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完璧な君は僕には眩しい  作者: 夏の芽
体育祭編
13/16

◆誰もが信じる君

これは僕と彼女のたった一年間だけの恋の物語

何分寝たのだろうか、僕は目が覚める


上半身を起こし、辺りを見渡す

ふと、足に圧迫感を感じたため視線を向ける

そこには寝ている霧宮さんがいた

寝息を立て気持ちよさそうに寝ている

その顔にカーテン越しの太陽の光が当たり、まるで娘の寝顔を見ているような感覚になった

自然に微笑みが生まれる


時刻は13;30

あと30分程で午後の競技が始まる

(そろそろ霧宮さんを起こさないと)


僕は肩をたたき声をかける

「霧宮さん、そろそろ戻らないと」


「ん......もうそんな時間?」


「あと30分で始まるよ?」


霧宮さんは伸びをして立ち上がる

僕もそれに合わせてベッドから起き上がる


「もう動いて大丈夫?」


「うん、痛みも引いたから」


「そっか、じゃあ戻ろう」


僕たちは保健室を出た


そして待機テントへと戻る

一年生の選抜リレーが始まる直前だった

「お!明登大丈夫か?」


「うん。大丈夫」

ピストルの音が鳴り響く

一年生のリレーが始まった

選抜リレーであるため、最初から最後まで勝敗がわからない白熱したレースだった


次は二年生のリレー、霧宮さんの出番だ

霧宮さんはアンカーの手前で走るらしい


ピストルの音が鳴り響く


第一走者

どこのクラスも早く、遅れを取る者はいない

そのままバトンが受け継がれる、段々と順位が確定してゆく

そのまま抜いて抜かれて、走って。走って。


霧宮さんにバトンが渡る直前、コーナーで大きな接触があった

その接触で三人の足が絡まり地面と激しくぶつかる


すぐさま立ち上がるが、二組は最下位

そして、そのバトンは霧宮さんに渡った


「頑張って霧宮さん!」


「頑張れ霧宮!!」


会場から白熱した応援が飛び交う

霧宮さんはぐんぐんと加速してゆく、一人を抜き、また一人を抜く

そしてアンカーに託す


ゴールテープを切った

二組は二位、終盤で最下位だったと考えるとものすごい追い上げだ

「すごいよ霧宮さん!」


「かっこよかったぞ!霧宮!!」


「私じゃなくて、最後まであきらめなかったみんながすごいんだよ」

その余韻のまま、全員リレーが始まる


僕はアンカー”ゆう”の一個前、霧宮さんは中盤、”こうやん”は第二走者だ

ピストルの音が響く

第一走者は駆ける、第二走者に渡った

二組は四位

”こうやん”は五位のクラスと拮抗し、抜いて抜かれてを繰り返している

「高矢!生徒会長の見せどころだぁ!!走れ!!」

”ゆう”の声が反対側にいる僕にすら届く


「頑張って!”こうやん”」

順位は変わらずバトンが渡される

その後も絡まりあう糸のように順位は激しく変動する

バトンが霧宮さんにわたる

一人、一人を確実追い越し一位に躍り出る

言葉が出ない、君はなぜこんなにも頼もしいのだ

一位のままバトンは渡される、レースは終盤になる

(そろそろだ.......いろいろと不安要素はある...でも自分を信じるしかない)

リレーなんてただ走るだけ、それでもそれ以上の緊張が()し掛かる

僕はレーンに出る、一位のままクラスメイトが走って来る

「都田!頼んだ!」


僕は助走を付け、走り出す

大丈夫、まだ......


走る、走る、


コーナーに差し掛かるその瞬間

横腹から激痛が走る.......不安が的中してしまった


南雲からの蹴りと、さっきまでの睡眠で体が完全に起きていなかった

痛い。体がまだ動いてはいけないと訴える


それでも、走らなければならない

無理をしてでも走り切らないと、みんな僕を庇ってくれたのだ

それに遅くまで考えてくれた霧宮さんに申し訳ない


だから走る、後ろからの足音が大きくなる

そして


追い抜かれた

周囲からの歓声が上がる

(まだ、走らないと、負けるのは嫌だ)

また一人に抜かされる


急に視野が狭まる


あの時と一緒、結局僕のせいで負けるのだ

やっぱり僕はどこまで行っても中途半端、ごめん、みんな


「明登!走れ!!俺を信じろ!!」


”ゆう”の声が聞こえる

あぁ、頼もしい声だ

気分屋で、後先考えない馬鹿野郎だけど

誰もが信じる君は......僕には眩しい

”ゆう”は光を、進むべき方向を示してくれた

だったら、その光に向かって走るだけ、もう弱音は吐かない


動かない体に鞭を打つ

痛い

苦しい

止まりたい

投げ出したい


皆の期待に応えたい

悲しませたくない

あの眩しい僕に戻りたい

霧宮さんの笑顔が見たい


だから


走る、駆ける、加速する

そして、バトンを渡す


「ナイスラン!明登!」

”ゆう”は笑顔でそう言った


”ゆう”が駆け出す、早い

かつてあんなに必死な顔を見たことがあっただろうか

”ゆう”から笑顔は消え、真剣な眼差しになっている


そして、”ゆう”は一番にゴールテープを切った

誰もが信じる

信じて賭けてしまう君は

僕には眩しすぎる


霧宮さんは涙を浮かべて笑っている

”こうやん”は上を向いて感傷に浸っている

この光景が見れただけで、僕は心の底から嬉しかった


君達は、やっぱりいつも

僕には眩しい存在だ

ご一読感謝です!!!!

体育祭も無事に終わり、次からは地獄のテスト期間でございます

もう、はい、テストは嫌な思い出しかございませんが頑張っていきますよ~!

でも、次回は打ち上げですっ!

ではでは次回【◆いっぱい食べる君】にてお会いしましょう

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