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白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
4/10

停電した電気シティ

タルト『次の目的地。“機械惑星エレクト=ラグ”』


宇宙船の窓の外。


そこには、

青白いネオンに覆われた巨大都市星が浮かんでいた。


高層ビル。


空中道路。


雷みたいに走る電流。


……のはずだった。


今は違う。


真っ暗だった。


カムパレル「停電?」


タルト『はい。この星は全インフラを電力依存しています』


白井キャプテン「面白そう!!」


カムパレル「嫌な予感しかしねぇ!!」


着陸。


都市は沈黙していた。


自動ドアは閉じたまま。


エレベーター停止。


信号停止。


ロボット停止。


空中道路には大量の車が止まっている。


ネコさん「不便そうにゃ〜」


すると、

街の奥から声。


「誰か……電気を……」


現れたのは、

ボロボロの技師たちだった。


技師「中央発電塔が停止したんだ……」


タルト『解析。この都市のエネルギー炉は“超高圧雷電式”』


白井キャプテン、

ゆっくりカムパレルを見る。


カムパレル「……え?」


全員が見る。


ジェントル「おお!!出番じゃねぇか!!」


ネクタイ「……雷パンとか作れる?」


カムパレル「作れねぇよ!!」


技師が頭を下げる。


「頼む……発電塔まで来てくれ……!」


白井キャプテン「よぉぉぉし!!行くぞ!!」


カムパレル「いや待て!!なんでオレ前提なんだよ!!」


タルト『なお現在この星で唯一発電可能なのはカムパレルです』


カムパレル「責任重ッッッ!!!」


技師たちに案内され、

一行は暗闇の都市を進んでいた。


普段ならネオンで輝いているはずの街。


だが今は、

機械音ひとつしない。


静かだった。


空中道路には停止した車。


ショーウィンドウには動かないアンドロイド。


巨大広告ホログラムも、

途中で止まったまま。


ジェントル「なんか寂しいな!」


ネコさん「元気ない街にゃ〜」


カムパレルは、

少しだけ眉をひそめた。


カムパレル「……全部、電気頼りだったんだな」


技師「この星は“雷”で発展した文明なんだ」


白井キャプテン「なるほど!!」


タルト『中央発電塔まで残り3キロ』


その時だった。


ガシャン!!


前方のシャッターが閉まる。


同時に、

赤い警告灯が点滅した。


タルト『防衛システム作動』


カムパレル「停電してるのに!?」


タルト『非常用電源です』


機械音。


ズ ズ ズ……


暗闇から、

大量の警備ドローンが浮かび上がる。


赤い目だけが光っていた。


ジェントル「来たァァァ!!」


カムパレル「うわ最悪!!」


技師「ダメだ……認証システムが停止してるせいで、全員侵入者扱いなんだ!!」


ドローン群、

一斉照準。


タルト『攻撃まで3秒』


白井キャプテン「カムパレル!!」


カムパレル「分かってるよ!!」


バチィッ!!


青い雷が走る。


一瞬だけ、

暗い通路が昼みたいに明るくなった。


ドローン停止。


火花を散らしながら落下する。


技師「す、すごい……!」


ジェントル「うおおおお!!かっけぇぇぇぇ!!!」


ネコさん「ぴかぴかにゃ〜」


カムパレル「はぁ……はぁ……」


白井キャプテンが笑う。


白井キャプテン「やっぱお前すげぇな!!」


カムパレル「……っ」


少しだけ、

照れた。


しかしその瞬間。


都市全体が揺れる。


ゴ ゴ ゴ ゴ……


タルト『警告。中央発電塔、出力暴走』


技師「そんな……!」


窓の外。


遠くに見える巨大な塔が、

青白い雷を噴き上げ始めていた。


空が裂ける。


稲妻が都市中へ落ちる。


タルト『このままでは都市機能が完全崩壊します』


白井キャプテン「よぉぉぉし!!面白くなってきた!!」


カムパレル「面白くねぇよ!!」


すると技師が、

震える声で呟いた。


「発電塔には、“雷王炉”がある……」


カムパレル「雷王炉?」


技師「星そのものの雷エネルギーを制御する炉だ……だが今、暴走してる」


沈黙。


技師は、

まっすぐカムパレルを見た。


「止められるのは……たぶん君だけだ」


カムパレル「……は?」


技師「雷王炉は、生体雷電認証式なんだ」


カムパレル「なんだその嫌な名前」


タルト『簡潔に説明します。“雷を扱える存在”でなければ制御不可能です』


カムパレル「つまり?」


タルト『現在この場で適任なのはカムパレルのみです』


カムパレル「だからー、責任重すぎるだろ!!!!」


ズ ゴ ォ ォ ォ !!


遠くで発電塔が爆ぜる。


空へ青白い雷柱。


都市全体の照明が、

点いたり消えたりを繰り返す。


止まっていた巨大広告が、

一瞬だけ起動。


『本日のおすすめ!感電防止ゴム手袋!』


カムパレル「今それ出すなよ!!」


白井キャプテン「よし、急ぐぞ!!」


ジェントル「ガンダで行くぜぇぇぇぇ!!」


ド ゴ ン !!


ジェントル、

走った瞬間に地面を割る。


技師「速っ!?」


カムパレル「だから毎回加減しろって!!」


一行は、

停止した空中列車へ飛び乗る。


当然、

動いていない。


白井キャプテン「カムパレル!」


カムパレル「はいはい!!」


バチィッ!!


雷を流し込む。


すると。


ブ ゥ ゥ ゥ ン……


列車起動。


車内照明復活。


エンジン点火。


技師「動いたァァァ!!」


ジェントル「すげぇぇぇ!!」


ネコさん「車内ちょっと暖かくなったにゃ〜」


カムパレル「……」


少しだけ、

嬉しそう。


だがその時。


タルト『警告。前方線路崩落』


カムパレル「は?」


窓の先。


空中レールが途中で消えていた。


ジェントル「うおおおおお!?!?」


白井キャプテン「問題ない!!!」


カムパレル「あるわ!!!」


白井キャプテン、

操縦桿を握る。


白井キャプテン「列車とはつまり細長い宇宙船だ!!!」


カムパレル「違ぇよ!!!!」


ガコン!!


列車変形。


技師「変形したァァァ!?」


タルト『《緊急飛行モード》へ移行』


ネコさん「そういう機能あったんだにゃ」


カムパレル「なんでだよ!!」


列車、

空へ飛ぶ。


下では、

暗い都市が雷に照らされていた。


その中心。


巨大発電塔。


空へ伸びる塔の周囲で、

青い雷竜みたいなエネルギーが暴れている。


技師が青ざめる。


「あれが……暴走した雷王炉……」


タルト『出力値、危険領域突破』


白井キャプテンの目が輝く。


白井キャプテン「カッコいいなァァァ!!」


カムパレル「感想が小学生なんだよ!!」


その瞬間。


雷竜が、

こちらを見た。


巨大な雷竜は、

空中でゆっくり首をもたげた。


青白い電撃でできた身体。


都市ビルほどある角。


目は、

発電塔そのものみたいに光っている。


ギ ロ リ。


カムパレル「……見た?」


タルト『はい。“認識”されました』


次の瞬間。


ズ ガ ァ ァ ァ ン !!


雷ブレス。


空が裂ける。


ジェントル「うおおおおおお!?」


白井キャプテン「回避ィィィ!!」


列車が急旋回。


雷がかすめた瞬間、

後方のビル群が蒸発した。


技師「ひぃぃぃぃ!?」


カムパレル「威力おかしいだろ!!」


ネコさん「静電気ってレベルじゃないにゃ〜」


雷竜は、

低く唸る。


タルト『解析。“雷王炉の自己防衛機構”と思われます』


白井キャプテン「なるほど!!つまりアイツを突破すればいいんだな!!」


カムパレル「毎回その結論だけは早いな!!」


雷竜、

再び口を開く。


バチバチバチッ!!


周囲の空気が焼ける。


タルト『第二射、来ます』


白井キャプテン「ジェントル!!」


ジェントル「ガンダで行くぜぇぇぇぇ!!」


ド ゴ ン !!


ジェントル、

飛び出す。


空中を走る。


いや、

雷の上を走っている。


技師「人間!?」


カムパレル「気合いで説明つくタイプのバカだ!!」


ジェントルは、

雷竜の顔面へ一直線。


ジェントル「うおおおおおお!!!」


ズ ガ ァ ァ ン !!


真正面衝突。


衝撃で空が光る。


しかし。


ジェントル「かっっっっっってぇぇぇぇ!!!」


吹っ飛ばされる。


列車へ激突。


カムパレル「うわぁぁぁ!!」


タルト『ジェントル、生存確認』


ジェントル「ガンダで痛ぇ……」


白井キャプテン「よし次!!」


カムパレル「作戦雑すぎるだろ!!」


すると。


雷竜が、

今度はカムパレルを見た。


空気が変わる。


バチ……バチチ……


周囲の電流が、

カムパレルへ集まり始める。


タルト『反応確認。“同属性認識”です』


カムパレル「同属性?」


技師「まさか……」


雷竜は、

じっとカムパレルを見つめていた。


怒っているようにも。


迷っているようにも見える。


ネコさん「……あの子、苦しそうにゃ」


カムパレル「!」


雷竜の身体には、

黒いノイズみたいな亀裂が走っていた。


雷が暴発している。


タルト『炉心エネルギー過多。制御限界を超えています』


技師「雷王炉が壊れかけてるんだ……!」


白井キャプテン「なるほど!!つまり!!」


カムパレル「分かってるよ!!」


カムパレルは、

列車の先頭へ立った。


青い雷が、

身体の周囲へ走る。


バチ……バチバチッ!!


ジェントル「おお!!」


ネクタイ「……主人公っぽい」


カムパレル「うるせぇ!!」


雷竜が咆哮する。


カムパレルも、

雷を握りしめる。


カムパレル「……行くぞ」


雷竜が、

空を裂くように咆哮した。


ズ ガ ァ ァ ァ ァ ン !!


青白い稲妻が、

都市全体へ走る。


ビルが揺れる。


空中道路が崩れる。


技師たちは悲鳴を上げた。


だが。


カムパレルは逃げなかった。


バチ……バチバチッ!!


右手へ、

青い雷が集まる。


白井キャプテン「行けぇぇぇぇ!!」


カムパレル「お前は黙ってろ!!」


ジェントル「ガンダで応援してるぜぇぇぇ!!」


ネクタイ「……終わったらパン食う?」


ネコさん「無理しすぎるにゃ〜」


タルト『カムパレル。炉心との雷同期率、上昇中』


雷竜が突っ込んでくる。


巨大な顎。


暴走する雷。


だがカムパレルは、

真正面から手を伸ばした。


バチィィィィィィィッ!!!!


激突。


都市が昼みたいに光る。


技師「うわぁぁぁ!?」


白井キャプテン「おおおおお!!」


カムパレルの雷と、

雷竜の雷がぶつかり合う。


押される。


身体が浮く。


皮膚が焼けそうになる。


カムパレル「ぐっ……!!」


その時。


雷竜の瞳が見えた。


苦しそうだった。


濡れて凍えた犬みたいに、

震えていた。


カムパレル「……お前」


バチ……。


カムパレルは、

握っていた雷を少し緩めた。


カムパレル「ずっと一人で耐えてたのかよ」


沈黙。


次の瞬間。


雷竜の暴走が、

少しだけ止まる。


タルト『精神同期を確認』


技師「まさか……対話してるのか!?」


カムパレル「分かるんだよ……同じ雷だから」


そして。


カムパレルは、

自分の雷をゆっくり流し込んだ。


破壊じゃない。


落ち着かせるように。


静かに。


優しく。


バチ……バチ……


雷竜の身体を走っていた黒い亀裂が、

少しずつ消えていく。


咆哮が弱まる。


暴走していた空の雷も、

ゆっくり静まっていった。


やがて。


雷竜は、

静かに頭を下げた。


都市に、

光が戻る。


ネオン復活。


空中道路再起動。


止まっていた機械たちが、

次々に目を覚ます。


技師たちが歓声を上げた。


「街が……戻った……!」


「発電塔も正常化してる!」


ジェントル「うおおおお!!すげぇぇぇぇ!!」


ネコさん「頑張ったにゃ〜」


ネクタイ「……今日は雷パン記念日」


カムパレル「そんな記念日ねぇよ!!」


だが。


少しだけ、

嬉しそうだった。


白井キャプテンは、

ニヤニヤしながら肩を組む。


白井キャプテン「やっぱお前、すげぇ魔法使いだな!!」


カムパレル「……うるせぇ」


でも、

今度は本気で嫌そうではなかった。


その後、

機械惑星エレクト=ラグでは、

カムパレルのことをこう呼ぶようになる。


“蒼雷の再起動者”。


なお本人は、

その二つ名を全力で嫌がった。


完ならぬ電。

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