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白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
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10/44

何と無く深夜0時以降の食事禁止!

アホウドリ号には規則がある。


その中の一つ。


【深夜0時以降の食事禁止】


理由。


白井キャプテン「夜中に飯を食うと朝飯がうまくなくなる。」


ペリカリノ「それだけかよ。」


タルト「なお制定から3日でキャプテン本人が破っています。」


ペリカリノ「ダメじゃねえか。」


白井キャプテン「ルールは生き物だからな。」


ペリカリノ「言い訳も生き物みたいに動いてんな。」


―――


午前1時。


船内。


しーん。


みんな寝ている。


その頃。


ネコさんはベッドの中で目を開けた。


ネコさん「お腹が空いたにゃ……。」


ぐぅぅぅ。


ネコさん「困ったにゃ。」


船医である。


優しい。


真面目。


だが。


お腹は空く。


ネコさん「少しだけなら大丈夫にゃ……。」


そろり。


そろり。


ネコさんは部屋を出た。


廊下を歩く。


誰もいない。


ネコさん「よかったにゃ。」


その瞬間。


天井から声。


タルト『現在時刻午前2時7分。』


ネコさん「にゃっ!?」


タルト『行き先は食堂ですか。』


ネコさん「違うにゃ。」


タルト『食堂です。』


ネコさん「そうにゃ。」


タルト『正直で素晴らしいです。』


ネコさん「ありがとうにゃ。」


タルト『ルール違反です。』


ネコさん「にゃぁ。」


―――


食堂。


ネコさんは冷蔵庫を開ける。


中には。


魚。


サンドイッチ。


ケーキ。


ジュース。


ネコさん「誘惑がいっぱいにゃ。」


ネコさんは魚を取り出した。


ネコさん「いただきますにゃ。」


パクッ。


ネコさん「美味しいにゃ〜。」


幸せそう。


その時。


ガチャ。


食堂の扉が開いた。


ネコさん「にゃ!?」


入ってきたのは――


ネクタイだった。


ネクタイ「パン。」


ネコさん「こんばんはにゃ。」


ネクタイ「パン。」


ネコさん「内緒にしてほしいにゃ。」


ネクタイ「パン。」


ネコさん「ありがとうにゃ。」


ネクタイは冷蔵庫からパンを取り出した。


ペリカリノ「お前ら何してんだ。」


ネコさん「にゃぁぁぁ!?」


いつの間にかペリカリノがいた。


ネクタイ「パン。」


ペリカリノ「見りゃ分かる。」


ネコさん「秘密にしてほしいにゃ。」


ペリカリノ「断る。」


ネコさん「にゃあ……。」


すると。


ガチャ。


また扉が開く。


ジェントル「ガンダで腹減ったぜ!」


ペリカリノ「なんだその状態。」


ジェントル「寝てた。」


ペリカリノ「普通だな。」


さらに。


ガチャ。


白井キャプテン「夜食!」


ペリカリノ「お前かよ!!」


白井キャプテン「腹減った。」


ペリカリノ「ルール作った本人!!」


白井キャプテン「例外。」


ペリカリノ「毎回それだな!」


タルト『現在、食堂にいる全員がルール違反です。』


ネコさん「みんなだったにゃ。」


ペリカリノ「いや俺まだ食ってねえ。」


タルト『では違反ではありません。』


ペリカリノ「そうだろ。」


白井キャプテン「ペリカリノも食え。」


ペリカリノ「食わねえよ。」


ジェントル「ガンダで食え!」


ペリカリノ「圧力か!?」


ネクタイ「パン。」


ネコさん「お魚もあるにゃ。」


白井キャプテン「ケーキもあるぞ。」


ジェントル「肉もある!」


ペリカリノ「なんで全員勧誘してくんだよ!」


沈黙。


数分後。


ペリカリノ「……。」


モグモグ。


ネコさん「あ。」


白井キャプテン「あ。」


ジェントル「あ。」


ネクタイ「パン。」


ペリカリノ「うるせえ。」


タルト『確認。』


タルト『乗組員全員ルール違反です。』


ペリカリノ「結局そうなるのかよ。」


その翌朝。


食堂のホワイトボード。


白井キャプテンが新しいルールを書いた。


【深夜0時以降の食事禁止】


その下に小さく。


【ただしお腹が空いた場合を除く】


ペリカリノ「禁止とは。」


ネコさん「優しいルールになったにゃ。」


ネクタイ「パン。」


ジェントル「ガンダで賛成!」


タルト『実質撤廃です。』


ペリカリノ「だろうな!!」


その後。

午前1時03分のアホウドリ号は。


しーん……




とはならなかった。



食堂から光が漏れている。


ワイワイ。


ガヤガヤ。


ペリカリノ「なんで普通に集会みたいになってんだよ。」


ネコさん「昨日楽しかったからにゃ〜。」


ジェントル「ガンダで集合したぜ!」


ペリカリノ「お前呼ばれてないだろ。」


ジェントル「勘!」


ペリカリノ「そうかよ。」


食堂には大量の料理が並んでいた。


パン。


魚。


サンドイッチ。


ラーメン。


焼きそば。


ケーキ。


謎の紫色ゼリー。


ネコさん「そのゼリー何にゃ?」


白井キャプテン「知らん。」


ペリカリノ「知らん物を出すな。」


タルト「冷凍庫の奥にありました。」


ペリカリノ「もっとダメだろ。」


ネクタイは既にパンを抱えていた。


まるで抱き枕。


ネクタイ「いいパン。」


ネコさん「そうにゃ?」


ネクタイ「湿度が良い。」


ペリカリノ「パンソムリエかよ。」


ジェントルはラーメンを三杯食べていた。


ジェントル「うめえ!」


ペリカリノ「まだ増えてる!?」


白井キャプテン「よし。」


キャプテンが立ち上がる。


ペリカリノ「嫌な予感。」


白井キャプテン「真夜中食会なので。」


ペリカリノ「うん。」


白井キャプテン「議題を決める。」


ペリカリノ「なんで?」


白井キャプテン「まず第一議題。」


白井キャプテンは真剣な顔になった。


白井キャプテン「パンは主食か。」


ネクタイ「主食。」


ジェントル「主食!」


ネコさん「主食にゃ。」


タルト「一般的には主食です。」


ペリカリノ「満場一致じゃねえか。」


白井キャプテン「可決。」


ペリカリノ「会議早っ。」


白井キャプテン「第二議題。」


ペリカリノ「まだあるの?」


白井キャプテン「魚は泳いでいるから実質乗り物では?」


ネコさん「にゃ?」


ジェントル「確かに!」


ペリカリノ「確かじゃねえよ!」


タルト「否決。」


ペリカリノ「AIがまともで助かる。」


白井キャプテン「第三議題。」


ペリカリノ「まだやるのか。」


白井キャプテン「なぜ宇宙船には宇宙船という名前がついているのか。」


沈黙。


ジェントル「宇宙だから!」


ネクタイ「船。」


ネコさん「宇宙の船にゃ。」


タルト「語源としては――」


白井キャプテン「なるほど。」


ペリカリノ「聞けよ。」


そんな時だった。


タルトが突然沈黙する。


ペリカリノ「ん?」


タルト「……。」


ネコさん「どうしたにゃ?」


タルト「食堂にいる人数を再確認します。」


白井キャプテン「7人。」


ジェントル「7人!」


ネクタイ「パン。」


ペリカリノ「いや6人だろ。」


静寂。


タルト「私も含めて7です。」


ペリカリノ「それならそうだな。」


タルト「ですが。」


モニターが点滅する。


タルト「現在、食堂には8人います。」


全員「……。」


沈黙。


ネコさん「にゃ?」


ジェントル「増えた?」


ペリカリノ「待て待て待て。」


白井キャプテンだけがニヤニヤしていた。


ペリカリノ「なんで嬉しそうなんだよ。」


白井キャプテン「面白そうだから。」


ペリカリノ「知ってた。」


タルト「現在、誰かがテーブルの下にいます。」


全員がゆっくりテーブルを見る。


長いテーブルクロス。


その下。


何かがモゾモゾ動いていた。


ネコさん「にゃあああ!?」


ジェントル「誰だ!」


ネクタイ「パン泥棒か。」


ペリカリノ「発想がパン中心なんだよ!」


白井キャプテンは勢いよくテーブルクロスをめくった。


バサァッ!!


そこにいたのは――


小さな宇宙人だった。


全長30センチ。


丸い。


青い。


そして。


口いっぱいにパンを詰め込んでいた。


宇宙人「むぐ。」


ネクタイ「。」


ネコさん「にゃ。」


ジェントル「おお。」


ペリカリノ「なんでいるんだよ!!」


宇宙人「むぐむぐ。」


ネクタイが立ち上がった。


異常事態である。


パン以外ではまず動かない男が。


ネクタイ「返して。」


宇宙人「むぐ。」


ネクタイ「それ俺の。」


宇宙人「むぐぐ。」


食堂に緊張が走った。


タルト「警告。」


ペリカリノ「何!?」


タルト「パン戦争勃発の可能性があります。」


ペリカリノ「そんな警告初めて聞いたぞ!!」


食堂に緊張が走る。


ネクタイは宇宙人を見ている。


宇宙人はパンを見ている。


パンはパンである。


ペリカリノ「いやパンはパンだろ。」


白井キャプテン「これはまずいな。」


ネコさん「ケンカはダメにゃ。」


タルト「パン戦争発生率73%。」


ペリカリノ「意外と高いな!?」


ネクタイ「……。」


宇宙人「むぐ。」


ネクタイ「……。」


宇宙人「むぐぐ。」


ジェントルが二人の間に割って入った。


ジェントル「待て!」


ペリカリノ「おっ。」


ジェントル「ネクタイ!」


ネクタイ「パン。」


ジェントル「俺のパンやる!」


そう言って自分の皿のパンを差し出した。


ネクタイはパンを見る。


ジェントルを見る。


またパンを見る。


ネクタイ「いいのか。」


ジェントル「幼馴染だからな!」


ネクタイ「……。」


ペリカリノ「なんか珍しくいい話になりそうだな。」


ジェントル「パンがなくても俺は平気だ!」


その瞬間。


グゥゥゥゥゥゥ。


ジェントルのお腹が鳴った。


全員「……。」


ジェントル「平気じゃなかった。」


ペリカリノ「だろうな!」


ネコさん「ふふふにゃ。」


ネクタイはしばらく黙り込んだ。


そして。


パンを半分にちぎる。


ネクタイ「半分。」


ジェントル「おお!」


ネクタイ「半分やる。」


ジェントル「マジか!」


ペリカリノ「お前が分ける側になることあるんだな。」


さらにネクタイは宇宙人の方を向いた。


ネクタイ「そっちも半分。」


宇宙人「むぐ?」


ネクタイ「食え。」


宇宙人は受け取った。


数秒後。


宇宙人の目が輝いた。


宇宙人「ムグーー!!」


タルト「翻訳します。」


タルト「『うめぇ』だそうです。」


ペリカリノ「そんな翻訳あるか?」


白井キャプテン「気に入ったな。」


宇宙人「ムグ!ムグ!」


タルト「『もっと欲しい』です。」


ネクタイ「正直でいい。」


ペリカリノ「お前も似たようなもんだからな。」


いつの間にか食堂の空気は和やかになっていた。


ネコさんは魚料理を取り分ける。


ネコさん「これも美味しいにゃ。」


宇宙人「ムグ!」


タルト「『食べる』です。」


ジェントル「ラーメンも食うか!」


宇宙人「ムグ!」


タルト「『食べる』です。」


白井キャプテン「ケーキは?」


宇宙人「ムグ!」


タルト「『食べる』です。」


ペリカリノ「全部食うじゃねえか。」


その後。


宇宙人はすっかり打ち解けた。


ジェントルとラーメン早食い対決をし、


ネコさんから魚をもらい、


白井キャプテンの意味不明な宇宙話を聞き、


ネクタイとは無言でパンを交換し合った。


ペリカリノ「なんなんだこの光景。」


タルト「平和です。」


ペリカリノ「まあ平和だな。」


午前3時。


みんなお腹いっぱいになっていた。


宇宙人もテーブルの上で丸くなっている。


ネコさん「眠そうにゃ。」


宇宙人「ムグ……。」


タルト「『楽しかった』とのことです。」


白井キャプテン「ならよかった。」


ジェントル「また来いよ!」


ネクタイ「パン持参。」


ペリカリノ「条件付きかよ。」


宇宙人は嬉しそうに頷いた。


こうして、


真夜中のこっそり食事会は、


いつの間にか宇宙人まで交えた大宴会になった。


そして翌朝。


食堂のホワイトボードには新しいルールが追加されていた。


【深夜の食事可】


【友達の飛び入り参加可】


【パンは分け合うこと】


ネクタイ「最後の大事。」


ペリカリノ「お前が言うと重みがあるな。」


宇宙人はその日から時々アホウドリ号へ遊びに来るようになった。


目的はもちろん――


パンだった。 (パンと宇宙人の絵文字)

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