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完璧な君は僕には眩しい  作者: 夏の芽
体育祭編
11/16

◆縁の下な君

これは僕と彼女のたった一年間だけの恋の物語

二学期が始まった、二学期と言えば様々な行事で溢れている期間だ

さっそく、9月初めの体育祭に向け競技の参加者を決めている


「では、どの競技に参加したいか、黒板に名前を書いてください」

司会の霧宮さんの合図でみんな一斉に黒板に名前を記入していく


(玉入れ、大縄跳び、騎馬戦にタイヤ取り、そして選抜リレーか。なるべく楽そうなものは.......)


「おう!明登!!競技どれにでるか決めたか?」


後ろから僕に肩を組んで”ゆう”が聞いてきた

「ん~、特に決まってないけど?”ゆう”は?」


「俺はタイヤ取りに行くわ!!明登、お前も来い!」


「おいおい、僕はそんなにフィジカル強くないぞ?」


「明登ならいけるさ!!じゃ書いてくる!」


「はぁ?って早いなおい」

クラスメイトをかき分け”ゆう”は瞬時に僕と自身の名前を書いて帰って来る


「でも、選抜リレーはいいの?」


「結局全員リレーがあるんだから、リレーは飽きた!」


(なんだよその理由、後でクラスメイトに怒られるやつだな)

”ゆう”はこの学校ではかなり足が速い方で、去年の選抜リレーなんかはアンカーで走っていた

それなのに飽きたからリレーには出ないと言うのは、かなり気分屋なのが伺える


「都田くん、谷崎さん、何に出るの?」

司会を終えた霧宮さんが話しかけてくる


「僕と”ゆう”はタイヤ取りに出ることになったよ」


「え、そうなの?谷崎さんは心配ないけど、都田くんケガしないでね?」


「が、頑張ります、死なないように」


「谷崎さんに誘われたんでしょ?だったら谷崎さん、しっかり責任を持って都田くんを守ってください」


「任せとけって!護衛はお手の物よ!」


少し時間が経ち、全員が書き終わった

細かな調整を経て競技参加者が決まった、因みに”こうやん”は騎馬戦に出るらしい

競技まで残り二日、部活等でケガをしないように部停期間になった

リレーに出る人はバトン渡しの練習を、騎馬戦組はバランスや息を合わせる練習

それぞれの練習に取り組む、僕も”ゆう”とタイヤ取りの練習、と言っても作戦会議程度だが行う

そして帰宅しようとしたが、水筒を忘れたことに気が付いた


(時刻 18;30)

この時間帯はもう下校時間だ、廊下には誰もいない

教室を覗くと、そこには頭を悩ませている霧宮さんがいた

「ん~、ここはこう?いやでも、これじゃここが」


「霧宮さん?なにしてるの?」


霧宮さんは聞こえていないのか返事がない


僕は霧宮さんの前の机に座る

そこで霧宮さんはやっと気が付いたのか、驚いた声を上あげた

「と、都田くん?びっくりした」


「すごく集中してたね、何してたの?」


「リレーの走順を考えてたの、選抜と全員どっちも」

霧宮さんは選抜リレーに立候補していたはずだ、おそらく頼まれたのだろう

霧宮さんの手元には、ノートが開いていた

中身はクラスメイトの50Mの記録と何回も書き直したのであろう走順が書き記されている


「すごい、こんな細かく」


「みんなに頼まれたから、ちゃんとやらないとね

都田くんはどう?タイヤ取り、大丈夫?」


「う~ん、やっぱり少し怖いけど、頑張ってみるよ」


「そっか、じゃあ応援しておくね」

霧宮さんは僕の手を握った

その手は、ほのかに暖かく汗ばんでいた


「で、都田くん忘れ物?教室に来たってことは」


「そうだった、水筒を忘れたんだ」


「じゃあ、気を付けて帰ってね」


「.........うん」

お別れを告げた霧宮さんの目が酷く震えているように感じた

まるで、帰らないでと訴えかけているように


もう少し霧宮さんと一緒にいたい

隣にいないと霧宮さんがいなくなってしましそうだったから


「.いや、やっぱりもう少しここにいるよ」


「そう?じゃあ、話し相手になってくれる?」

霧宮さんは嬉しそうに微笑んだ、まるで欲しかったプレゼントをもらった時みたいに

僕は霧宮さんの隣の席をくっつけ、横に座る

そのあとは本当に何の変哲もない会話が繰り広げられた


外からは学生の帰宅する声が聞こえる。空が濃く茜色に染まってゆく。


「あの恋愛小説の続編がでたんだって」

「それは初耳だ、また見てみようかな」

「今度はネタバレしないようにするね.....」


ペンが走る。心地の良い音が響く。秒針が進む音が聞こえる


「霧宮さんって体育祭好き?」

「ん~、好き....かな....昔の事を想い出せて」

「昔に何かあったの?」

「いろいろとね?あったんだ~」


風が吹く。カーテンが靡く。君の髪が揺れる。花のいい香りが漂う。


「都田くん、走るのって好き?」

「ん~、小学生の時は好きだったけど、今はつらいって感情が強いかな」

「そっか,,,,そうだよね....でも、都田くんの走ってる姿かっこいいよ」

「そう?それは嬉しいな」


烏の鳴き声が響く。空は綺麗な茜色が段々と暗くなる。僕と君の、話し声だけが聞こえる。


「遊んだ日楽しかったね、また行かない?”ゆう”と”こうやん”も誘って」

「もちろん、喜んで........あ、でも谷崎さんを迷子にさせないようにしないと」

「あはは、そんなこともあったね

確か帰り際、隣町行のバスに乗ったんだっけ?」

「それで都田くんに電話が来て泣きながら助けを求めてたね」


一緒に笑う。ずっと、ずっと。この時間がずっと続くと信じて。でも時計の針は進んでゆく


「夏祭り,,,,,楽しかったね,,,,また()()()()()()なぁ、都田くんと」

「何言ってるの?また行けばいいじゃん」

「.....そうだね、()(),,,,,だよ?」

「うん、()()だ」

僕は小指を向ける、霧宮さんも向けてくれた

指が組みひものように絡まる、少し恥ずかしい

(中学生にもなって指切りか、でも,,,悪いもんじゃないな)

君は笑った、無邪気な子供みたいに

どこか見覚えのある笑顔、どこか聞き覚えのある【約束】と言う単語

記憶の底に封じ込めた、あの子の笑顔

あの子も君も、今じゃ僕にとって

直視できぬほど、眩しすぎる


「できた」

そう言って霧宮さんはペンを置く


「それじゃ、僕は帰るね.........また明日!」


「うん、また明日」

ご一読感謝です!!!!

中学校でタイヤ取りがあったのですが、外国の子と対面して引きずられたのはいい思い出です、、

皆様も体育祭になにか思い出がありますか???

まぁ、僕は行事に関しては当日よりも準備の方が楽しかった民なので、本番はのらりくらりとやっておりました!

さてさて、ではまた次回!

【◆ずるい君】にて再開を果たしましょう!!

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