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超板金 山形ロボ ―ロボットがランドマークになった街で、怪異が目を覚ます―  作者: bobson3b


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085 2026年5月07日(木)_06 暴走の爪痕

星奈が、涙目のまま、

遅刻届を担任に差し出して、

その勢いのまま教室に転がり込む。


「つ、着いたぁぁぁぁ!!!!!!」


教室の空気が、ふっと緩む。


瑠羽が、椅子にだらっと座ったまま、口を尖らせる。

心愛も、すかさず乗る。


「おせーよー」

「サボりじゃね?」


星奈は気にも留めず、

席に座ると、Chromebookを開いて、

スタディサプリをポチポチ。


画面を数回タップして、

ぱん、と閉じる。


「……おわりっと」


陽葵が、目を丸くする。


「はやっ!

宿題終わすの、はやっ!」


星奈は、どや顔で、ふふん、と鼻を鳴らす。


心愛が、首をかしげる。


「てかさ、

病院終わったってLINE来てから、

めっちゃ時間かかってなかった?」


星奈が、椅子の背にもたれて、両手を広げる。


「それがさ、

そこかしこでパトカーがいきなり道路封鎖してて、

もう大渋滞!」


「ママと私、

車の中で、ブチギレですよ」


瑠羽が、身を乗り出す。


「事件?」

「撮影?」

「テロとか?」


陽葵が、腕を組んで首を振る。


「事故じゃね?」


星奈は、スマホを取り出して、

ショート動画をスクロールしながら言う。


「七日町周辺とか、もう何?

迂回する車で、地獄絵図」


画面をみんなにちらっと見せる。


「調べたら、

県庁のあたりから、大規模な交通規制だってさ」


指で、ぴっと止める。


「ほら。

これ、一瞬だけ映ってるんだけど――」


青白く輝く白い車らしき何かが、交差点を横向きに滑る写真。

路面が燃えている。


「爆走してる、謎の車しかも光ってる!」

「アホじゃね?ヤンキーだヤンキー!」

「……滅びろです」



陽葵が、真顔で、ぽつり。


「……あほだね」


チャイムが鳴って、

教室のざわめきが、

いつもの“授業前の音”に戻っていく。


陽葵もChromebookを開いた。


――


フードデリバリー用の大きなバッグを背負った男性は、

七日町付近で、突然、足止めされた。


「……なんでだよ!」


肩で息をしながら、警官に訴える。


「この先のビルに、届けるだけなんだよ!」


警官は、

無言で、首を横に振るだけ。

視線は、ずっと、通りの向こうを見ている。


次の瞬間。


鼻の奥に、

微かに、異臭が刺さった。


――キィィィン。


耳障りな、高周波。


そして。


青白い閃光が、

遠くの七日町大通りを、

一瞬、横切る。


直後。


――ドンッ!!


台風でも来たかのような、

凄まじい爆風が、

男性を、後ろへ吹き飛ばす。


「なに……!?」


歩道の柵につかまり、

必死に、体を支える。


「テロ……!?」


周囲から、

悲鳴と、シャッター音と、

誰かの叫び声。


しばらくして、

通行許可が、出た。


ふらつきながら、

ビルへ向かう。


その途中。


通り一帯に、

ツンとした、

鼻を突く匂い。


ゴムが焼けたような、

金属と、薬品が混ざった、

異様な臭気。


立ち止まって、

思わず、空を見上げる。


「……なに、あったんだよ……」



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