第7章 初潜入
5月末、部室で会議が開かれた。
「さて、5月ももうすぐ終わりですね。6月は雨が降る日が多いので外で特訓があまりできません。でも、君達は十分強くなったと思います。
よって、そろそろ旧校舎に潜入したいと思います」
はあ!?何か早くないか。
「とはいっても、旧校舎の地下はとても深いと思われます。内部調査もかねて少しだけしか進むつもりがありません」
「別に良いと思いますよ、俺は。今後の参考にもなるし」
都山は賛成のようだ。
「私も賛成です!旧校舎がどうなっているか知りたいし」
まあ、天宮さんはそう言うだろう。
「坂上君はどうです?」
神崎部長が僕に尋ねてきた。皆やる気なのに断れるわけがないでしょう!
「ぼ、僕は、あまり奥深くに進まなければ良いと思います…」
「じゃあ、決まりです!来月の6月6日の日曜日に旧校舎に潜入しましょう!」
神崎部長は楽しそうに言った。
「旧校舎からどのようなデータが取れるか、期待していますよ」
書記の吉村情報担当は何がしたいのか分からない…
「強い敵がいたら面白そうだな」
武内隊長、強い敵がいたら、運が悪ければ死んでしまいますよ!
僕はまだ死にたくないです!
「どうしよう…」
「心配するな。様子見だといっているだろう」
「そうだよ。心配いらないよ。あれだけ特訓したんだし」
「そうだといいんだけど…」
いくら特訓を重ねたといっても、不安は拭い切れない。
「大丈夫だよ、坂上君」
天宮さんが励ましてくれた。
「そうだよね…。やってみないとわからないよな…」
何だかやる気が出てきた。
「よし、やってやるぞ!」
6月6日の日曜日、桐浪学園のはずれにある旧校舎に来た。
まさに旧校舎という風貌だ。
「さて、皆さん。今日はあくまで様子見ということですので無茶はしないでください」
神崎部長がいった。
「危険だと思ったら、すぐに退避するぞ」
武内隊長が指示した。もとよりそのつもりです。
「では、行きましょうか」
そうして、旧校舎の中へと僕達は入っていった。
「地下へは、この本棚の後ろから行けます」
神崎部長が本棚を動かすと、そこには階段があった。
これはまた古典的な仕掛けだな。
「早速入ってみましょう」
神崎部長が先に入っていった。
階段を下りると、扉があった。地下1階と書かれてある。
「ここからか…」
ここを入ると敵が出てくるだろう。正直怖い。
「皆さん、覚悟はいいですか?」
「俺はいつでもいいぜ」
「私も大丈夫だよ」
都山と天宮さんは落ち着いているようだ。
「僕も準備はできています…」
今更引き返せない。
「では、調査開始です」
そうして地下1階の調査が始まった。
「これはまた本格的だな」
武内隊長があたりを見渡して言った。
「しかし、それほど広くはないようです」
まさに迷宮だった。いつの間にこんなものを作ったのだろうか。
「少し進んでみましょう」
「思ったより単純な構造のようですね」
吉村情報担当が言った。
確かに、曲がったりするものの、ずっと1本道だ。敵とはまだ出くわしていない。
突然、神崎部長が立ち止まった。
「皆さん、どうやらお出ましのようです」
扉の前に、獣の形をした機械がいた。どうやら、これを倒さないと次に進めないようだ。
「1匹だけか…」
都山は銃を取り出した。
天宮さんもナイフを手に持っている。
「私が倒したいな」
僕も刀を抜いた。こんなところで焦っていてはいけない。
「来るぞ!」
武内隊長が叫んだ。
機械獣が飛び掛ってきた。
都山は避けると同時に1発、機械獣に撃った。
そのすぐ後、天宮さんがナイフを機械獣に鮮やかに刺した。
機械獣が怯んだ。
その隙に僕は機械獣を一刀両断した。
そして、機械獣は動かなくなった。
「お見事です。やりましたね!」
神崎部長たちが拍手してくれた。
「ちっ、まさか坂上に手柄を渡すとはな…」
都山が不満そうに言った。手柄はどうでもいいだろ。倒すか倒されるかの状況なんだから。
「やったね、坂上君」
天宮さんは嬉しそうだ。ここで喜べるのがすごい。
こんなものがいっぱい出てきたら命がいくつあっても足りないだろう。不安でいっぱいだ。
その少し後、扉から音がした。
「扉のロックが解除されたようです。どうやら、フロアの敵を全て倒せば開く仕組みになっているようです」
吉村情報担当が説明した。
「分かりました。それさえ分かれば十分です。引き返しましょう」
「もう少し進んでみませんか?」
都山が尋ねた。
「いいえ、何があるか分かりませんから戻りましょう。情報を整理したいですし」
神崎部長は提案を退けた。僕だって御免だ。
そうして旧校舎の初潜入が終わった。
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