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第8章 虚偽

初潜入から1週間経った。

相変わらずの雨で特訓も最近はないし、気分も沈む。

「何か楽しいことないかな…」

放課後何かしようとも、雨では何もできない。

都山は都山で、

「俺は忙しい」

と言って相手にしてくれない。

「何が忙しいんだ、あいつは?」




次の日、都山がいきなり話しかけてきた。

「坂上、あの人は嘘をついていた」

都山は唐突に切り出した。

「えっ?誰が?」

何を言っているのかが全く分からない。

「神崎部長だ」

神崎部長?あの人が何か嘘をついたか?

「神崎部長は俺達が入部した日、『旧校舎と神桐について徹底的に調べた』と言ったな?」

「ああ、言っていたよ」

「それが嘘だ」

都山が言い切った。何だって!?

「どうしてそれが嘘なんだよ!?」

「俺はこの学園に関する資料をあれからずっと全て調べていた。旧校舎の資料は何冊かあったが、『神桐』に関する資料は全くなかった。『神桐』に願いを叶える力があると知ることは不可能だ。

つまり、神崎部長は初めから知っていたことになる」

そ、そんなことって…。

「もしかしたら『神桐』がどんな願いを叶えるかも既に知っているかもしれない」

「でも、どうやって願いを叶える力があると知ったんだ?」

「それは分からない。でも1度神崎部長に聞いてみる必要があるな」




「神崎部長、ちょっとよろしいですか?」

部室に行くと、いきなり都山が神崎部長に尋ねた。

「どうしたんだい、都山君?」

「少し聞きたいことがあります」

「なんだい?」

「あなたは、『旧校舎と神桐について徹底的に調べた』と言いましたよね」

「ええ、確かに」

「そのことについての資料は全くありませんでしたよ」

「何が言いたいのです?」

「あなたは初めから『神桐』についての秘密を知っていましたね?」

「……」

「どうなんです?答えてください」

「確かに私は『神桐』の秘密を知っていました」

「では、教えてください。どこからその情報を手に入れたのです?」

「実は私の先祖があの木の持ち主だったのです…」

えっ、そんなことって…

「では、どのような願いを叶えるか知っていますか?」

「そこまでは知りません…。ただそういう力を持っていることだけは確かです…」

「どうして最初からそういってくれなかったのです?」

僕はどうしても気になった。

「なんとなく言いたくなかっただけです…」

「ちゃんと説明してください!」

「止めておけ、坂上」

「どうして止めるんだ、都山」

「人には言いたくないことがあるんだ」

くそっ、納得がいかない。

「私は『神桐』の秘密が知りたいのでこの部を立ち上げたのです。どうしても知りたいのですっ!」

神崎部長が声を荒げた。

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