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フィル・ヴォルグ
フィル・ヴォルグは、ネヴェドの子孫であった。
かつて島を追われた者たちのうち、ギリシアへ渡った一族の末裔である。伝えによれば、彼らはギリシアで奴隷の身に落とされ、土や粘土を詰めた袋を運ぶ労役を課せられた。「袋の男たち」を意味するフィル・ヴォルグの名は、ここに由来するという(この由来には異説もある)。二百三十年ののち、彼らは袋の皮を舟に仕立て、ギリシアを逃れた。
イベリアを経て、彼らは島に帰り着いた。
一族を率いたのは、デラの子である五人の兄弟、スラーニェ、ガン、シェンガン、ゲナン、ルフルゲであった。彼らは無人であった島を、五つの地方に分けて分け合った。兄弟のうち、スラーニェが最初にタラの王座に就いたと伝えられる。以後、九代にわたる王が、タラを治めたという。
後年、王の一人エオヒド・マク・エルクの治世は、特に豊かであったと語られる。彼の公正な統治のもと、雨は露のごとく穏やかに降り、毎年豊かな実りが約束されたという。




