↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
PR
20/41

テハナ編2 カプサイシンって赤色の心象

第20話「とりあえずカプサイシン食わせてみようぜ!」


 宇宙船の中央。


 召喚された生物――???は、まだそこにいた。


 白井キャプテンたちは、???を囲んでいる。


 誰も帰す方法を知らない。


 しかし、一つだけ分かっていることがあった。


 ???は、明らかに知的生命体だった。


ネコさん「ねえ、あなた」


???「なんだ?」


ネコさん「ずっと『あなた』って呼ぶのも変にゃ~」


???「……そうだな」


ネコさん「お名前、なんていうのにゃ?」


???「名前?」


ネコさん「そうにゃ」


 ???は少し考えた。


???「……テラセンヌルクズ・ハハネマネマスパンセ・ナレレレレヂクヨメナスギュ」


 全員が止まった。


 タルトだけが止まらなかった。


タルト「記録しました」


ペリカリノ「待て」


タルト「はい」


ペリカリノ「今の、一回で覚えたのか?」


タルト「はい」


ペリカリノ「……」


 ペリカリノは???を見る。


ペリカリノ「お前……よくそんな名前覚えてんな」


???「自分の名前だからな」


ペリカリノ「そりゃそうか……」


 ネコさんは少し考えた。


ネコさん「うーん……」


 そして、笑った。


ネコさん「じゃあ、テハナって呼ぶにゃ!」


???「テハナ?」


ネコさん「そうにゃ~。長いから縮めたにゃ」


???「……」


 ???はしばらく考えた。


???「いい」


ネコさん「よかったにゃ~」


白井キャプテン「よし! 今日からお前はテハナだ!」


ジェントル「よろしくお願いします! テハナ!」


テハナ「よろしく」


ペリカリノ「決まるの早すぎるだろ……」


ネクタイ「テハナ」


テハナ「なんだ?」


ネクタイ「パン食べる?」


テハナ「……食べる」


ネクタイ「じゃあこっち」


 ネクタイが歩き出す。


 テハナもついていく。


ペリカリノ「お前らもう友達なの?」


ネクタイ「パン友」


ペリカリノ「何だそれ」


 ネクタイがパンを渡す。


 テハナはパンを食べる。


テハナ「……うまい」


ネクタイ「そう」


 ネクタイは満足そうに座った。


 その様子を見ていた白井キャプテンが、突然何かを思いついた。


白井キャプテン「なあ、テハナ」


テハナ「なんだ?」


白井キャプテン「辛いものは食えるか?」


テハナ「辛いもの?」


白井キャプテン「ああ」


テハナ「食べたことがない」


白井キャプテン「そうか」


 白井キャプテンが立ち上がる。


ペリカリノ「……何する気だ?」


白井キャプテン「カプサイシンのものを食わせてみよう」


ペリカリノ「なんで?」


白井キャプテン「理由はない」


ペリカリノ「ないのかよ」


白井キャプテン「ない」


ジェントル「やってみましょう!」


ペリカリノ「お前も賛成すんな!」


ネコさん「大丈夫なのかにゃ~?」


白井キャプテン「辛いものを食べたらどうなるのか気になる」


タルト「カプサイシンを含む食品を検索します」


ペリカリノ「検索すんな!」


タルト「見つけました」


ペリカリノ「早いな!」


 テーブルの上に、赤いソースが置かれた。


 白井キャプテンが蓋を開ける。


 ネコさんが覗き込む。


ネコさん「辛そうにゃ~」


ジェントル「すごそうです!」


ネクタイ「パンには合う?」


白井キャプテン「知らん」


ネクタイ「そう」


 テハナがソースを見る。


テハナ「これは?」


白井キャプテン「カプサイシンだ」


テハナ「カプサイシン?」


白井キャプテン「辛いやつだ」


テハナ「……食べていいのか?」


白井キャプテン「ああ」


ペリカリノ「待て待て待て」


白井キャプテン「なんだ?」


ペリカリノ「お前、自分が何を食わせようとしてるのか分かってる?」


白井キャプテン「カプサイシン」


ペリカリノ「そういう意味じゃねえ!」


 ペリカリノはテハナを見る。


ペリカリノ「テハナ、無理なら食べなくていいからな」


テハナ「分かった」


 テハナは少量のソースを口にした。


 数秒。


 何も起こらない。


ジェントル「……?」


ネコさん「……?」


白井キャプテン「……?」


テハナ「……」


ペリカリノ「どうだ?」


テハナ「……少し熱い」


白井キャプテン「それだけか?」


テハナ「ああ」


ジェントル「すげえ!」


白井キャプテン「すげえ!」


ペリカリノ「まだ分かんねえだろ!」


 テハナはもう一度ソースを見る。


テハナ「もう少し食べていいか?」


白井キャプテン「もちろん」


ペリカリノ「待てよ」


 テハナがもう一度食べる。


テハナ「……」


 やはり平然としている。


ジェントル「すげえ!」


白井キャプテン「すげえ!」


ペリカリノ「だから何がだよ!」


白井キャプテン「普通の地球生物より耐性がある可能性が高い」


タルト「同意します」


ペリカリノ「タルトまで!?」


 白井キャプテンは、テハナの身体を見た。


白井キャプテン「そういえば」


ペリカリノ「今度は何だよ」


白井キャプテン「お前の骨って何でできてる?」


テハナ「骨?」


白井キャプテン「ああ」


テハナ「……分からない」


タルト「では分析します」


テハナ「分析?」


ネコさん「怖くないにゃ~」


タルト「痛みはありません」


 小型監視カメラがテハナの身体を走査する。


 モニターにデータが表示されていく。


タルト「解析中……」


白井キャプテン「……」


ジェントル「……」


ペリカリノ「……」


ネクタイ「パン」


タルト「解析完了」


白井キャプテン「どうだった?」


タルト「テハナの骨格を形成している主な元素は――」


 タルトが一拍置く。


タルト「鉄、Feです」


 白井キャプテンの目が輝いた。


白井キャプテン「Fe!?」


ジェントル「Fe!?」


 白井キャプテンとジェントルが同時に立ち上がった。


ペリカリノ「なんでだよ!!」


白井キャプテン「鉄だぞ!」


ジェントル「鉄ですよ!」


白井キャプテン「すげえ!」


ジェントル「すげえ!」


ペリカリノ「何がそんなにすげえんだよ!」


白井キャプテン「骨が鉄だぞ!」


ペリカリノ「聞けば分かるわ!!」


 テハナは自分の腕を見る。


テハナ「俺の骨、鉄なのか?」


タルト「正確には鉄を主成分とする特殊な構造です」


白井キャプテン「やっぱりすげえ!」


ジェントル「すげえ!」


ペリカリノ「うるせえ!」


 ネコさんがテハナをじっと見る。


ネコさん「じゃあ、私たちとは全然違う身体なのかにゃ?」


タルト「はい」


ネコさん「ふーん」


 ネコさんは少し考える。


ネコさん「じゃあ、怪我をしたらちゃんと診てあげないといけないにゃ~」


テハナ「……ありがとう」


ネコさん「どういたしましてにゃ」


 白井キャプテンは再びカプサイシンを見る。


白井キャプテン「なあ」


ペリカリノ「嫌な予感がする」


白井キャプテン「もっと辛いものを試そう」


ペリカリノ「やめろ!」


テハナ「もっと辛い?」


白井キャプテン「ああ」


テハナ「興味がある」


ペリカリノ「お前も乗るな!」


ジェントル「じゃあガンダで探してきます!」


ペリカリノ「走るな!!」


 ジェントルが走り出した。


 ものすごい速度で船内を駆け抜ける。


 その直後。


タルト「ジェントルが厨房に到着しました」


ペリカリノ「実況するな!」


タルト「何かを探しています」


ペリカリノ「止めろ!」


タルト「発見しました」


白井キャプテン「何を?」


タルト「非常に辛い食品です」


ペリカリノ「なんでそんなものが宇宙船にあるんだよ!!」


白井キャプテン「俺が買った」


ペリカリノ「いつ!?」


白井キャプテン「前に」


ペリカリノ「何のために!?」


白井キャプテン「辛いものを食べたくなったときのためだ」


ペリカリノ「お前、そういうところだけ計画的だな!!」


 ジェントルが戻ってくる。


 手には、赤い袋。


ジェントル「持ってきました!」


 テハナが袋を見る。


テハナ「それは?」


白井キャプテン「……かなり辛い」


テハナ「食べてみたい」


ペリカリノ「……」


 ペリカリノは深くため息をついた。


ペリカリノ「……もう好きにしろ」


白井キャプテン「よし!」


ジェントル「よし!」


ネコさん「ほどほどにするにゃ~」


ネクタイ「パンもあるよ」


テハナ「ありがとう」


 こうして。


 テハナが元の宇宙へ帰る方法を探すはずだった宇宙船では――


 なぜか、異世界の生物にどこまで辛いものを食べさせられるかという、まったく別の実験が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。