表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

第4章 春季合宿 (後編)

合宿3日目、1日の授業が終わったときには疲労が頂点に達していて、正直、会議には行きたくない、

とにかく体を休めたいと思っていた。そんな折、

「今日で合宿の半分が終了した。後半も気合を入れて臨んでほしい。しかし、気の緩みが出てきて、

就寝時間後に部屋で遊ぶやつも出てきているという。そこで、今日は昨日までよりも厳しく部屋を見回ることにした。

全員くれぐれも検挙されないように!」

岡本先生が釘をさした。まあ、普通はこうなるよな。問題はどうやって部屋を抜け出すかだ。





部屋に戻る間、部屋の人達にばれず、なおかつ、先生方に見つからずに会議の部屋に行く方法を考えてみたが、思い浮かばない。

もう都山に聞くしかないな。

部屋に戻ると、都山含めて部屋の全員が円形になっていた。

「おう、坂上。今から残り合宿2日の成功を祈って乾杯するつもりなんだ。おまえも早く来いよ」

佐伯が手招きした。

「だっ、誰がそんなことをしようと言ったんだ?」

「都山君だよ。彼、なかなか面白いことをするもんだね」

清水君、君まで…

「ほら、お前の分のジュースだ」

都山が注いでくれた。

「それじゃあ、合宿成功を祈って乾杯!」

「乾杯!」

都山はなぜこんなことをするんだ?気でもふれたのか?

その後10分くらい、都山の持ってきた菓子類をつまんだり、ジュースを飲んだりした。

「おっと、もうそろそろ就寝時間だ。ばれないうちにさっさと寝ようか」

そう言うと、都山は食べ物などを片付け始めた。他の皆も寝始めた。

「おい、都山。何がしたかったんだ?会議のことどうするつもりだよ」

「今から話す」

「今からここでか?皆に聞かれるだろ!しかも途中で誰かが目を覚まして、俺達がいなかったら大騒ぎになってしまうだろ!」

「その心配はない。今から5時間、今11時30分だから4時30分近くまで目を覚まさない。睡眠薬を俺達以外のコップに入れたから」

都山がそう言って睡眠薬を取り出した。なんてことをするやつだ、こいつは。

「ちなみに、天宮さんの部屋も同じことになっているだろう。俺がそうするように言っておいたから」

こいつは…。天宮さんになんてことを指示したんだっ!

「さて、時間が惜しい。さっさと手順を説明するぞ」

いつか絶対こいつを1発殴ってやろうと思った。




都山の説明はこうだった。まず12時過ぎから見回りが始まる。先生方は部屋に入って全員が寝ていることを確認すると、鍵をかけて

出て行く。1部屋1分という計算で、各フロア約20分ほどで終わるという計算だ。つまり、12時40分には完全に見回りが終わることになる。

後は、内側から鍵を解除して目的の場所に行くというわけだ。さすが理論屋。皆を寝かすところから全て、合宿前から計算づくか。

でも、皆には申し訳ないことをしたな…。謝るに謝れない。

「よし、先生もこの部屋を見たし、12時40分を過ぎた。行くぞ」

部屋の皆は熟睡だ。これは絶対に起きる気配がない。

「よし、行こう」

僕は覚悟を決めて部屋を出て会議が行われる部屋へと向かった。




都山の計画通り、廊下には誰一人としていなく、あっさりと目的の部屋までたどり着けた。

「よし、ここだな。入るぞ」

「天宮さんはもう来ているかな?」

「あいつのことだ。心配するな」

扉をノックして入ると、そこには天宮さんを含めて全員来ていた。

「あっ、都山君、坂上君。大丈夫だった?」

「天宮さん。早かったね」

都山の言うとおり、心配なかったようだ。

「ううん、今来たところだよ」

「これで全員そろいましたね。夜も遅いですし、早速会議を始めましょう」

もうすぐ1時だ。早く会議が終わって寝たいです、神崎部長。

「今回の議題は1回目の定期試験までの予定を作りたいと思います」

早いですね。それは、合宿明けでもいいと思うんですけど…

「まず、合宿が終わったら、引き続き特訓を行います。これは、定期試験の3週間前まで週5日、放課後3時間行う予定です。場所は以前と変わりません。

それ以外で何か意見がありますか?」

週5日も行われたら、自分の成績が下がってしまう。そうなれば、天宮さんと別クラスになりかねない。

ただでさえ、あまり勉強していないのに…

「神崎部長。できれば定期試験前の3週間、勉強会といったものを開いてくれませんか?」

おおっ、都山、ナイスフォロー!その3週間必死に勉強すれば何とかなるだろう。

「そうですね…。まあ、いいでしょう。私達も試験につまづいて、夏休みに補習に駆り出されたくありませんからね。分かりました、そうしましょうか」

これで試験は何とかなりそうだ。でも、都山がそんなことを言い出すなんて、珍しいな。都山も不安があるのか?

「もう1つ、提案があります。特訓は、月、火、木、金、土に行う、でどうでしょうか?」

「私もそう考えていたところです」

神崎部長が頷いた。僕もそれが1番いいと思う。

「それでは、他にありませんか?」

神崎部長は全員に尋ねた。僕は、これで十分だ。

「なければ、私達も寝たいので、これにて会議は終了です、お疲れ様」

こちらも早く休みたいです。




合宿4日目は散々だった。授業はほとんど寝てしまった。清水君は何度も起こしたと言ったけど、正直そんな実感はなかった。

「よほど疲れがたまっているんだね」

「俺達なんかすっきりしているぜ」

この2人は睡眠薬入りのジュースを飲んだからそうだろう。しかし、それは言えない。

「まあ、残り半日で合宿は終わりだし、もう少しだよ」

そう清水君は励ましてくれた。

そうだ、残り半日だし、その次の日は日曜だから休みだ。

「よし、あと一息だ」

僕は、気合を入れなおした。




合宿5日目、半日だけと分かっていたから、気分は楽だった。

「終わったー!」

前半3日間は集中して授業を受けていたから、結構勉強できたと思う。4日目は仕方ないな…

「さすが、桐浪学園の合宿。つらかったよな?」

「俺は結構楽な方だったと思うぜ?」

佐伯がそんな一言。寝てばかりのこいつの言うことはどうでもいい。

「そうだね。本当、疲れたよ」

清水君は多分、ずっと真面目に授業を受けていたんだろうな。

「まあ、何はともあれ、無事終わって良かったよ」

こうして、春季合宿は終わったのだった。

しかし、日曜日を明けると、週5日の特訓が待っているから、手放しに喜べない…

この小説の読んだ方にお願いします。

評価、一言などをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ