↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罪を被った僕が煉獄刑の果てに見るものは  作者: 津本ジオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/30

14. アタラ大佐の愉快な部下たち

キンジの怒りに恐れをなしたか、天使がふよふよと隠し通路に逃げていく。チキン天使め。

「壬皇(じんこう)! 説明なさい」

キンジに呼び止められて、空中でピタリと静止する天使。キンジ強い。

「まあまあ、キンジ。そいつも雰囲気に巻き込まれただけだよ。この謁見の間のせいだ」

さすがに、少し可哀そうな気がするので、このチョロ可愛い天使を庇(かば)う。

「フラッシュ、あなたが設計したんでしょ!」

おっと、こっちに飛び火してきたぞ。

「いいから早く行け」とゼスチャーで伝えると、天使の羽をバタつかせながら、猛烈な速さで飛び去っていった。おまえ、そんな速度で飛べたの?


「激おこキンジは置いといて、ブリーフィングの続きをしようか」

アタラ大佐に向き直る。謁見ごっこは終わりだ。

「申し訳ありません、壬皇近侍(じんこうきんじ)閣下。私が止めるべきでした」

僕には返事をせずに、キンジに謝っている。ごめん、アタラ大佐……。

「……もう。フラッシュ、あまりアタラちゃんを困らせないでよ」

キンジの怒りはおさまった模様。ナイス大佐。

「スマン。つい興(きょう)が乗ってしまって……」


「それで何のブリーフィングをしていたの?」

「ああ、アタラ大佐の配下に戦闘部隊がいるんだろ? 顔合わせくらいした方がいいと思ってさ」

「そうね。そろそろ四人の中隊長と会ってもいい頃合ね」

「分かりました。……今からでも大丈夫ですね。どこで会議をしますか?」

アタラ大佐が連絡を取ったようだ。僕のような脳内システムを持っているのかな?

「ハンガー脇のブリーフィングルームでいいんじゃない?」

「では、そのように。フラッシュ様、ご案内します」

「はいよ。よろしくね」


アタラ大佐が先頭に立ち、僕とキンジがついていく。

「キンジ、二足歩行とかできないの?」

ちょっと踏みそうで怖いのだ。こいつ、踏んだら絶対にキレる。

「ん? できるわよ」

オオサンショウウオが、よいしょと後ろ足を支点に立ち上がると、尻尾でバランスを取りながらペタペタと歩き始める。遅っ!

「遅いな……。もっとシャカシャカ歩くかと思った」

「股関節の構造がね。体をひねって歩くからこれ以上の速度は出ないのよ」

「やっぱ四足歩行でいいや。僕が踏まないように気をつければいいだけの話だし」

「え、踏めないわよ? 斥力フィールドを張ってるから。踏もうとしたら、あなたが転ぶだけよ」

何というロマン装備!


僕とキンジがふざけながら歩いているうちに、玉座に続く階段の横手にある、荘厳な意匠のドアを抜けて謁見の間から出ていた。この部屋、無駄に広いんだよな。

アタラ大佐が、謁見の間を出てすぐの壁に設置されているパネルに触れると、スライドして壁が開いた。中を覗くと十人は入れそうな小部屋になっている。

「何これ? エレベーター?」

「基幹通路の下に高速移動網が設置されてるの。これは乗員用の移動ポッドね。新設の1Gブロック全てが同じ構造になってるはずよ」


「へえー、どれくらいスピードが出るの?」

「んー、アタラちゃん分かる?」

「はい。最大速度は秒速六キロメートルくらいかと」

「めっちゃ速いじゃん!」

「全速でもセガンタを一周するのに三十分くらいかかるわよ。短距離移動用ね」

中枢構造体セガンタは戦略遊星エヴェラントに付き従う、造られた衛星だという。

速度と所要時間から、ざっと計算してみたが月とほぼ同じ大きさだ。月サイズの人工物か……。全く想像ができないな。


考え込んでいるうちに、あっという間にハンガー区画に到着した。

アタラ大佐が、ブリーフィングルームの扉の前に立つと無音で扉がスライドする。

中に四人いるな、奇妙な生き物たちが雑談しているように見える。

「アテンション(起立)!」

鳥っぽいのがキンジに気づいて号令をかける。

「そのまま」

アタラ大佐が静かに告げる。


固まったままの四人の中隊長たちを眺める。

キンジに気づいて声を上げた、細身のハシビロコウっぽい顔の生き物。

その向かいに座っているサイのような大きな角を持つ巨漢。

奥に座っているのは手足の生えたイルカ?

そして最後の一人は、サイの陰でよく見えないが、頭の上にぴょこんと立つ三角形の耳が見える。

獣人? 猫獣人なのか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。