もしも、モブではなく悪役令嬢だったなら
年末のご挨拶の際に書いた、IFの短い話です
頭をぶつけた瞬間、ヘリが落ちてゆく光景が脳裡に広がった。
そこから走馬灯のように様々な記憶が溢れる。
あ。
これはアレだ。
秘書子が言っていた“転生”だ。
―――前世の記憶を取り戻して、私はすぐに理解した。
見事な縦ロールの金髪、冴え冴えとしたアイスブルーの瞳。
アデリーン・フォン・エンデ(14)。
公爵家の令嬢で、王太子の婚約者。
いわゆる“悪役令嬢”というヤツに違いない、と。
さて、自分が悪役令嬢に転生したらしいとは分かったが……どうしたものか。
ストーリー通りというべきなのか、婚約者の王太子とはもう六年ほどの付き合いになるのに、いまだに互いの好きなものさえ知らないほどの仲である。顔だけやたら良くて中身はペラッペラが透けて見える男なので、前世を思い出す前から興味を持ったことはない。
このまま婚約破棄になるなら大歓迎だ。しかしその場合、私は処刑やら追放やらされるんだよな?
それはあまりに馬鹿馬鹿しくないか。
よし。
とりあえず、逆に王太子を追い落とす方法を考えよう。
ついでに、“女は子を産む道具”のようなこの世界の価値観は気に食わない。
……どうせなら革命を起こすか?
そして、三年後。
綿密に練られた大規模革命により、女王を戴く新たな王国が創建される―――。
>2023年12月29日活動報告より




