこむと


 赤ちゃんは、僕の頭をなでなでしてくれた。


 光栄の極みであると同時に、自制しなければならない言動を堪えるので僕はいっぱいいっぱいだった。


 この賢い赤ちゃん、いったい何者なのだろう?

タイトルは改変予定、ただテーマがわかりやすくなるようにしていきます。

こんなかんじで自己啓発混じりの小説になると思います。 よかったらブックマークや宣伝していってくださいね。次話は明日更新予定。

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