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タラの火
サウィンの夜ごと、タラの宮に一つの災いが訪れていた。
ミディナの子アイレンである。
彼は竪琴を奏で、聴く者を眠らせたのち、火を吐いて宮を焼いた。この災いは、幾年も続いていた。
フィンはタラへ赴いた。
彼は上王に申し出た。この災いを防ぐ代わりに、亡き父の座、フィアナの首領の座を己に与えよと。
彼は、フィアハ・マク・コンガから一本の槍を借りた。穂先には毒が塗られ、これを額に当てれば、竪琴の調べにも眠らずにいられるとされた。
サウィンの夜、アイレンは現れた。
竪琴の調べに、宮の者は皆眠りに落ちた。
フィンだけが、目を開けたままであった。
アイレンが火を吐こうとした瞬間、フィンは槍を放ち、これを討った。
約束は果たされた。
フィンは、フィアナの首領となった。
当時の首領ゴル・マク・モルナが、どのようにこの座を譲ったのか、伝えは一つに定まらない。即座に道を譲ったとも、後年になって和解したとも語られる。




