「全員が逆さまに生活している惑星?!」の巻
白井キャプテンの物語
「全員が逆さまに生活している惑星?!」の巻
タルト『前方に惑星を確認。惑星名、リバースⅢ。住民の生活様式に異常を確認しました』
白井キャプテン「異常!?いいねぇ!!行こう!!」
ペリカリノ「毎回思うけどなんで異常を聞いてテンション上がるんだよ。」
ネコさん「健康診断で異常なしって言われた時くらい喜んでるにゃ。」
ジェントル「ガンダで上陸だァァァ!!」
ネクタイ「パン。」
白井キャプテン「よし出発!!」
ペリカリノ「ネクタイは何を承認したんだよ。」
宇宙船が着陸する。
ハッチが開く。
すると。
全員。
逆さまだった。
住民A「おはようございます。」
天井を歩いていた。
ジェントル「うわァァァァァァ!!」
ペリカリノ「えっ。」
ネコさん「にゃ?」
ネクタイ「パン?」
白井キャプテン「ほう。」
ペリカリノ「お前だけ反応薄いな!?」
白井キャプテン「重力反転型惑星だな。」
ペリカリノ「なんで分かるんだよ!?」
白井キャプテン「宇宙には時々あるぞ。」
ペリカリノ「ねえよ!!」
タルト『正確にはあります。多次元宇宙全体で見れば三万二千八百九十七例確認されています』
ペリカリノ「あんのかよ!!」
住民A「観光客ですか?」
白井キャプテン「そうだ!!」
住民A「ではお気をつけて。」
ジェントル「何にだ!?」
住民A「落ちます。」
ジェントル「え?」
その瞬間。
ジェントルだけ浮いた。
ジェントル「え?」
ペリカリノ「え?」
ネコさん「にゃ?」
ジェントル「え?」
ズゴォォォォォォォ!!!
空へ落ちた。
ジェントル「うわァァァァァァァァァァァ!!!!!」
ペリカリノ「上に落ちてったァァァァァァ!!!!!」
白井キャプテン「言っただろ。」
ペリカリノ「何も言ってねえ!!」
タルト『この惑星では走ると重力が反転します』
ペリカリノ「欠陥仕様じゃねえか!!」
ネコさん「ジェントルくん大丈夫かにゃ?」
遠くの空から。
ジェントル「ガンダァァァァァァァ!!!!」
さらに遠くへ飛んでいった。
ペリカリノ「全然大丈夫じゃねえ!!」
その時。
街中にサイレンが鳴り響く。
ウゥゥゥゥゥン!!
住民達が慌て始めた。
住民B「まずい!」
住民C「始まったぞ!」
ペリカリノ「なんだ!?」
タルト『警告。惑星全体の重力制御装置に異常発生』
白井キャプテン「ほう。」
ペリカリノ「ほうじゃねえよ。」
タルト『あと五分で全住民がランダムな方向へ落下します』
ペリカリノ「大惨事じゃねえかァァァ!!」
ネコさん「大変にゃ。」
ネクタイ「パン工場は?」
タルト『崩壊します』
ネクタイ「行くぞ。」
ペリカリノ「急に立ち上がったァァァ!!」
ネクタイの目が輝く。
ネクタイ「パンを守る。」
白井キャプテン「よし!!原因を探すぞ!!」
ペリカリノ「毎回ノリで進むな!!」
タルト『原因判明。中央タワーに巨大な宇宙磁石が衝突しています』
白井キャプテン「なるほど。」
ペリカリノ「なるほどじゃねえ、どうすんだ。」
白井キャプテン「簡単だ。」
ペリカリノ「嫌な予感しかしねえ。」
白井キャプテン「磁石をどかす。」
ペリカリノ「どうやって。」
白井キャプテン「力で。」
ペリカリノ「雑ゥゥゥゥゥ!!!」
その時。
空の彼方から。
ジェントル「帰ってきたぜェェェェェェェ!!!!」
ズドォォォォォン!!
墜落。
ジェントル「ガンダで一周してきた!!」
ペリカリノ「一周できんのかよ!!」
白井キャプテン「ジェントル。」
ジェントル「おう!!」
白井キャプテン「磁石まで走れ。」
ジェントル「ガンダだァァァ!!」
シュバァァァァァ!!
消えた。
三秒後。
ジェントル「着いたァァァ!!」
通信が入る。
ペリカリノ「速すぎるだろ!!」
白井キャプテン「ペリカリノ。」
ペリカリノ「なんだよ。」
白井キャプテン「雷。」
ペリカリノ「嫌な予感。」
白井キャプテン「撃て。」
ペリカリノ「雑ゥゥゥゥゥ!!!!」
白井キャプテン「説明すると長い。」
ペリカリノ「説明しろよ!!」
白井キャプテン「宇宙磁石は高エネルギー状態になると極性が不安定になる。」
ペリカリノ「お、おう。」
白井キャプテン「そこへ雷を流す。」
ペリカリノ「うん。」
白井キャプテン「すると磁石が」
ペリカリノ「すると?」
白井キャプテン「なんかいい感じになる。」
ペリカリノ「説明放棄したァァァァァ!!!!!」
タルト『なお白井キャプテンの説明は八割省略されていますが理論上は正しいです』
ペリカリノ「正しいのかよ!!」
ネコさん「ペリカリノくん、頑張るにゃ。」
ペリカリノ「くっそぉぉぉ……!」
ペリカリノが杖を構える。
青白い雷が集まり始める。
ペリカリノ「喰らえェェェェ!!」
バリバリバリバリ!!!
超高圧電流が宇宙磁石へ直撃した。
すると。
ギギギギギギ……
磁石が震える。
ジェントル「おお!!」
住民達「おおおお!!」
ペリカリノ「効いてるぞ!!」
だが。
次の瞬間。
ドゴォォォォォン!!!
宇宙磁石が三倍に巨大化した。
ペリカリノ「なんでだよォォォォォ!!!!!」
タルト『充電されました』
ペリカリノ「スマホじゃねえんだぞ!!!!!」
住民達が悲鳴を上げる。
住民A「終わりだ!!」
住民B「空に落ちるぞ!!」
ジェントル「どうするキャプテン!?」
白井キャプテン「想定内だ。」
ペリカリノ「絶対嘘だろ。」
白井キャプテン「ネクタイ。」
ネクタイ「パン。」
白井キャプテン「出番だ。」
ペリカリノ「なんで!?」
ネクタイがゆっくり前に出る。
ネクタイ「パン工場はどこだ。」
住民A「中央タワーの隣です。」
ネクタイ「なるほど。」
ペリカリノ「何がなるほどなんだ。」
ネクタイ「つまり。」
スッ。
ナイフを抜く。
ペリカリノ「来た。」
ネクタイ「パンの隣にある。」
ペリカリノ「うん。」
ネクタイ「切る。」
ペリカリノ「何を!?」
ネクタイ「磁石。」
ペリカリノ「無理だろォォォォォ!!!」
シュン。
ネクタイが消えた。
次の瞬間。
巨大磁石の上に立っていた。
ジェントル「速ぇ!?」
ペリカリノ「お前も十分速いだろ!!」
ネクタイ「……。」
シュバババババババババババ!!!
目にも留まらぬ斬撃。
住民達「え?」
ジェントル「え?」
ネコさん「にゃ?」
ペリカリノ「え?」
静寂。
数秒後。
巨大磁石が。
サラサラサラ……
パンの薄切りみたいに三万枚へ分解された。
ペリカリノ「なんで切れたァァァァァァァ!!!!!」
タルト『意味不明です』
ペリカリノ「AIが理解を放棄したァァァァァ!!」
白井キャプテン「さすがネクタイ。」
ネクタイ「パン。」
その瞬間。
惑星全体が揺れ始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴ……
タルト『警告』
ペリカリノ「今度は何だよ!」
タルト『重力制御装置が暴走しています』
ペリカリノ「まだあんのかよ!!」
タルト『現在、上下左右前後すべての方向へ重力が発生中』
ペリカリノ「意味分かんねえ!!!」
住民A「うわあああ!!」
住民B「左に落ちる!!」
住民C「いや右だァァァ!!」
ジェントル「俺は斜め後ろ上だァァァ!!」
ペリカリノ「なんだその落ち方!!」
街中の人々がバラバラの方向へ飛び始めた。
家も飛ぶ。
車も飛ぶ。
パンも飛ぶ。
ネクタイ「パン。」
ネクタイだけが真顔になった。
ネクタイ「パンが飛んだ。」
ペリカリノ「いや今それどころじゃねえ!!」
ネクタイ「パンが。」
ペリカリノ「二回言うな!!」
白井キャプテンがニヤリと笑う。
白井キャプテン「面白くなってきたな。」
ペリカリノ「面白くねえよ!!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
街が回る。
空が回る。
住民達が斜め上や横や後ろへ落ち続ける。
ジェントル「ガンダで助けるぜェェェェェ!!」
シュバババババ!!!
住民A「助かった!」
住民B「速い!」
住民C「なんで走って空飛んでるんだ!?」
ジェントル「分からん!!」
ペリカリノ「本人も分かってねえのかよ!!」
タルト『重力制御装置の暴走率九十七パーセント』
ペリカリノ「ほぼ終わってるじゃねえか!」
ネコさん「怪我人が増えてるにゃ。」
住民達があっちこっちへ飛んでいる。
ネコさんは飛んでくる住民をキャッチしては治療し、キャッチしては治療していた。
ネコさん「はい大丈夫にゃ。」
住民A「ありがとうございます!」
ネコさん「無理しちゃダメにゃ~。」
ペリカリノ「ネコさんだけ平常運転なんだよなぁ……」
その時だった。
タルト『解析完了』
白井キャプテン「おっ。」
ペリカリノ「やっとか!」
タルト『惑星中心部に存在する重力核が故障しています』
白井キャプテン「なるほど。」
ペリカリノ「その先を言え!」
タルト『重力核が全方向へ重力を撒き散らしています』
ペリカリノ「つまり?」
タルト『殴れば直る可能性があります』
ペリカリノ「お前も雑になってきたァァァァ!!」
タルト『白井キャプテンの影響です』
白井キャプテン「成長したな。」
ペリカリノ「成長じゃねえ!」
すると。
ネクタイが急に空を見上げた。
ネクタイ「……。」
ペリカリノ「なんだ?」
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「知ってる。」
ネクタイ「パンが集まっている。」
ペリカリノ「は?」
全員が空を見る。
すると。
飛び散ったパン達が。
グルグルグルグル……
一箇所へ吸い寄せられていた。
白井キャプテン「ほう。」
タルト『重力核の位置です』
ペリカリノ「パンで分かったの!?」
ネクタイ「パンは全てを教えてくれる。」
ペリカリノ「怖ぇよ!!」
白井キャプテン「行くぞ!」
ジェントル「ガンダァァァァァ!!」
ペリカリノ「待て待て待て!!」
白井キャプテン「どうした。」
ペリカリノ「どうやって惑星中心部に行くんだよ!?」
白井キャプテン「簡単だ。」
ペリカリノ「嫌な予感。」
白井キャプテン「落ちる。」
ペリカリノ「その説明をやめろ!」
白井キャプテンは近くのマンホールを開けた。
白井キャプテン「重力核は地下三千メートル。」
ペリカリノ「うん。」
白井キャプテン「落ちれば着く。」
ペリカリノ「雑ゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
白井キャプテン「出発!!」
ドボォォォォォォン!!
飛び込んだ。
ジェントル「ガンダァァァ!!」
ドボォォォォォォン!!
ネコさん「待つにゃ~。」
ドボォォォォォォン!!
ネクタイ「パン。」
ドボォォォォォォン!!
タルト『私はAIなので飛行移動します』
ペリカリノ「くそぉぉぉぉ!!」
ドボォォォォォォン!!
全員が地下へ落下する。
しかし。
途中で。
重力が。
右。
左。
上。
下。
前。
後ろ。
めちゃくちゃになった。
ジェントル「うわァァァァァ!!」
ネコさん「にゃああああ!?」
ペリカリノ「酔う酔う酔う酔う!!」
ネクタイ「パン。」
白井キャプテンだけが笑っていた。
白井キャプテン「楽しいな!!」
ペリカリノ「お前だけだよ!!!!」
そして。
数分後。
地下三千メートル。
惑星中心部。
そこにあったのは――
巨大な球体だった。
直径五百メートル。
無数の雷が走り。
重力が歪み。
周囲の岩盤をグニャグニャに曲げている。
タルト『重力核を確認』
ジェントル「でけぇぇぇぇ!!」
ネコさん「危なそうにゃ。」
ペリカリノ「いや危ないだろ。」
すると。
重力核の表面に文字が浮かび上がる。
【メンテナンス不足】
一同「…………」
ペリカリノ「え?」
【最終点検日・三千年前】
一同「…………」
ペリカリノ「いや管理どうなってんだよォォォォォォ!!!!!」
住民達の祖先がサボり続けた結果だった。
白井キャプテン「なるほど。」
ペリカリノ「何がなるほどなんだよ!」
白井キャプテン「故障じゃない。」
ペリカリノ「は?」
白井キャプテン「怒ってる。」
重力核
『そうだ。』
一同「しゃべったァァァァァァァ!!!!!」
重力核
『三千年だぞ。』
ペリカリノ「長ぇな。」
重力核
『掃除なし。』
ゴゴゴゴゴ……
重力が強くなる。
重力核
『点検なし。』
ゴゴゴゴゴゴゴ……
さらに強くなる。
重力核
『感謝なし。』
バギィッ!!
空間にヒビが入る。
ペリカリノ「重力で感情表現するな!!」
重力核
『私は悲しい。』
ジェントル「なんか可哀想になってきたぜ!」
ネコさん「にゃあ……。」
タルト『診断結果。重力核、拗ねています』
ペリカリノ「機械でも拗ねるのかよ!!」
重力核
『もう働かない。』
ペリカリノ「完全にストライキじゃねえか!」
白井キャプテンが腕を組む。
白井キャプテン「よし。」
ペリカリノ「直せるのか!?」
白井キャプテン「謝ろう。」
ペリカリノ「正論だった。」
白井キャプテンが重力核の前へ立つ。
白井キャプテン「すまん。」
重力核
『……。』
白井キャプテン「私は関係ないけど。」
ペリカリノ「台無しだよ!!」
重力核
『誠意が感じられない。』
白井キャプテン「そうか。」
ペリカリノ「そうかじゃねえ!」
その時。
ネコさんが前へ出た。
ネコさん「三千年間働いてくれてありがとうにゃ。」
重力核
『……。』
ネコさん「誰にも見られなくても頑張ってたんだにゃ。」
重力核
『……。』
ネコさん「疲れたにゃ?」
重力核
『少し。』
ネコさん「休みたいにゃ?」
重力核
『かなり。』
ペリカリノ「会話成立してる……。」
重力核
『だが私が止まれば惑星が壊れる。』
ネコさん「大変だったにゃ。」
重力核
『うむ。』
ペリカリノ「なんかもう老人みたいになってるぞ。」
すると。
ジェントルが前へ出る。
ジェントル「だったら俺が手伝うぜ!!」
ペリカリノ「何を!?」
ジェントル「分からん!!」
ペリカリノ「いつものだ!!」
ジェントル「でも困ってるなら助ける!!」
重力核
『……。』
ネクタイも前へ出る。
ネクタイ「パン。」
重力核
『パン?』
ネクタイ「パンをやる。」
どこからともなくパンを取り出した。
ペリカリノ「持ってたの!?」
重力核
『……。』
パンが重力核の前に置かれる。
重力核
『初めて贈り物をもらった。』
ネクタイ「パン。」
重力核
『良い。』
ペリカリノ「パンで懐柔されたァァァァ!!」
その瞬間。
重力核の光が少し弱まった。
ゴゴゴ……
空間の歪みも少し収まる。
タルト『怒りレベル低下』
ペリカリノ「そんなステータスあるのか。」
しかし。
次の瞬間だった。
ピピピピピピ!!
タルト『警告。』
ペリカリノ「今度は何!?」
タルト『三千年間の未更新データが一気に処理され始めました』
重力核
『あ。』
白井キャプテン「ん?」
重力核
『再起動する。』
ペリカリノ「お?」
重力核
『三千年分。』
ペリカリノ「お?」
重力核
『更新。』
ペリカリノ「お?」
重力核
『推定時間。』
ペリカリノ「お?」
重力核
『百七十二年。』
一同「長ェェェェェェェェェェェ!!!!!!」
重力核
『更新中は停止する。』
ペリカリノ「惑星終わるだろォォォォォ!!!!」
白井キャプテン「なるほど。」
ペリカリノ「だから何がなるほどなんだよ!!」
重力核の表面に巨大な文字が浮かび上がる。
【更新を開始しますか?】
【YES】
【YES】
【YES】
ペリカリノ「選択肢がおかしい!!!!!」
重力核
『昔からこうだ。』
ペリカリノ「昔から駄目だったんだな!?」
白井キャプテン「よし。」
ペリカリノ「押すなよ。」
白井キャプテン「押すか。」
ペリカリノ「押すなァァァァァ!!!!」
ポチ。
【更新開始】
ペリカリノ「押したァァァァァァァァ!!!!!」
ブオオオオオオオオオ!!!
重力核が輝き始める。
タルト『更新中……0.0000001%』
ペリカリノ「進んでねえ!!」
重力核
『暇だ。』
ペリカリノ「知らねえよ!!」
すると突然。
重力核の表面から大量の紙が噴き出した。
バサバサバサバサ!!
ジェントル「うわァァァ!?」
ネコさん「書類にゃ?」
タルト『ログです。』
ペリカリノ「三千年分?」
タルト『はい。』
ペリカリノ「嫌な予感しかしねえ。」
タルトが一枚拾う。
タルト『一日目。異常なし。』
タルトが二枚目を拾う。
タルト『二日目。異常なし。』
三枚目。
『三日目。異常なし。』
四枚目。
『四日目。異常なし。』
ペリカリノ「いるかその記録ォォォォ!!!!!」
重力核
『全部保存した。』
ペリカリノ「真面目すぎるんだよ!!」
すると。
突然。
地下空間が揺れた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
タルト『警告。』
ペリカリノ「またか!!」
タルト『ログが多すぎて地下空間が埋まります。』
ペリカリノ「何その災害!?」
すでに紙の山が巨大な津波みたいになっていた。
ジェントル「まずいぜ!!」
ネコさん「埋まるにゃ!!」
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「パンじゃねえ!!」
白井キャプテンだけが目を輝かせた。
白井キャプテン「なるほど。」
ペリカリノ「嫌な予感しかしねえ!!」
白井キャプテン「燃やそう。」
ペリカリノ「それだァァァァァ!!!!」
タルト『駄目です。』
ペリカリノ「なんで!?」
タルト『重要記録です。』
ペリカリノ「じゃあどうすんだ!!」
タルト『圧縮します。』
ペリカリノ「できるのか!?」
タルト『できます。』
白井キャプテン「どうやる。」
タルト『簡単です。』
ペリカリノ「お前まで雑になってきたな。」
タルト『重力で潰します。』
ペリカリノ「なるほど。」
数秒後。
ペリカリノ「いやなるほどじゃねえ!!」
重力核
『それなら可能だ。』
ブオオオオオ!!
紙の山が集まり始める。
グシャアアアアア!!
バキバキバキ!!
ジェントル「おおおおお!!」
ネコさん「小さくなったにゃ!」
数百万トンの紙が。
最終的に。
手のひらサイズになった。
ペリカリノ「すげえ。」
タルト『三千年分の日報です。』
ペリカリノ「小説より長そう。」
その時。
更新率が表示された。
【0.0000002%】
一同
「増えてねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
重力核
『あと百七十二年。』
ペリカリノ「絶望しかねえ!!」
白井キャプテンは腕を組んだ。
そして。
ニヤリと笑った。
白井キャプテン「なら百七十二年を短くする。」
ペリカリノ「どうやって?」
白井キャプテン「時間を圧縮する。」
ペリカリノ「待て。」
白井キャプテン「時間を重力で曲げる。」
ペリカリノ「待て。」
白井キャプテン「重力核を重力核で押す。」
ペリカリノ「待て。」
白井キャプテン「重力で重力を重力する。」
ペリカリノ「説明が全部重力になったァァァァァァァァ!!!!!」
すると。
重力核が静かに言った。
重力核
『……それ。』
白井キャプテン「ん?」
重力核
『できる。』
一同
「できるのォォォォォォォォォォォ!?!?」
重力核
『理論上。』
ペリカリノ「嫌な言葉来たァァァ!!」
白井キャプテン「理論上なら十分だ。」
ペリカリノ「お前のその前向きさ怖いよ!!」
タルト『計算開始。』
ピピピピピピ……
タルト『成功率三十八パーセント。』
ペリカリノ「低ッ!!」
タルト『失敗した場合。』
ペリカリノ「うん。」
タルト『重力核が巨大なパンになります。』
ネクタイ「!!!!!」
ペリカリノ「なんでそのルートがあるんだよ!!」
タルト『分かりません。』
白井キャプテン「よしやろう。」
ペリカリノ「やるなァァァ!!」
しかし。
他に方法はなかった。
重力核
『準備完了。』
白井キャプテン「ペリカリノ。」
ペリカリノ「なんだ。」
白井キャプテン「雷。」
ペリカリノ「また俺かよ!」
白井キャプテン「ジェントル。」
ジェントル「おう!!」
白井キャプテン「走れ。」
ジェントル「ガンダァァァ!!」
白井キャプテン「ネクタイ。」
ネクタイ「パン。」
白井キャプテン「パン。」
ネクタイ「任せろ。」
ペリカリノ「何を任せたんだよ。」
ネコさん「みんな怪我しないようにするにゃ~。」
タルト『作戦開始。』
その瞬間。
ジェントルが重力核の周囲を超高速で走り始めた。
シュババババババババ!!!
シュババババババババ!!!
シュババババババババ!!!
ペリカリノ「速すぎて輪にしか見えねえ!!」
重力核の周囲に重力の渦が発生する。
白井キャプテン「今だ!」
ペリカリノ「うおおおおおおお!!」
バリバリバリバリバリ!!!
最大級の雷撃。
重力核へ直撃。
重力核
『おおおおおおおお。』
白井キャプテン「ネクタイ!」
ネクタイ「パン。」
ネクタイがパンを掲げる。
ペリカリノ「だから何なんだよそのパン!!」
重力核
『なんか元気出た。』
ペリカリノ「精神論だったァァァァァ!!!」
そして。
重力核が。
まばゆい光を放った。
ゴォォォォォォォォォォ!!!
【更新率】
0.0000002%
↓
15%
↓
48%
↓
92%
↓
100%
一同
「速ェェェェェェェェェェ!!!!!!」
重力核
『更新完了。』
ペリカリノ「終わったァァァ!!」
次の瞬間。
惑星全体の揺れが止まる。
歪んでいた空間が元に戻る。
飛んでいた建物も。
飛んでいた車も。
飛んでいた住民も。
元の場所へ着地した。
シーン……
タルト『重力安定。』
ネコさん「治ったにゃ~。」
ジェントル「やったぜェェェ!!」
住民達の歓声が地下まで響いてきた。
重力核
『ありがとう。』
白井キャプテン「気にするな。」
重力核
『今後は百年ごとに点検してほしい。』
ペリカリノ「それはそう。」
重力核
『あとパンも。』
ネクタイ「いいだろう。」
重力核
『やった。』
ペリカリノ「仲良くなってる……。」
数時間後。
宇宙船。
住民達に見送られながら離陸する。
ジェントル「いい星だったな!」
ネコさん「みんな元気になってよかったにゃ。」
ネクタイ「パン文化も優秀だった。」
ペリカリノ「そこ見てたのか。」
タルト『惑星リバースⅢ、正常化確認。』
白井キャプテン「次の星へ行くぞ!!」
ペリカリノ「次は普通の星がいい。」
タルト『次の惑星を発見しました。』
白井キャプテン「どんな星だ!?」
タルト『住民全員が語尾に「パン」を付けています。』
沈黙。
ネクタイだけが立ち上がった。
ネクタイ「行くぞ。」
ペリカリノ
「絶対嫌な予感しかしねえェェェェェェェェ!!!!!」
―完―




