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白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
6/12

パンの國

宇宙船《ヘリオトロープ号》は、

こんがり焼けたような茶色い惑星の前に停泊していた。


タルト『惑星名、“パネトーネ13号星”』


タルト『主食、建築、宗教、文化、経済、その全てがパンによって構成されています』


カムパレル「偏りすぎだろ」


白井キャプテン「降りるぞ!!」


カムパレル「毎回勢いだけで決めんな!!」


ネクタイだけ、

珍しく立ち上がっていた。


ネクタイ「…………」


ジェントル「どうした!?」


ネクタイの目が、

キラキラしていた。


ネクタイ「パンの……星……?」


ネコさん「瞳孔が開いてるにゃ」


宇宙船が着陸する。


プシューーー……


扉が開いた瞬間。


ぶわぁぁぁ……


焼きたての香り。


バター。

小麦。

甘いクリーム。

チーズ。


ネクタイ「………………」


カムパレル「おい?」


ネクタイは一歩前へ出る。


ネクタイ「ここが……天国……」


カムパレル「帰ってこーい!!」


町並みは異常だった。


家は食パン。

城はバゲット。

橋はフランスパン。


噴水からはコーンスープ。


ジェントル「うおおおお!!パンだァァァ!!」


ネコさん「カラスがクロワッサン咥えてるにゃ」


カムパレル「世界観が炭水化物すぎる」


すると。


パン型の帽子を被った住民たちが、

一斉に振り向いた。


住民A「……!!」


住民B「まさか……」


住民C「その首元のナイフ……!」


ネクタイ「?」


次の瞬間。


住民全員「預言者様だァァァァァ!!!」


カムパレル「は?」


ドゴォォォン!!!


紙吹雪!!

ラッパ!!

パン吹雪!!


ネクタイ「えっ」


住民たちはネクタイを担ぎ上げる。


住民「黒きナイフを持つ者!!」


住民「パン神話に記された救世主!!」


住民「“耳を残す者”だァァァ!!」


カムパレル「なんだその限定的な救世主!!」


ジェントル「すげぇぇぇ!!」


ネクタイ「いや……俺は……」


住民「喋った!!」


ネクタイ「……メロンパン」


住民たち「おおおおおおお!!!」


カムパレル「何が伝わったんだよ!!」


白井キャプテンは爆笑していた。


白井キャプテン「はっはっはっ!!選ばれしパンの戦士か!!」


カムパレル「絶対違うだろ!!」


すると。


巨大なパン城の門が開く。


ギギギギ……


奥から、

王冠を被った巨大コックが現れた。


パン王「救世主様……お待ちしておりました」


ネクタイ「……?」


パン王「どうか我々をお救いください」


ネクタイ「……何から?」


パン王は震える声で言った。


パン王「“米帝国”からです」


全員「は???」


(ここでカムパレルの名前がペルカリノに変わりますが、まあ気にしないでください。)


パン王「“米帝国”からです」


全員「は???」


ペルカリノ「急にスケールがデカくなったな!?」


パン王は震えながら、

窓の外を指差した。


パン王「奴らは“炊飯の軍勢”……!」


パン王「この星からパン文化を消し去り、米による統一を進めているのです!!」


ネクタイ「そんな……」


パン王「既に南部はおにぎり自治区に……!」


ジェントル「おにぎり自治区!?」


ペルカリノ「ワードセンスどうなってんだよ!!」


タルト『補足。“米帝国”は数百年前に誕生した炊飯文明です』


タルト『現在、銀河で最も米消費量の高い国家の一つとされています』


白井キャプテン「強そうだな!!」


ペルカリノ「なんで嬉しそうなんだよ!!」


その時だった。


ゴォォォォ……


空に巨大な影。


住民たちが悲鳴を上げる。


住民「来たァァァ!!」


住民「米帝国軍だァァァ!!」


空から降下してきたのは、

巨大なおにぎり型戦艦だった。


ペルカリノ「ダセェぇぇぇぇ!!」


ネコさん「でもちょっとかわいいにゃ」


バゴォン!!


戦艦の扉が開く。


そこから現れたのは、

白い甲冑をまとった侍たち。


腰にはしゃもじ。


目が異様に真剣。


米兵A「……パンども」


米兵B「今日こそ終わりだ」


ジェントル「しゃもじで来るな!!」


米兵たちが一斉に叫ぶ。


米兵「炊けェェェェェ!!!」


ゴゴゴゴゴ!!


戦艦の砲門が開く!!


パン王「まさか……!」


タルト『高エネルギー反応確認』


ペルカリノ「嫌な予感しかしねぇ!!」


ドォォォォン!!!


大量の米粒が発射された。


カムパレル「米かよ!!」


ネクタイ「ペルカリノだ」


ペルカリノ「お前まで間違えんな!!」


米粒は地面に落ちると、

瞬時に巨大化。


次々とおにぎり兵になる!!


おにぎり兵「オムスビ!!」


おにぎり兵「オムスビ!!」


ジェントル「増えたァァァ!!」


白井キャプテン「面白ぇ!!」


ペルカリノ「お前だけ遊園地感覚なんだよ!!」


パン王「救世主様!!どうか“伝説のパンナイフ”を!!」


ネクタイ「……パンナイフ?」


パン王が差し出したのは、

黄金に輝く巨大ナイフだった。


パン王「この星に伝わる至高の刃!!」


パン王「どんなパンでも美しく切れる!!」


ペルカリノ「性能が限定的!!」


ネクタイはゆっくり受け取る。


その瞬間。


キィィィィン……


黄金の光。


風が吹く。


住民たち「おおおおお……!」


ネクタイ「……分かる」


ペルカリノ「何が!?」


ネクタイ「このナイフ、“サンドイッチに向いてる”」


住民たち「伝説だァァァァァ!!!」


ペルカリノ「どこがだよ!!」


米帝国の将軍が前へ出る。


米将軍「くだらぬ」


米将軍「パンなど脆い」


米将軍「米こそ完全食!!」


ネクタイ「……違う」


米将軍「?」


ネクタイは静かに言った。


ネクタイ「パンには、“挟める自由”がある」


沈黙。


ペルカリノ「なんか始まったぞ!?」


ネクタイ「焼きそばも、コロッケも、フルーツも」


ネクタイ「全部受け止められる」


ネクタイ「それがパンだ」


住民たち「うおおおおおお!!!」


ジェントル「かっけぇぇぇぇ!!」


ペルカリノ「なんでちょっと感動してんだ俺!!」


米将軍「黙れェェェ!!」


将軍が刀を抜く!!


ネクタイも黄金のパンナイフを構える!!


白井キャプテン「始まるぞ!!」


ペルカリノ「いや何がだよ!!」


次の瞬間。


ネクタイ「クロワッサン奥義」


ペルカリノ「奥義あるの!?」


ネクタイ「バタァァァァァースラァァァッシュ!!!」


ペルカリノ「技名の圧がすごい!!」


(ここでまたペルカリノからペリカリノに名前が変わりますがまあ、気にしない)


ネクタイ「バタァァァァァースラァァァッシュ!!!」


ズバァァァン!!!


黄金の斬撃が、

空を三日月みたいに裂いた!!


米将軍「なにィィィ!?」


将軍のしゃもじが真っ二つになる。


米兵たち「しゃもじ将軍がァァァ!!」


ジェントル「すげぇぇぇ!!」


ペリカリノ「パン専用みたいなナイフでなんでそんな強ぇんだよ!!」


ネクタイ「パンを切る技術は、全てを切る」


ペリカリノ「意味分かんねぇよ!!」


白井キャプテン「深いな」


ペリカリノ「浅いだろ!!」


米将軍は後退しながら叫ぶ。


米将軍「だが!!我ら米帝国には最終兵器がある!!」


タルト『嫌な予感ランキング現在1位です』


ペリカリノ「そんな機能あったのかよ!!」


ゴゴゴゴゴ……


おにぎり戦艦の中央部が開く。


そこから現れたのは。


巨大。


あまりにも巨大。


山みたいな白い塊。


ジェントル「……なんだアレ」


タルト『解析完了』


タルト『全長42メートル』


タルト『超巨大おにぎりです』


ペリカリノ「見りゃ分かるわ!!」


超巨大おにぎりの中央には、

梅干しみたいな赤いコア。


そして海苔がマントみたいに揺れていた。


超巨大おにぎり「オォォォムスゥゥゥビィィィ……」


ネコさん「鳴き声が怖いにゃ」


パン王が震える。


パン王「あれは……“オニギラス”……!」


ペリカリノ「絶対勢いだけで名付けたろ!!」


米将軍「行けェェェ!!オニギラス!!」


ドシン!!

ドシン!!


歩くたび地面に米粒が飛び散る!!


ジェントル「うおおお!!来るぞ!!」


白井キャプテン「面白くなってきた!!」


ペリカリノ「お前だけテンションがお祭りなんだよ!!」


オニギラスが口を開く。


中から。


ジュワァァァァ……


大量の熱湯。


タルト『高熱反応』


タルト『あれは“炊飯ブレス”です』


ペリカリノ「名前終わってんな!!」


ネクタイ「下がれ」


珍しく低い声。


ネクタイが前へ出る。


黄金のパンナイフを構える。


ペリカリノ「おい!無茶だ!!」


ネクタイ「……パンは」


静かに風が吹く。


ネクタイ「焼かれてこそ完成する」


ペリカリノ「何言ってんだコイツ!!」


炊飯ブレス発射!!


ゴォォォォォ!!!


ネクタイ「フランスパン流奥義」


ペリカリノ「流派あったの!?」


ネクタイ「ハード・クラスト」


ザンッ!!!!


熱湯が真っ二つに割れる。


ジェントル「割ったァァァ!?」


ネコさん「熱湯って斬れるのにゃ!?」


ペリカリノ「もう物理法則がパンに屈してる!!」


その瞬間。


オニギラスの梅干しコアが露出する。


タルト『弱点です!!』


白井キャプテン「よぉし!!総攻撃だァァァ!!」


ジェントル「ガンダで行くぜぇぇぇぇ!!」


ドゴォォォォン!!!


ジェントルが音速で駆ける!!


ペリカリノも雷をまとった。


バチバチバチ!!


ペリカリノ「炭水化物戦争とか付き合ってられるかァァァ!!」


ドォォォォン!!!


雷直撃!!


ネコさん「危ないにゃー!!」


ネコさんはなぜか巨大肉球クッションを投げる。


米兵たち「ふにゃァァァ!!」


ペリカリノ「何その技!!」


タルト『私は後方支援を担当します』


米戦艦のシステムに侵入。


画面いっぱいに、

食パン画像を表示。


米兵たち「ぐわァァァ!!」


米兵「腹が減るゥゥゥ!!」


ペリカリノ「心理攻撃なの!?」


最後に。


ネクタイが跳んだ。


夕陽を背に。


黄金のパンナイフを振り上げる。


ネクタイ「……いただきます」


ペリカリノ「締めの言葉それでいいのか!?」


ズバァァァァァン!!!


オニギラス、

真っ二つ。


中から大量の鮭が飛び散った。


ジェントル「具入りだったァァァ!!」


大爆発。


ドォォォォォン!!!


そして静寂。


米将軍は膝をついた。


米将軍「……完敗だ」


ネクタイ「争うな」


米将軍「?」


ネクタイ「米もパンも、美味いだろ」


沈黙。


パン王「……!」


米将軍「……!」


ネクタイ「一緒に食えばいい」


数秒後。


米将軍「それは……」


米将軍「サンドイッチおにぎりでは?」


ネクタイ「革命だ」


ペリカリノ「なんか平和になった。」

その夜。


パン王国と米帝国は、

歴史的和解を迎えていた。


広場には長テーブル。


パン。

米。

スープ。

サンドイッチ。

焼きおにぎり。


炭水化物の暴力みたいな宴だった。


ジェントル「うめぇぇぇぇ!!」


ペリカリノ「お前ずっと食ってんな!!」


ジェントル「ガンダで消費するからゼロカロリーだ!!」


ペリカリノ「理論が終わってる!!」


ネコさんは、

巨大なクリームパンを抱えていた。


ネコさん「ふわふわにゃ〜」


タルト『糖分摂取量が危険域に到達』


ネコさん「聞かなかったことにするにゃ」


白井キャプテンは、

なぜかパン王と米将軍の肩を組んでいた。


白井キャプテン「いいか!!宇宙で一番大事なのはな!!」


ペリカリノ「嫌な予感しかしねぇ」


白井キャプテン「炭水化物だ!!!」


全員「違う!!!」


宴会場が揺れるほどのツッコミだった。


米将軍は静かに立ち上がる。


米将軍「……ネクタイ殿」


ネクタイ「?」


米将軍「貴殿のおかげで気づけた」


米将軍「米もパンも争う必要などなかったのだな」


ネクタイ「そうだ」


パン王「では今日から同盟を!」


米将軍「うむ!」


パン王「国名は……」


米将軍「“炭水化物連邦”!!」


ペリカリノ「ダセェェェェェ!!!」


ジェントル「かっけぇぇぇぇ!!」


ペリカリノ「お前センスどうなってんだ!!」


すると突然。


タルトの警告音が鳴る。


『警告』


『船内に異常反応』


全員「?」


タルト『白井キャプテンが宇宙船の非常食を全てパンに交換していました』


沈黙。


ペリカリノ「…………は?」


白井キャプテン「いやぁ、テンション上がってつい!!」


ペリカリノ「ついじゃねぇぇぇぇぇ!!!」


ジェントル「えっ!?じゃあしばらくパン生活!?」


ネクタイ「最高じゃないか」


ペリカリノ「お前だけだよ!!」


タルト『なお水も一部“飲むコーンスープ”に変更されています』


ネコさん「終わったにゃ」


ペリカリノ「宇宙航海を何だと思ってんだ!!」


白井キャプテンは豪快に笑った。


白井キャプテン「大丈夫だ!!なんとかなる!!」


ペリカリノ「その精神で生き残ってるの奇跡だからな!?!?」


宇宙船《ヘリオトロープ号》は、

パンの香りを漂わせながら宇宙へ飛び立つ。


その後。


船内では三日間、

パン論争が続いたという。


ジェントル「カレーパン!!」


ネクタイ「いや、塩パン」


ネコさん「クリームパンにゃ」


白井キャプテン「揚げパン!!」


タルト『統計的には食パンが』


ペリカリノ「うるせぇぇぇぇぇぇ!!!………メロンパンだろ」


宇宙は今日も平和だった。


完。ならぬパン。


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