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(雀豪戦記・現代編)MJ-1 雀武帝杯  作者: ヒルキ 将


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8/10

第八話「撃破戦①東場の攻防」

萬子マンズ: 一二三四伍六七八九

筒子ピンズ: ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨

索子ソーズ: 123456789

字牌じはい: 東南西北白發中


東一局一本場 親:剛志 ドラ:白

剛志【勲章】3  進一郎【傷】1  忍【傷】1  龍之介【傷】1 交代

龍之介が小沢と交代した。


剛志の配牌:

西四六七233468②③⑥⑧ →西

「(! 何だコイツ!)」一輝が驚いた。

「(天和の後だ。剛志(コイツ)に対して攻めるか、守るかで、明暗が分かれるだ)」と、吉太郎は思った。

「(流石、天和を和了った後の配牌だ! 勢いがある)」恭次郎も驚いた。


進一郎の配牌:

一三伍5569①⑥➈西西白

(ポン)」進一郎が動いた。打①

「オイ、オイ、せっかちくん。第一打の親のオタ風切りに反応すんの?」小沢は冷やかしたが、狙いはわかっていた。

「(俺が、南家でもそうするね。ツイている親の自摸を頂けるんだ・・・。代わりに剛志は、北家の自摸を自模らされるんだ。それを、剛志(コイツ)が理解しているかどうかだ・・・)」


剛志:

六七八233468③③⑥⑧ 發→發

六七八233468③③⑥⑧ 一→一

六七八233468③③⑥⑧ ④→④


「(ニヤリ)」小沢が、進一郎の読みが的中したことを悟った。


進一郎:

一三伍5569⑥➈白 7→9 (ポン)西西西

一三伍5567⑥➈白 ⑤→➈ (ポン)西西西

一三伍5567⑤⑥白 5→一 (ポン)西西西

三伍55567⑤⑥白 ⑦→三 (ポン)西西西

伍55567⑤⑥⑦白 六→白 (ポン)西西西


「! (白の後付けじゃない! 聴牌った!)」小沢が気付いた。

伍六55567⑤⑥⑦ (ポン)西西西

「(あの配牌を聴牌に持って行った! ⑦も7も食い取った! 進一郎の勝ちだ!)」一輝が確信した。

「打七」忍が、自摸切りをした。

放銃(ロン)! 三色だけです」進一郎が和了(アガ)りきった。

「(和了点の大きさは関係ない。まず自分が勝ち抜けすることに意味がある)」恭次郎が思った。

「西を鳴かれて、調子が狂っちまったぜ~。忍ちゃん、カワイソウに・・・」剛志がボヤいた。そして、この一言が野暮だった。

「(その程度の認識か?)」進一郎がニヤけた。

「(コイツ、弱い!)」小沢が笑った。

「(さて、負けざまを見てやろう!)」一輝が、思った。

「(忍を早々に退場させて、卓内で傷をつけ合う作戦なんだ! 忍が戻ってきた頃は、全員が傷だらけになっている! だから、忍は負けずに済むんだ!)」龍之介が思った。


「忍は後半になれば連続で打てるから、少し休んでおくだ」吉太郎は忍を(ねぎら)った。

「ありがとう。いつもそうね・・・」忍は少しだけ、自分が場違いな気がした。

【勲章-傷】

剛志【3-0】 進一郎【2-1】 忍【0-2】  龍之介【0-1】 小沢【0-0】

忍が抜けて、恭次郎が入った。恭次郎と小沢の思惑は一致していた。

「(自摸和了(つもアガリ)!)」それは、何故であろうか。


東二局

親:進一郎  南:恭次郎  西:小沢  北:剛志

「自摸!」小沢が自摸ノミで、親を流した。進一郎が交代し、吉太郎が席に着いた。

剛志【3-1】 進一郎【2-3】 忍【0-2】  龍之介【0-1】 小沢【2-0】恭次郎【0-1】


東三局

親:恭次郎  南:小沢  西:剛志  北: 吉太郎

「自摸!」吉太郎が平和を自摸って、親を流した。恭次郎が交代し、一輝が席に着いた。

剛志【3-2】 進一郎【2-3】 忍【0-2】  龍之介【0-1】 小沢【2-1】恭次郎【0-3】 吉太郎【2-0】


東四局

親:小沢  南:剛志  西:吉太郎  北:一輝

「連続で打っているから疲れただろう。休ませてあげるよ」一輝が、剛志に言った。

「ん? 大丈夫だよ。ありがと~」剛志は、一輝の言葉の意味が分からなかった。

「(狙い撃ち宣言だよ)」

「(気づけよ!)」


剛志:

三三四四伍345③④⑤⑧⑧ 白→白

「ロンだ」一輝が低い声で言った。

「え? こんなクズ牌で和了出来んの? 役牌のみ?」剛志は動揺した。

「キミに天和に、敬意を表そう。そして、俺も役満の和了だ」

捨て牌は、

6伍伍3③2八2 だった。剛志は冷汗が出た。

「全然、他人の手を見ていないのか? 麻雀は自分一人で打っているのか?」

一九19①⑨東南西北白發中

「新入り相手に、悪いな・・・。国士無双だ」

「ぐっ!」剛志は、叫びたくなるのを必死にこらえた。

「へっ! 振っちまったぜ! みんなの弁当買ってきてやるよ」と、平静を装った。

「悪いな。お前、免許がないだろう。自転車しかないぞ」

「大丈夫だよ。ちょっと行ってくるよ」全員のメニューを聞いて、金を受け取って出かけて行った。


「一輝さん、少々キツ過ぎやしませんか? 新入り相手に役満直撃は?」龍之介が言った。

「これでアイツの負け様が見れる。麻雀が下手糞では、使い物にならん。悔しければ、強くなるだけだ」一輝は吐き捨てた。

「案外、金を持って逃げたかも知れんど」吉太郎が言った。

「それならそれで、エピソードとしては面白い」恭次郎が言った。

「馬鹿か、天才か、凡才か・・・」一輝はボソリと言った。

「威勢がいいだけだったかも知れないですね」進一郎が言った。

「(手ゴマが一つ減るのは、寂しいわね~)」と、忍は思った。

青葉山の頂上にある大学だった。自転車だと(ふもと)まで一時間以上かかる計算だったが、三十分も経たずに剛志は帰って来た。

「たっだいま~」

「随分、早いな。金持って逃げたかと思ったど」吉太郎が言った。

「誰も、逃げねえよ。順番が来たら、すぐに入るぜ!」

「お前、自転車なのに、よくこんなに早く帰ってこれたな~」小沢が聞いた。

「あぁ、タクシーで行って来た!」剛志は平然と言った。

「!」一同は驚いた。

「それが、どうかしたのか?」

「あぁ、馬鹿確定だ!」一輝が言った。

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