第5章 合宿後の1日
合宿が終わり、一夜明けた日曜日、僕は町へ出かけた。
「合宿は終わったけど、明日からまた特訓か…」
正直、もう関わりたくない。でも、あんな秘密知ってしまった以上、途中で抜けることできないし、
何より都山と天宮さん2人だけにしたくない。都山に天宮さんを渡せるか!
でも、自分よりも都山のほうが魅力があるのは確かだ。
おそらく、天宮さんも都山のことが好きだろう。
僕は天宮さんにずっと何も言えないままでいる…
「何か気が重いなあ。食事でもするか」
そうして、すぐ近くの喫茶店に入った。
「はあ…」
さっきから、溜息しか出ない。なにせ、特訓のことと都山と天宮さんの関係が
頭から離れないからだ。
特訓のことはまだ良いとしても、天宮さんのことはどうにもできない。
それがもどかしかった。
「本人に聞けることじゃないよな…」
本心を聞けるものなら聞いてみたいが、聞くのが怖かった。
結果が見えているようで…
「仕方ない。今は忘れて目の前のことだけ考えよう」
それが一番だ。
席を立って出ようかと思ったその時、
「あれっ、坂上君じゃない?」
そこに現れたのは、天宮さんだった。
「どうしたの、こんなところで?」
「僕は暇だから町を歩いていたんだ、それで食事をしようと思って」
「私もそんなところだったの」
重い気持ちがなくなった、最高の瞬間だった。
「まあ、とりあえず座って話でもしよう」
「そうだね、ふふっ」
天宮さんは笑った。笑った顔は一番だ。
それから、1時間くらい合宿の話や今後のことについて話した。
「それじゃ、私はもうそろそろ帰るね」
天宮さんが席を離れようとした。
「あっ、ちょっと待って…」
僕は、天宮さんを引き止めた。
「…どうしたの?」
折角の機会だ。今ここで本心を聞くべきか?きっとこれからはこんな機会はないだろうでも…
「あ、明日からも頑張ろうね…」
「…うん。頑張ろう…」
そう言うと天宮さんは店を出て行った。
帰り道、風が強く吹いていた。雨が降りそうな空だった。
伝えられなかった…。やっぱり怖い。本心を聞くともう天宮さんと話せない気がする…。
結果は大体見えているんだ。しかも、天宮さんはそんなことで口を利いてくれなくなるような人じゃない。
なのに、なぜ、聞けないんだっ!?
もう少し自分に勇気があったらっ…
自分がたまらなく嫌になった。
「畜生、畜生っ!」
気がつくと雨が降っていた。
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