表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完璧な君は僕には眩しい  作者: 夏の芽
第二章-夏休み編-
10/16

◆今も頑張り屋さんな君

これは僕と彼女のたった一年間だけの恋の物語

私は、どんなときも一番だった

他の人よりも才能がなかった私は、死ぬ気で努力してきた

たぶん、努力という才能が私にはあったんだと思う


小学低学年のとき、私はみんなの憧れでだった

私は、誇らしかった、努力が報われて、今までやってきたことは間違ってなかったのだと


でも、時間が経つにつれて、私の完璧は特別ではなく、普通になった

私が完璧なのは常識で普遍、学年が上がるにつれて、私はみんなの憧れではなくなった


みんなは言う

才能があって羨ましい

できない人のことなんてわからない

努力なんてしなくても完璧なんだろうな


その言葉たちが、私は本当に嫌いだった

みんな私の努力を知らない

私に才能なんてもの存在しないのに


だから私はもっと努力した、悔しかったのだ

もっと努力していたら、いつか私の努力に気づく人が現れるかもしれない

その日まで、ずっと。ずっと。



小学4年生の春のマラソン大会

私は二位だった

初めてだった、全力を出して負けたのは

私は泣いていた、一番じゃない、完璧じゃなくなった、

完璧でない私はなんのアイデンティティもない


でも、すぐに理解した

一位の子をよく見ると、膝や手のひらのかさぶたに、小学生らしからぬしっかりした筋肉

これまで散々努力してきた私にはわかる、多分、想像を絶する程のトレーニングをしてきたのだろう

一位に、なるべくしてなったのだ

その子は泣いている私に手を差し伸べた


「なんで泣いてるの?ナイスランだったよ?」


その子は純粋に聞く

「二位だったから、完璧じゃないから......」


「じゃぁ、来年も勝負しようよ!僕、努力してる人大好きなんだ〜!」


いつか私の努力に気づく人

(そうか、この子なんだ、私の運命の人は)

この子のこともっと知りたい、せめて、名前だけでも


「ねぇ、名前は....?」


「僕?僕は都田 明登(とだ あきと)、さ!表彰台に行こ!」

彼は、私の手を強引に引っ張ると表彰台に立った

銀メダル、でも嬉しかった。

(都田くん....来年は絶対に勝ちたい、そして対等に話したい)


そこから私はトレーニングを積んだ、何度挫けそうになったことか

その度、あのときもらった銀メダルを握りしめて耐えた


一年後、私は一位になった。今までで一番笑顔になった気がする

私は表彰の後、都田くんを探した

(見つけた!)


「都田くん?だよね、今年は私が一位貰っていくから、また勝負しよ!」

そう言って私は小指を差し出した

無言だけど、都田くんも差し出してくれた


「約束だよ?言っとくけど、私も負ける気ないから」


都田くんは首を縦に振ってくれた

私は、嬉しかった、やっと対等に話ができると思ったから、来年もきっと話そう


でも、次の年、都田くんは見つからなかった

参加していたのかすらわからない

だから私は、いつ再会してもいいように

会った時、ちゃんとまっすぐあの人を見れるように

私は努力を続けた






中学生の入学式、クラスで自己紹介が始まった

少しぼーっとしながら聞いている

「都田明登です、一年間よろしくお願いします」


そう聞こえた、耳を疑った、視線を向ける

そこには、成長していたが、あの時と変わらない都田くんがいた

この中学校は小学校二校の進学先だ、おそらく都田くんはもう一方の学校出身なのだろう

運命だと思った、運命は私たちの味方をしてくれている、やっと話せる

放課後、廊下で都田くんに話しかける

「都田くん?」


「えっと、僕に何か用?一応都田だけど」

なんでこんなに初々しいんだろう、覚えてない...のかな

いや、きっとそれはない、約束したから


「都田くん.....私の事知ってる?」


「ごめん。今日が初めまして?だよね」

視界が真っ暗になる、私の今までは何だったのか、運命はなぜ私たちをめぐり合わせたのか

なにか、なにか言葉を発さなければ


「そっか....えっと、私は【霧宮 明野きりみや あきの】、これからよろしくね?」


「.....?よろしく」


泣きそうになった、と言うか、殆ど泣いていたはずだ

私は、その顔を見せないように笑った、そして逃げるように走った

「約束.....したのに」


帰宅した私は、飾ってある銀メダルを握りしめる

これまでの努力は何だったのだろうか、走る以外にも、

あの子に気に入られたくて、可愛い自分を見せようと、雑誌を読んだりおしゃれしたり、沢山努力した

忘れられた、たったそれだけで、その日のメンタルは尽きた

きっと、印象がなかったからだ

だったら

(忘れられてるんだったら、一生記憶に残してやる)

この日の覚悟を忘れたことはない



**********************************

(時刻 5;20)

アラームが朝を告げる

私は起き上がり、顔を洗い、髪を整えヘアピンを留める

制服に着替え、朝食を取る

時計は6;00を指していた

私は飾ってある銀メダルを優しく撫でる、このメダルが私をいつも奮い立たせてくれる

「いってきます..いってきます....いってきます」

三回そう告げる

何かの本で、家から出るとき「いってきます」を3回言うと願いが叶う

といった少し胡散臭い話を聞いた私は、藁にもすがる思いで一年半ほど続けている


学校までは徒歩30分ほど

すこし薄明るい、物静かな通学路を進んでいく

車がぶつかったのか、少し歪んでいるガードレール

民家の塀の上で気持ちよさそうに伸びをする猫

いつも同じ電線にいる烏

いつも何も変わらない通学路


(時刻 6;38)

教室には誰もいない

席に着き、突っ伏する

朝、昔の夢を見た。でも、今は楽しい、だって、都田くんと話せるから

でも、都田くんから目を合わせてくれたことはあまりない、それだけさみしいけど


「おはよ、霧宮さん」


都田くんかな、でもまだねむい.....

「ん.......あと3ふん....」


「霧宮さ~ん、そろそろ起きないと、悪戯しちゃいますよ~」


悪戯、かぁ、でも構ってくれるならそれはそれで、私は嬉しい

でも時間が経っても、何もしてこない


「してくれないの?」


(変なこと言っちゃったな.....でも、都田くんが悪いんだから)


肩をつつかれる、少しくすぐったい

肩を揺さぶられる、まだ寝ていたいのに

(もう、何があっても知~らない)

私は揺さぶっている手を思いっきり掴むと、それを抱き寄せ枕にする

(.....私の腕よりも、もっと大っきい......あったかい.....心地いいなぁ)


もう少しだけ、このままでいたい


時間が許す限り


お願いします、時間くん、少しその歩みを止めて欲しいな


この優しさと心地よさしさを私はもっと、ずっと、そばで


噛みしめていたい....


もう、長くはないから


(でも、そろそろ起きないと)

「ん.....ん~。ん?」


「あ、起きた、おはよ、霧宮さん、よく眠れた?」


「ふぁ~はぁ、おはよ、都田く....ん」

(今更だけど、なにしてるの⁉私!絶対変な人だって思われた)


「ご、ごめん。重かったでしょ、起こしてくれたらよかったのに」


「いや、なんか、あまりにもよく寝てたから、起こすのも申し訳ないって思ってね」


「ちょ、ちょっとお手洗いに行ってくるね」

私は急いで教室を出る


トイレで鏡を覗くと、酷く赤面している自分がいた

顔を洗い、冷静になる


そして、都田くんの腕の感覚を思い出す、去年見た時よりも筋肉質になっていた

野球、頑張ってるんだ

やっぱり、頑張り屋さんだ、都田くんは


私は教室に戻り席に着く

都田くんと目が合う、まっすぐな目でこっちを見てくれる、あのマラソン以来な気がする

都田くんから目を合わせてくれるのは、やっと、目を合わせてくれた


()()()顔合わせてくれた」


「やっと?」


「やっと.....だっていっつも私の席の前に来ると目合わせてくれないじゃん?」

やっと、私も、君の目の彩を知ったよ

やっぱり、君の目はいつでも、私には優しすぎる

もったいないくらいに


「.......何度でもいうけど、教室でイチャイチャするか?普通」


谷崎さんがいつの間にか席に着きこちらを眺めている


「だ!か!ら!なんでそんなに気配を消すのがうまいんだよ!」


「ちなみに僕もいるよ、二人とも」


前の方に松原さんが座り、頬杖をついてこちらを見ていた


「”こうやん”まで⁉」


私は、笑みが零れる、あぁ、やっぱりみんな、私には優しすぎる

ありがとう、私に出会ってくれて、ありがとう、君達が君達でいてくれて

「谷崎さん?松原さん?覚悟はできてるよね?」


「いわんこっちゃない」


「ま、待ってくれ!霧宮!僕ら生徒会で早く来ただけなんだ!わかるだろ?頼むって」


「霧宮くん、落ち着いてくれ、これは不可抗力だ......明登!頼む!止めてくれ」


「二人とも、ごめんね、尊き犠牲は必要なんだ」


「薄情者!」


と二人の声が同時に聞こえる


「まて!霧宮、学級委員が暴力はよそう」


前は、それでやめちゃったけど、少しくらい、悪い子になろう

だって私は完璧じゃなくてもいいんだから

「今はそんな事関係ありません、一生徒として、覗き見た罰です」


今は、この日々を大切に、心の奥にしまっていよう

もう、長くはないから

ご一読感謝です!!!!

さてさて、少しずつ二人の馴れ初めが見えてきましたね!今回は主観霧宮でお送りいたしましたがどうでしょうか、好評であればこれからもちょっとずつやっていこうかなと思います!!

さて、読者の皆様、日常って素敵だと思いませんか?僕はこの日常という言葉について国語の授業で語りだすくらい好きなのですが、日常といえば、不変でずっと続くもの、続かないのは漫画の世界だけ、そう感じている方もいるでしょう

綺麗ごとのように感じるかもしれませんが、日常の一日一日はどれも非日常だと、僕は感じます

全く同じ日が存在しますか?全く同じ行動をとって、全く同じ言動で、全く同じ関係性のまま

そんな事はないはずです、そんな何も変わらない日常だったら、それは生命ではなく機械です

人間は、非日常を求めますが、そもそも非日常ではない日は存在していないと思うんです、

と僕は国語の授業で熱く語りました、まぁ言いたいことはこの日々に感謝して、一分一秒を噛みしめていきましょうと言うことです、

さてさて、過去編はとりあえずここまで、ここからは

【第三章ー学校行事編】 へと移ってゆきます

秋の体育祭に文化祭、はたまたみんなの絶望テストまで、二学期は色々なことがありますからね!

これからも、完璧な君と中途半端な僕をよろしくお願いします!!!

では、また次回【◆縁の下な君】にてお会いしましょう!!!!!またね~!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ