頭の中がパンでパンパンでパンパンパーン!
白井キャプテン「ソウだヨォォォォォォ!!!!!!」
ジェントル「ガンダで理解したぜェェェェェ!!!」
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「何をどう理解したんだよ。」
ネコさん「元気でいいことだにゃ~。」
タルト『船内騒音レベルが通常の三倍になりました。』
ペリカリノ「原因が目の前にいるんだよ。」
白井キャプテン「ペリカリノォォォ!!!」
ペリカリノ「なんだよ。」
白井キャプテン「宇宙で一番大事なものは何だァァァ!!!」
ペリカリノ「知るか。」
ジェントル「気合いだぜ!!!」
ネクタイ「パン。」
ネコさん「健康だにゃ。」
タルト『情報です。』
白井キャプテン「全部違ァァァァァう!!!!!」
ペリカリノ「じゃあ何なんだよ。」
白井キャプテン「面白そうかどうかだァァァァァァ!!!!!!」
ジェントル「それだぜェェェェェェ!!!!」
ペリカリノ「絶対違う。」
タルト『なお過去の航海記録を参照すると、その判断基準で船が爆発しかけた回数は七十八回です。』
ペリカリノ「ほら見ろ。」
白井キャプテン「たった七十八回か!!!」
ペリカリノ「多いんだよ!!!!!」
ネクタイ「パンを焦がした回数より多い。」
ペリカリノ「お前の比較基準どうなってんだ。」
その瞬間。
タルト『おや。』
ネコさん「どうしたにゃ?」
タルト『現在、船の第三倉庫で謎の生命反応を検知しました。』
全員「え?」
ペリカリノ「乗組員全員ここにいるよな?」
タルト『はい。』
ジェントル「じゃあ誰なんだ!?」
タルト『不明です。』
白井キャプテン「いいぞォォォォォ!!!!!!」
ペリカリノ「だからなんで喜ぶんだよ!!!!!」
白井キャプテン「宇宙船の倉庫に正体不明の生命体!!!」
白井キャプテン「最高じゃねえかァァァァァァ!!!!!!」
ジェントル「ガンダで見に行くぜェェェェェ!!!!」
ネクタイ「面倒だから結果だけ教えて。」
ペリカリノ「お前も来い!!!!!」
タルト『ちなみに生命反応は現在――』
タルト『パンを食べています。』
ネクタイ「!?」
ネクタイが初めて立ち上がった。
ネクタイ「……今なんつった。」
タルト『パンを食べています。』
ネクタイ「誰の。」
タルト『ネクタイさん専用非常食パン備蓄庫のパンです。』
ネクタイ「。」
ペリカリノ「あ、終わった。」
ジェントル「ネクタイが怒ってるぜ!」
ネコさん「珍しいにゃ~。」
白井キャプテン「前回怒ったのはいつだったかなァ!!!」
タルト『二年前です。パンの形をした隕石を誰かが食べた時です。』
ネクタイ「行く。」
ペリカリノ「うおっ。」
ジェントル「おお!歩いた!」
ネクタイ「行く。」
ペリカリノ「二回言った。」
ネクタイ「行く。」
白井キャプテン「三回言ったァァァァァ!!!!」
ネクタイ「犯人を見つける。」
ペリカリノ「ガチだ。」
ジェントル「ガンダで行くぜェェェェェ!!!!」
白井キャプテン「突撃ィィィィィ!!!!」
ネコさん「待つにゃ~。」
ペリカリノ「待てって!」
しかしもう遅い。
白井キャプテンとジェントルは走り出した。
ジェントルは音速。
白井キャプテンは意味不明。
ペリカリノ「意味不明ってなんだよ!」
タルト『説明不能です。』
第三倉庫。
ガシャーン!!!
白井キャプテン「到着だァァァァァァ!!!!」
ジェントル「ガンダだぜェェェェェ!!!!」
扉が開く。
そこには――
大量のパン。
そしてその中央で。
もぐもぐ。
もぐもぐ。
何かが食べていた。
白い。
丸い。
パンみたいな見た目。
ペリカリノ「なんだあれ。」
ネコさん「生き物かにゃ?」
タルト『分析開始。』
ピピピピピ。
ピピピピピ。
タルト『種族名判明。』
白井キャプテン「おお!!!」
タルト『パン。』
全員「は?」
タルト『種族名、パン。』
ペリカリノ「種族名がパン!?」
タルト『はい。』
ジェントル「パンがパン食ってるぜ!」
ペリカリノ「ややこしいんだよ!」
白い生物が振り向く。
パン「パン。」
ネクタイ「パン。」
パン「パン。」
ネクタイ「パン。」
パン「パン。」
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「会話してる!?」
白井キャプテン「すげェェェェェェ!!!!」
ネコさん「意思疎通できてるにゃ。」
タルト『翻訳します。』
ペリカリノ「できるのかよ。」
タルト『今の会話を翻訳。』
全員が息を呑む。
タルト『パン。』
ペリカリノ「翻訳しろよ!!!!!」
パン「パンパン。」
ネクタイ「パン。」
パン「パン!」
ネクタイ「パン。」
パン「パンパーン。」
ネクタイ「……パン。」
ネクタイが頷いた。
ペリカリノ「何話してたんだよ。」
ネクタイ「こいつ。」
ジェントル「おう!」
ネクタイ「パン星から迷子になったらしい。」
全員「なんで分かったんだよ!!!!!」
白井キャプテン「ヨォォォォシ!!!!」
ジェントル「迷子なら送り届けるしかねぇぜェェェェェ!!!」
ペリカリノ「珍しくまともな流れになったな。」
ネコさん「おうちに帰してあげるにゃ~。」
パン「パン。」
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「だからなんで会話できるんだよ。」
タルト『パン星の座標を発見しました。』
白井キャプテン「早ァァァァァい!!!」
タルト『種族名がパンだったため検索が容易でした。』
ペリカリノ「そんな理由でいいのか。」
数時間後。
アホンダラ号はパン星へ到着した。
窓の外には――
見渡す限りのパン。
食パンの山。
フランスパンの塔。
クロワッサンの森。
ベーグルの湖。
ジェントル「パンだらけだぜ!!!」
ネコさん「いい匂いがするにゃ~。」
ペリカリノ「宇宙空間に匂いはねえだろ。」
白井キャプテン「ちなみにパン星はァァァ!!!」
ペリカリノ「始まった。」
白井キャプテン「約三千年前に小麦惑星と発酵惑星が衝突して誕生したァァァァァァ!!!」
ペリカリノ「またさらっと意味分かんねえ宇宙知識を。」
タルト『事実です。』
ペリカリノ「事実なのかよ。」
パン「パァァァン!!」
すると地表から大量のパン族が飛び出してきた。
パンパンパンパンパンパンパン!!
パン族たちは迷子だったパンを囲む。
パン「パン!」
パン族「パンパーン!!」
ネクタイ「良かったな。」
パン「パン。」
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「また会話してる。」
タルト『翻訳。』
全員「おっ。」
タルト『ありがとう。』
ジェントル「おお!」
タルト『ありがとう。』
ネコさん「優しい子だにゃ。」
タルト『ありがとう。』
ペリカリノ「全部ありがとうなのか?」
タルト『たぶん。』
ペリカリノ「たぶんかよ。」
その時。
パン族たちが何かを運んできた。
巨大だった。
とんでもなく巨大だった。
ネクタイ「……。」
ジェントル「どうした!?」
ネクタイ「……。」
ペリカリノ「喋れよ。」
ネクタイの目の前には、
直径五メートルの超巨大メロンパン。
ネコさん「お礼みたいだにゃ~。」
パン族「パンパァァァァン!!!」
白井キャプテン「受け取れェェェェェェ!!!!」
ネクタイ「……。」
ペリカリノ「固まってる。」
ネクタイ「生きてて良かった。」
ペリカリノ「そこまで!?」
ジェントル「良かったなぁ!!」
ネクタイ「うん。」
ペリカリノ「お前が『うん』って言うの初めて聞いたぞ。」
白井キャプテン「こうしてェェェェェェ!!!!」
白井キャプテン「迷子のパンは無事故郷へ帰ったのであったァァァァァァ!!!!」
ジェントル「めでたしだぜェェェェェ!!!」
ネコさん「めでたしにゃ~。」
タルト『任務完了です。』
ネクタイ「パン。」
ペリカリノ「結局それかよ。」
宇宙船アホンダラ号は、
巨大メロンパンを積み込みながら、
次の面白そうな宇宙へ向かうのだった――。
【おわり】(パンと宇宙船の絵文字)




