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白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
9/12

ヒマダナー

宇宙船「アホウドリ号」は今日も多次元宇宙を漂っていた。


特に目的地はない。


なぜなら船長が白井キャプテンだからだ。


白井キャプテン「おいみんな!」


ペリカリノ「嫌な予感しかしねえな。」


白井キャプテン「今から船を逆走させる!」


ペリカリノ「宇宙に逆走の概念あんのかよ!」


タルト「厳密にはありません。」


白井キャプテン「じゃあ作る。」


ペリカリノ「作るな。」


ネコさん「みんな元気でいいことだにゃ〜。」


ネクタイ「パン。」


ジェントル「ガンダで行くぜ!」


ペリカリノ「お前は何に対して言ってんだよ!」


すると突然、タルトの声が船内に響いた。


タルト「報告です。」


白井キャプテン「おっ。」


タルト「前方に惑星を発見しました。」


白井キャプテン「よし行こう。」


ペリカリノ「判断が0.2秒。」


タルト「分析します。」


船内モニターに情報が表示される。


【惑星名:ヒマダナー星】


【住民数:12億】


【文明レベル:高】


【特徴:住民全員が極度の無気力】


ネクタイ「仲間。」


ペリカリノ「お前の故郷じゃねえのか。」


ネクタイ「パン。」


タルト「住民は一日平均23時間58分横になっています。」


ペリカリノ「残り2分何してんだよ。」


タルト「食事です。」


ネクタイ「理想郷。」


白井キャプテン「面白そうだから着陸!」


ペリカリノ「毎回それだな!」


宇宙船はヒマダナー星へ降下した。


外へ出ると、


街中の人々が寝転がっていた。


公園でも。


道路でも。


店の中でも。


市役所でも。


全員寝転がっている。


ジェントル「うおおおお!!」


誰も反応しない。


ジェントル「おおおおおおお!!」


誰も反応しない。


ペリカリノ「逆にすげえな。」


すると地面に寝そべったままの男性が話しかけてきた。


住民「ようこそ。」


ペリカリノ「寝たまま!?」


住民「立つの面倒なので。」


白井キャプテン「最高だな!」


ペリカリノ「どこがだよ!」


住民「最近困ったことがありまして。」


白井キャプテン「ほう。」


住民「発電所が止まりました。」


ペリカリノ「大問題じゃねえか。」


住民「直すの面倒なので放置してます。」


ペリカリノ「大問題だろ!!」


住民「誰も行きたがらなくて。」


ネクタイ「パン工場は。」


住民「止まりました。」


ネクタイ「……。」


全員が振り返る。


ネクタイがゆっくり立ち上がった。


ペリカリノ「立った!!」


ネコさん「珍しいにゃ。」


ネクタイ「パンが。」


白井キャプテン「おう。」


ネクタイ「作れない。」


ジェントル「うおおおおお!!」


ペリカリノ「なんでお前も燃えてんだよ!」


ネクタイ「発電所へ行く。」


白井キャプテン「よし行こう!」


ペリカリノ「結局行くんかい!」


タルト「発電所まで700キロです。」


ジェントル「ガンダで行くぜ!」


シュゴォォォォォォォォッ!!!


ペリカリノ「消えた!?」


数秒後。


通信が入る。


ジェントル『着いたぜ!』


ペリカリノ「早すぎるだろ!!」


タルト「計算上、音速を超えています。」


ペリカリノ「人間やめてる!」


白井キャプテン「よし俺たちも行こう。」


ペリカリノ「だから移動方法を説明しろ!!」


ネコさん「お散歩にゃ〜。」


ネクタイ「パン。」


タルト「船を使えば5分です。」


ペリカリノ「最初からそれで行けよ!!」

アホウドリ号は発電所へ向かった。


5分後。


巨大な施設の前に到着する。


その頃。


ジェントルは既に施設の入口で腕を組んで待っていた。


ジェントル「遅かったな!」


ペリカリノ「お前が速すぎるんだよ!」


白井キャプテン「さて。」


タルト「発電所の状況を解析します。」


数秒後。


タルト「故障ではありません。」


ペリカリノ「え?」


タルト「電源が切られています。」


ネコさん「誰かが止めたのかにゃ?」


タルト「その可能性が高いです。」


白井キャプテン「面白くなってきたな。」


ペリカリノ「お前だけだよ。」


全員で施設へ入る。


中は静まり返っていた。


異常なほど静かだ。


ジェントル「誰もいねえな!」


ネクタイ「パン工場。」


ペリカリノ「今は発電所だ。」


ネクタイ「パン工場。」


ペリカリノ「聞いてねえ。」


すると。


巨大モニターが突然点灯した。


ブゥン。


画面に一人の男が映る。


謎の男「ようこそ。」


ペリカリノ「誰だよ。」


謎の男「私は発電所管理者。」


白井キャプテン「へえ。」


謎の男「私が発電所を止めた。」


ペリカリノ「やっぱりか。」


管理者「この星の住民は怠けすぎだ。」


ペリカリノ「それはそう。」


管理者「だから電気を止めた。」


ペリカリノ「極端!!」


管理者「文明を失えば働くと思った。」


ネコさん「それは困るにゃ。」


管理者「ところが。」


管理者は頭を抱えた。


管理者「全員そのまま寝た。」


ペリカリノ「だろうな!!」


管理者「3ヶ月待った。」


ペリカリノ「長ぇな。」


管理者「誰も来ない。」


白井キャプテン「だろうな。」


管理者「半年待った。」


ペリカリノ「まだ待ったの!?」


管理者「誰も来ない。」


管理者「1年待った。」


ペリカリノ「暇人か!!」


管理者「結果。」


管理者の後ろの映像が映る。


大量の住民。


全員寝ている。


管理者「文明だけ消えた。」


ペリカリノ「当然だろ!!」


ネコさん「かわいそうにゃ。」


管理者「私は負けた。」


白井キャプテン「うむ。」


管理者「だから帰る。」


ペリカリノ「帰るんかい。」


ブツッ。


通信が切れた。


沈黙。


ジェントル「つまりスイッチ押せばいいのか?」


タルト「はい。」


ペリカリノ「え。」


タルト「原因はそれだけです。」


ペリカリノ「今までの話なんだったんだよ!!」


白井キャプテン「押そう。」


ポチッ。


ゴォォォォォォォォォン!!


施設全体が起動する。


街中へ電気が流れ始める。


タルト「復旧完了。」


ジェントル「終わったな!」


ネクタイ「パン。」


ネコさん「よかったにゃ。」


すると突然。


警報が鳴った。


ビーッ!ビーッ!ビーッ!


ペリカリノ「今度はなんだ!?」


タルト「新たな問題です。」


白井キャプテン「ほう。」


タルト「発電所の地下5000メートルから未知の生命反応を検知。」


全員「え?」


タルト「サイズ推定。」


タルトは少し沈黙した。


タルト「全長約120キロ。」


ペリカリノ「は?」


ジェントル「デカいな!」


ペリカリノ「デカいで済ますな!!」


地面が揺れる。


ゴゴゴゴゴゴゴ……


ネコさん「揺れてるにゃ。」


ネクタイ「パン。」


ペリカリノ「なんで平常運転なんだよ!!」


さらに揺れが大きくなる。


ゴォォォォォォォン!!


発電所の床に巨大な亀裂が走った。


タルト「対象、上昇中。」


白井キャプテンの目が輝く。


白井キャプテン「当たり惑星だな!」


ペリカリノ「毎回それ言ってるだろ!!」


そして。


地下の闇の中から、


ゆっくりと巨大な何かが姿を現し始めた――。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


床が割れる。


壁が割れる。


発電所そのものが悲鳴を上げる。


そして――


ズモォォォォォォォォォォォォン!!!


巨大な何かが地上へ飛び出した。


ペリカリノ「うわあああああ!?」


ジェントル「でけえええええ!!」


ネコさん「大きいにゃ〜。」


タルト「計測中。」


白井キャプテンは双眼鏡を取り出した。


ペリカリノ「そんなもんで見えるのかよ!」


白井キャプテン「見える。」


ペリカリノ「見えるのかよ!」


タルト「対象を識別。」


モニターに表示される。


【名称:グータラス】


【種族:超巨大地下生命体】


【全長:123km】


【主食:電気】


【性格:面倒くさがり】


ペリカリノ「この星らしい生き物だな!!」


グータラスは巨大な頭を地上へ出した。


しかし。


全然動かない。


ペリカリノ「ん?」


グータラス「……。」


動かない。


ジェントル「寝てる?」


タルト「寝ています。」


ペリカリノ「寝てるの!?」


白井キャプテン「かわいいな。」


ペリカリノ「123kmあるぞ!?」


ネクタイ「親近感。」


ペリカリノ「お前は親近感を覚えるな。」


するとタルトが新たな分析結果を表示した。


【警告】


【空腹度:99%】


ペリカリノ「嫌な予感。」


タルト「電気が復旧したため目覚める可能性があります。」


ペリカリノ「復旧させたの俺たちじゃねえか!」


タルト「正確にはキャプテンです。」


ペリカリノ「どうでもいいよ!」


その瞬間。


グータラスの目が開いた。


カッ。


街一つほどある巨大な目。


ジェントル「起きた!」


ネコさん「おはようにゃ〜。」


グータラス「……。」


ペリカリノ「挨拶してる場合か!?」


グータラスはゆっくり顔を上げる。


そして。


発電所を見る。


さらに。


口を開く。


グォォォォォォォォォォォ……


タルト「予測。」


タルト「発電所を食べます。」


ペリカリノ「やっぱり!!」


白井キャプテン「なるほど。」


ペリカリノ「なるほどじゃねえ!」


グータラスの口の中へ大量の電流が吸い込まれ始めた。


バチバチバチバチ!!


発電所の出力がどんどん減る。


タルト「残り80%。」


タルト「70%。」


タルト「60%。」


ペリカリノ「早い早い早い!!」


住民たちもようやく集まり始めた。


しかし。


全員寝転がっている。


住民A「なんか食べてるな。」


住民B「食べてるな。」


住民C「寝るか。」


ペリカリノ「どういう民族だよ!!」


ネクタイ「参考になる。」


ペリカリノ「なるな。」


白井キャプテンは腕を組んだ。


白井キャプテン「よし。」


ペリカリノ「お?」


白井キャプテン「グータラスを説得しよう。」


ペリカリノ「珍しく平和的だな。」


白井キャプテン「いや。」


白井キャプテンはニヤリと笑った。


白井キャプテン「宇宙で一番デカいパンを作れば仲良くなれる。」


場が静まる。


ペリカリノ「……。」


ネコさん「……。」


ジェントル「……。」


タルト「……。」


ネクタイだけが立ち上がった。


ネクタイ「やる。」


ペリカリノ「お前だけかよ!!」


ネクタイの目が燃えていた。


ネクタイ「パン。」


白井キャプテン「パン。」


ネクタイ「パン。」


白井キャプテン「パン。」


ペリカリノ「会話成立してんじゃねえよ!!」


するとタルトが言った。


タルト「可能です。」


ペリカリノ「え?」


タルト「この星の全小麦を集めれば直径4キロのパンを製造できます。」


ネクタイ「足りない。」


タルト「アホウドリ号の非常用小麦を使えば7キロになります。」


ネクタイ「まだ足りない。」


ペリカリノ「どこを目指してるんだよ。」


白井キャプテン「よし。」


白井キャプテンは親指を立てた。


白井キャプテン「宇宙一のパンを作るぞ。」


グータラスは今まさに発電所を食い尽くそうとしている。


なのに。


アホウドリ号の連中はなぜか巨大パン作りを始めようとしていた。


ペリカリノ「いや終わらせろよこの問題を!!」


白井キャプテン「パンで終わる。」


ペリカリノ「意味が分からねえ!!」


しかしもう遅い。


白井キャプテンはアホウドリ号へ走り出していた。


白井キャプテン「巨大パン製造計画開始!」


ジェントル「ガンダで行くぜ!」


シュゴォォォォォォォォ!!


ネクタイ「パン。」


ネコさん「お手伝いするにゃ〜。」


ペリカリノ「聞けよお前ら!!」


タルト「なお成功確率は高いです。」


ペリカリノ「なんでだよ!?」


タルト「グータラスは電気より炭水化物を好む可能性があります。」


ペリカリノ「その情報どこから出てきた!?」


タルト「勘です。」


ペリカリノ「AIが勘で喋るな!!」


―――


数時間後。


惑星中の小麦。


惑星中のパン職人。


惑星中のオーブン。


さらにアホウドリ号の設備。


全部を総動員して作られた。


直径11キロ。


厚さ900メートル。


重量不明。


もはや地形。


そんな超巨大パンが完成した。


住民たちですら少しだけ起き上がる。


住民A「でか。」


住民B「でか。」


住民C「寝るか。」


ペリカリノ「感想それだけかよ!」


白井キャプテン「よし!」


ネクタイ「行け。」


ジェントル「ガンダで行くぜ!!」


ジェントルが巨大パンを押す。


ズゴゴゴゴゴゴゴ!!


パンが転がる。


山脈を越え。


平原を越え。


発電所の前へ。


そして。


グータラスの前で止まった。


グータラス「……?」


巨大な目がパンを見る。


ネクタイ「パン。」


白井キャプテン「食え。」


グータラス「……。」


沈黙。


ペリカリノ「頼むぞ……。」


次の瞬間。


グータラスが口を開いた。


ガブッ。


パンの端が消える。


モグモグモグモグ……


全長123キロの怪物が、


無言でパンを食べ始めた。


モグモグモグモグ……


モグモグモグモグ……


タルト「解析。」


タルト「喜んでいます。」


ペリカリノ「顔で分かれよ!!」


30分後。


巨大パンは消滅した。


グータラスは満足そうに目を閉じる。


そして。


ゴロン。


横になった。


ペリカリノ「寝た。」


タルト「寝ました。」


ペリカリノ「寝たのかよ。」


グータラスはそのまま地下へ戻っていった。


ズモモモモモ……


再び深い地底へ消えていく。


発電所は無事。


街の電気も無事。


住民たちも無事。


住民A「助かった。」


住民B「助かった。」


住民C「寝るか。」


ペリカリノ「結局寝るんだな!!」


その後。


ヒマダナー星では年に一度、


グータラスへ巨大パンを献上する祭りが始まった。


住民たちは嫌々参加したが、


パンだけは食べたかったのでなんだかんだ続いた。


そしてアホウドリ号。


帰還後。


ネクタイは珍しく満足そうだった。


ネクタイ「いい仕事した。」


ペリカリノ「お前今日一番活躍したな。」


ネクタイ「パン。」


白井キャプテン「パンは宇宙を救う。」


ペリカリノ「救わねえよ。」


タルト「今回の教訓。」


ネコさん「なんだにゃ?」


タルト「惑星規模の問題は、たまにパンで解決する。」


ペリカリノ「しねえよ。」


ジェントル「ガンダでパン食いてえ!」


ペリカリノ「意味分かんねえよ!!」


こうしてヒマダナー星の事件は解決した。


そしてアホウドリ号はまた次の多次元宇宙へ向かうのだった。 (ロケットが飛ぶ絵文字)

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