↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/36

銀の腕

島は長く、フィル・ヴォルグの手にあった。

ある年のベルテーンの日、島の西の山々に霧が降りた。霧の中から人影が現れた。トゥアハ・デ・ダナーンである。

彼らは北方の四つの都市の学を修め、四つの宝を携えていた。王を選ぶ石。誰の手にも捉えられぬ槍。必ず敵を斬る剣。尽きぬ食を生む大釜。


両者はモイトゥラの野で戦った。

戦いはトゥアハ・デ・ダナーンの勝利に終わった。ただし、王ヌアダはこの戦いで腕を失った。

身に欠けのある者は王でいられぬ。掟は王をも例外としなかった。ヌアダは腕を失ったその日から、王の座を降りねばならなかった。

医の神ディアン・ケヒトは銀の腕を作り、ヌアダにつけた。銀の腕は指を動かし、剣を握ることができた。だが、それは生身ではなかった。掟はそれを癒えたものとは認めなかった。ヌアダは銀の腕を持つ者として、王のいない席の傍らに立ち続けた。

空いた王位に就いたのはブレスであった。彼の父はフォモールの王であり、母はダナーンの女であった。二つの血を引く彼は、二つの民を結ぶ者になるはずであった。


だが、彼は吝嗇であった。首長たちを労役に駆り立て、宴の席では乳も肉も惜しんだ。詩人カイルプレはその家を訪れ、寒さと飢えの中で夜を明かした。翌朝、彼は最初の諷刺の詩を詠んだ。ブレスの顔は詩の言葉とともに腫れ物に覆われたと伝えられる。


同じ頃、ディアン・ケヒトの子ミアハがヌアダの銀の腕を外し、肉と血の腕をそこに戻した。父はこれを許さなかった。己の技を超える息子を、彼は刃で殺した。

ミアハの墓からは無数の薬草が生えた。それは人の病のすべてに応じる草であった。


ヌアダは王に返り咲いた。ブレスは島を去った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。