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白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
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16/18

「戦国宇宙!?刀と城と鋼鉄の侍、全部まとめて大爆発!!」の巻

宇宙船ブッ飛び号。


操縦席では白井キャプテンが両手を広げ、全宇宙に宣言するような顔をしていた。


白井キャプテン「次の行き先を決めるぞォォォォォォ!!!」


操縦パネルのランプが百個ほど点滅している。どれが何のボタンなのか、誰も把握していない。おそらく白井キャプテン本人も。


ジェントル「ガンダで行くぜェェェェェ!!!」


ネクタイ「パン。」


ペリカリノ「会話になってねぇ。」


ネコさんはシートの端でまるくなっていた。


ネコさん「今日も平和だにゃ~。」


タルト『平和ではありません。現在、白井キャプテンが航路設定をしているため事故率が92%です』


船内の空気が一瞬で固まった。


ペリカリノ「全然平和じゃねぇよ!!」


白井キャプテン「よし決めた!!このボタンを押す!!」


ペリカリノ「どのボタンだよ!?」


白井キャプテン「知らん!!」


ペリカリノ「知らんで押すなァァァ!!」


ポチッ。


小さな音だった。しかしその瞬間、窓の外が変わった。星が消え、虹色の渦が宇宙船を飲み込んでいく。船体が軋む。重力がおかしくなる。ネクタイのパンが宙を舞った。


ジェントル「うおおおおおおおお!!」


ネクタイ「パンが飛んだ。」


ネコさん「にゃー。」


タルト『あ、変な宇宙です』


ペリカリノ「変な宇宙って何だよ!!」


数分後。


衝撃とともにブッ飛び号が着陸した。


窓から外を見ると、緑の深い山が広がっていた。空気が澄んでいる。土の匂いがする。


そして、山の稜線を埋め尽くすように——巨大な城。


石垣の上にそびえる白い天守閣。翻るのぼり旗。甲冑を身にまとった兵士たちが列をなして歩いている。馬が嘶き、砂埃が舞う。どこかから太鼓の音が響いてくる。


白井キャプテン「戦国時代だァァァァァァ!!!」


目を輝かせている。


タルト『正確には戦国時代に似た別宇宙です』


ペリカリノ「似た別宇宙なんて便利な言葉で済ませやがった。」


ジェントル「城だァァァァ!!」


ネクタイ「パン屋はあるか。」


ネコさん「景色が綺麗だにゃ~。」


のんびりした空気が漂いかけたその時。


ドドドドドドドッ!!


地響き。


山の麓から武士たちが駆け上がってくる。完全武装。目が血走っている。


武士A「怪しい者ども!!捕らえろ!!」


ペリカリノ「初対面で!?」


白井キャプテン「よし!!逃げるぞ!!」


ジェントル「ガンダァァァァァッシュ!!」


ビュンッ!!


風圧だけで武士たちが数メートル吹き飛んだ。土煙の中、ジェントルの姿はすでに消えている。


武士A「消えた!?」


武士B「速すぎる!!」


ペリカリノ「毎回思うけどその脚力どうなってんだよ!」


一行は深い森へ飛び込んだ。


木々の間に差し込む光。遠くで鳥が鳴いている。ブッ飛び号は偽装シートで隠してある。


タルトの小型カメラが蜂のように飛び回り、数分で戻ってきた。


タルト『調査完了』


白井キャプテン「早いな。」


タルト『この世界は現在、大名同士の戦争中です』


『特に強大なのが戦国大名・鬼龍院信景』


ペリカリノ「名前からして強そうだな。」


タルト『現在、周辺の国を次々と制圧しています』


『民から重税を取り、反抗する村を焼いています』


ネコさん「それはかわいそうだにゃ。」


ネクタイ「パンも焼くのか。」


ペリカリノ「そこじゃねぇ。」


白井キャプテンが立ち上がった。


静かに。しかし迷いなく。


白井キャプテン「決めた。」


ペリカリノ「嫌な予感。」


白井キャプテン「鬼龍院信景の城下町に行こう!!」


ペリカリノ「やっぱりだァァァ!!」


ジェントル「ガンダで行くぜ!!」


ネクタイ「パンもらえるかな。」


ネコさん「面白そうだにゃ。」


ペリカリノ「誰か止めろよ!!」


翌日の朝。


城下町へ続く街道を歩く一行。


しかし、近づくにつれておかしいと気付いた。


市場に活気がない。商人の呼び声がない。子供が走り回っていない。人々は下を向いて歩き、誰も目を合わせようとしない。視線が怯えている。


石畳の路地に、腹を空かせた子供が座っていた。


兵士たちだけが威張っていた。肩をそびやかして歩き、邪魔な荷車を蹴飛ばし、露店の食い物を金も払わずに取っていく。


その時。


老人が一人、道端で崩れ落ちた。


荷物が重すぎたのか。それとも腹が空いているのか。


兵士「邪魔だ。」


ドンッ。


革靴の先が老人の脇腹を蹴った。老人が石畳の上を転がる。周りの人々は目を伏せた。


ペリカリノ「おい!!」


ネコさんが駆け寄り、老人を抱き起こす。


老人「ありがとう……」


皺だらけの顔が、それでも微笑もうとしていた。


兵士たちがこちらを見て、せせら笑った。


兵士「余計な真似を。」


その言葉が落ちた瞬間。


白井キャプテンの笑顔が、スッと消えた。


ペリカリノ(あ。)


ジェントル(あ。)


ネクタイ(パン。)


ネコさん(にゃ。)


タルト『白井キャプテン怒りモードを確認』


音が消えたように感じた。


兵士「何だ貴様。」


白井キャプテン「お前。」


一歩。前に出る。


白井キャプテン「弱い者いじめは宇宙で一番ダサいぞ。」


声は低く、静かだった。怒鳴っていない。だからこそ重かった。


兵士たちが刀を抜く。鞘が鳴る。鋼の光が路地に走る。


周囲の町人が悲鳴をあげ、壁際に張り付く。


ペリカリノ「始まった。」


ジェントル「戦うのか!?」


白井キャプテン「いや。」


ペリカリノ「え?」


白井キャプテン「まず話し合おう。」


沈黙。


刀を抜いた兵士たちも、一瞬止まった。


ペリカリノ「珍しいな。」


白井キャプテン「だが。」


兵士「?」


白井キャプテン「話を聞く気がないなら。」


口の端が、少し上がった。


白井キャプテン「その時は遠慮しない。」


ニヤリ。


兵士たちの額を汗が伝った。なぜかわからない。武器を持っているのはこちら側だ。なのに。


目の前の男は——危険だ。


本能がそう叫んでいた。


その瞬間——


ゴォォォォォォン!!


天守閣から巨大な鐘の音が鳴り響いた。城全体が震えるような、腹の底まで届く音だった。


タルト『緊急報告』


ペリカリノ「今度は何だ!?」


タルト『鬼龍院信景が出陣します』


タルト『ただし問題があります』


白井キャプテン「何?」


タルト『鬼龍院信景の軍勢、約三万人』


ペリカリノ「多いな。」


タルト『対する敵軍、約二千人』


ネコさん「にゃ?」


ジェントル「それ大丈夫か!?」


タルト『大丈夫ではありません』


『敵軍は今日中に壊滅します』


城門が開く音が遠くから聞こえてきた。地が揺れる。太鼓が鳴り始める。町の人々が蒼白になっていく。


老人が白井キャプテンの袖を掴んだ。震える手で。


白井キャプテンは城を見上げた。


白井キャプテン「ほう。」


ニヤリ。


白井キャプテン「面白くなってきたじゃないか。」


ペリカリノ「その顔やめろ。」


戦場へ続く平野。


丘の上から見下ろすと、二千の兵士たちが整列していた。


しかし空気が重い。死を覚悟した人間の顔をしている。


一行が姿を現すと、兵士たちが振り返った。


兵士A「誰だお前ら。」


白井キャプテン「観光客。」


ペリカリノ「違うだろ。」


ジェントル「助けに来たぜ!!」


兵士B「お前らだけで!?五人で何ができる!!」


ネクタイ「パン。」


兵士B「戦う気あるのか!?」


その時——


ドォォォォン!!


地面が鳴った。


違う。鳴ったのではない。揺れたのだ。一歩、また一歩。重い足音が大地を叩くたびに振動が伝わってくる。


煙の向こうから、それは現れた。


巨大だった。


人間ではない。全身を黒い鉄で覆われた、武士の形をした何かだ。目の位置に赤い光が二つ灯っている。関節の隙間から白い蒸気が噴き出している。手には人の身長ほどもある刀。


そして一体ではなかった。


二体、十体、百体——


煙の向こうから際限なく現れてくる。


タルト『からくり侍です』


『この世界最高峰の技術によって造られた自動兵器』


『推定五百体』


ペリカリノ「五百!?」


白井キャプテン「いいねぇ!!」


ペリカリノ「いいねぇじゃねぇよ!!」


その先頭。


一体だけが異様だった。


漆黒の鎧。他の個体より一回り大きい。頭部に金色の角が二本。そして胸の中心——そこだけが青白く光っていた。脈打つように。まるで心臓のように。


タルト『個体識別』


『名称・黒鋼丸』


『からくり侍軍団総大将』


ペリカリノ「ボスじゃねぇか。」


そしてその背後。


丘の上に、一騎の武将が馬で立っていた。


黒い甲冑。風になびく陣羽織。遠目でも分かる、巨大な体躯。


その男が腕を上げると、五百体が静止した。


ピタッ。


完璧な静寂。


次の瞬間、腕を振り下ろす。


鬼龍院信景「——進め。」


声は低く、たった一言だった。


それだけで五百体が動き出した。


ドドドドドドドドド!!


ペリカリノ「あれが鬼龍院信景か。」


タルト『はい』


ペリカリノ「……強そうだな。」


タルト『はい』


ペリカリノ「……本当に。」


黒鋼丸はゆっくり刀を抜いた。


ズゴォォォォン!!


振るいもしていない。ただ抜いただけで、地面に亀裂が走った。


兵士たち「ひぃぃぃぃ!!」


ジェントル「強そうだな!!」


白井キャプテン「強そうだな!!」


ペリカリノ「同じ感想かよ!!」


黒鋼丸が動いた。


砲弾のような速度。鉄の巨体がそんな動きをしていいはずがない。


ジェントル「ガンダァァァァッシュ!!」


正面から迎え撃つ。


ドォォォォン!!


衝突の瞬間、爆発のような衝撃波が広がった。しかし。


ジェントル「うおおおお!?」


吹き飛んだのはジェントルだった。数十メートル先の地面を転がっていく。


ペリカリノ「ジェントル!?」


ジェントル「速ぇぇぇぇ!!俺より速ぇぇぇ!!」


ペリカリノ「お前より速い奴がいるのか!?」


黒鋼丸が刀を高く振り上げた。


ヒュン。


音があった。


カン!!


刀が弾かれた。軌道がずれる。地面に落ちた刃が土を抉る。


全員「!?」


ネクタイだった。


座ったまま。パンを片手に持ったまま。もう片方の手でナイフを投げていた。


ネクタイ「パンを潰されるのは困る。」


ペリカリノ「何その理由。」


ヒュン。ヒュン。ヒュン。


連続投擲。全て命中する。黒鋼丸の鎧に火花が散る。


黒鋼丸「■■■■■」


初めて、機械が後退した。半歩。しかし確かに。


ペリカリノ「相変わらず意味わかんねぇ腕前だな。」


丘の上の鬼龍院信景が、初めて眉をひそめた。


鬼龍院信景「……何者だ。」


声には余裕があった。しかし目は違った。あの男を見ている。白井キャプテンを。


しかし問題は終わらない。


後方の五百体が、一斉に動き出した。


ドドドドドドドドド!!


大地が揺れる。鉄の足音が重なって、太鼓のような轟音になる。


兵士たち「終わったぁぁぁ!!」


ペリカリノ「多すぎるだろ!!」


ネコさん「怪我人がいっぱい出そうにゃ……」


そしてその瞬間、タルトの声が鋭くなった。


タルト『さらに問題があります』


白井キャプテン「何?」


タルト『黒鋼丸の胸部に未知のエネルギー反応』


ペリカリノ「未知?」


タルト『この宇宙の技術ではありません』


全員「え?」


白井キャプテンの目が細くなった。光が宿る。


白井キャプテン「なるほど。」


ペリカリノ「何かわかったのか?」


白井キャプテン「宇宙外文明の技術だ。誰かがこの戦国宇宙にヤバい物を持ち込んだ。」


タルト『一致しました』


『極めて古い多次元遺物の反応です』


ネクタイ「パンよりヤバい?」


ペリカリノ「基準がおかしい。」


その時。


黒鋼丸の胸部が——開いた。


装甲が左右に割れる。中から青白い光が溢れ出す。眩しい。直視できない。


空が震えた。


ビキビキビキ!!


亀裂が走る。空そのものに。見上げると、青い空の一角が割れガラスのように砕け始めていた。


タルト『警告』


『警告』


『警告』


『空間崩壊反応を確認』


『このままでは戦場ごと消滅します』


兵士たち「空が割れたぁぁぁ!!」


ペリカリノ「はぁ!?」


ネコさん「にゃ!?」


ジェントル「戦国時代の話じゃなかったのか!?」


丘の上の信景も、空を見上げていた。


初めて、その顔に動揺が走った。


鬼龍院信景「……これは。」


馬が暴れる。周囲の兵士たちが悲鳴をあげる。


信景は手綱を引き締めながら、それでも黒鋼丸を見ていた。


鬼龍院信景「止まれ。黒鋼丸。」


黒鋼丸は止まらなかった。


鬼龍院信景「……止まれと言っている。」


止まらない。


信景の顎が、わずかに固まった。


自分が作った最強の兵器が。自分の命令を聞かなくなっている。


白井キャプテンだけが、大笑いした。


白井キャプテン「最高だァァァァァ!!」


ペリカリノ「最悪だろォォォォォ!!」


タルト『あと十五分で戦場消滅』


ネコさん「怪我人は任せるにゃ!!」


ネコさんは即座に走り出した。倒れた兵士の元へ、次の兵士の元へ、駆け回りながら手当てをしていく。


兵士A「助かった……」


兵士B「猫が喋ってる……」


ネコさん「気にしないでいいにゃ。」


ジェントル「ガンダァァァァァッシュ!!」


からくり侍の群れへ突っ込む。十体、二十体と吹き飛ばすが、後ろから次が来る。


ジェントル「多いなぁぁぁぁ!!」


ペリカリノ「だから五百体いるんだよ!!」


「雷帝一閃!!」


バゴォォォォ!!


ペリカリノの拳が一閃するたびにからくり侍が砕け散る。しかし数が多い。


ネクタイは座っていた。


パンを食べていた。


モグモグ。


ペリカリノ「戦えよ!!」


ネクタイ「今忙しい。」


ペリカリノ「何がだ!!」


ネクタイ「パン。」


一体のからくり侍がネクタイへ斬りかかった。


ネクタイ「パンの時間を邪魔するな。」


ヒュン。


ナイフ一本。


ガギィィィン!!


からくり侍の首が正確に飛んだ。胴体だけが数歩歩いて、倒れた。


ペリカリノ「怖ぇよ!!」


ネクタイ「パン。」


一方、白井キャプテンは走っていた。


からくり侍の群れの中を、まるで川の中の魚のように。ぶつかりもしない、止まりもしない。


目標は一つ。黒鋼丸。


黒鋼丸も気付いた。巨大な刀を横薙ぎに振る。


ズドォォォォン!!


土煙。


ペリカリノ「キャプテン!?」


煙が晴れた時。


黒鋼丸の肩の上に人影があった。


白井キャプテン「よっ。」


ペリカリノ「いつの間に!?」


タルト『説明不能です』


ペリカリノ「AIも諦めるな!!」


白井キャプテンは黒鋼丸の装甲を叩き始めた。


コンコン。コンコンコン。


位置を変えながら、耳を近づけながら。


白井キャプテン「ほう。」


コンコン。


白井キャプテン「なるほど。」


ペリカリノ「何してんだよ!!」


白井キャプテン「音を聞いてる。」


ペリカリノ「スイカか!?」


黒鋼丸が暴れる。肩を揺らし、腕を振り回す。しかし白井キャプテンは離れない。波に乗る船のように揺れながら、装甲の上を移動し続ける。


そして、胸部へ到達した。


青白い光の源。脈打つ結晶。


黒鋼丸「■■■■■■■!!」


鉄の拳が迫る。


ジェントル「危ない!!」


白井キャプテン「大丈夫。」


ガチャ。


カチ。


ギギギ。


スポン。


ペリカリノ「取れたァァァァァ!?」


タルト『本当に取れました』


白井キャプテンの手の中に、青白く輝く結晶があった。


瞬間。


全てのからくり侍が停止した。


ピタッ。


動いていた五百体が、一斉に。音もなく。


ジェントル「止まった!」


ネコさん「にゃ~。」


ネクタイ「パン。」


ペリカリノ「毎回パンだな。」


しかし。


結晶が暴走した。


白井キャプテンの手の中で、光が激しさを増す。熱い。眩しい。


ビキビキビキ!!


空間が歪む。視界が波打つ。立っているのに地面が遠い気がする。


タルト『最終暴走』


『あと十秒』


ペリカリノ「十秒ォォォォ!?」


兵士たち「終わった!!」


白井キャプテン「よし。」


ポイッ。


ペリカリノ「投げたァァァァァ!?」


結晶が空高く舞い上がる。


ジェントル「ガンダァァァ!!」


跳躍。常識を超えた高さへ。結晶をキャッチし、さらに高く投げ返す。


ヒュン。


ネクタイのナイフが一直線に飛ぶ。


命中。


ペリカリノ「雷帝一閃!!」


バゴォォォォォン!!


五人分の力が重なった瞬間、結晶が空中で爆ぜた。


光が広がる。


空を包む白い閃光。


そして——


静寂。


ゆっくりと、空の亀裂が塞がっていく。割れていた空が元に戻っていく。


青い空だった。


ただ、青い空だった。


兵士たち「おおおおおおおお!!」


歓声が上がった。それが広がり、戦場全体を包んでいく。


老人「英雄だ!!」


兵士「救世主だ!!」


町人「ありがとう!!」


ペリカリノはへたり込んだ。


ペリカリノ「なんとかなったな……」


ネコさん「良かったにゃ。」


ジェントル「ガンダで勝ったぜ!!」


ネクタイ「パン。」


そこへ。


馬蹄の音。


鬼龍院信景だった。


先ほどまでの威厳はあった。しかし今、その顔には隠しきれないものがある。


自分が制御できなかった。


自分が止められなかった。


それを、見知らぬ五人が止めた。


信景はしばらく黙っていた。


そして。


鬼龍院信景「……褒美を与えよう。」


白井キャプテン「いらん。」


鬼龍院信景「え?」


ペリカリノ「え?」


兵士たち「え?」


白井キャプテン「だってもう面白いもの見たし。」


ペリカリノ「理由が軽い。」


白井キャプテン「次行こう。」


信景は口を開きかけた。


何か言おうとした。


しかし言葉が出なかった。


この男に、何を言えばいいのか。


ジェントル「次の宇宙か!!」


ネコさん「楽しみだにゃ。」


ネクタイ「パンを持っていく。」


タルト『発進準備完了』


鬼龍院信景「ま、待て!!」


老人「名前だけでも!!」


兵士「英雄様ァァァ!!」


町人「ありがとう!!」


白井キャプテン「じゃあな!!」


ブッ飛び号が轟音とともに浮かび上がった。


ゴォォォォォォォ!!


虹色の渦が現れ、飲み込んでいく。


戦国宇宙の人々は見上げていた。


知らない人たちだった。名前も知らない。どこから来たのかも知らない。なのに——空が元に戻っていた。


鬼龍院信景も、馬の上で見上げていた。


誰よりも長く。


宇宙船内。


ジェントル「次はどこだ!?」


ネコさん「どんな世界かにゃ~。」


ペリカリノ「頼むから平和なところにしてくれ。」


タルト『検索中』


『検索中』


『検索完了』


白井キャプテン「おっ。」


ペリカリノ「嫌な予感。」


タルト『全住民が巨大な魚の世界を発見しました』


白井キャプテン「行こう!!!!」


ジェントル「ガンダァァァァァ!!」


ネコさん「にゃ~♪」


ネクタイ「魚パンあるかな。」


ペリカリノ「絶対ロクでもねぇぇぇぇぇ!!」


宇宙船は虹色の渦へ消えていく。


またどこかの、誰も知らない宇宙へ向かって。


――続くけど完。

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