鳥の歌(ミチル視点)
総合評価3万pt超え記念
オイラの名前はミチル。鳥の"マジュー"だ。
よくわからないけど、オイラのようなマジューで名前を持っているのは、珍しいらしい。イヌがそう教えてくれた。いや、イヌじゃなくてオオカミって種族だったかな?
とりあえず、アスワドという名前の、ちょっと堅苦しくてマジメなオイラのアニキがそう教えてくれた。
で、マジューには珍しいっていう、"名前"をつけてくれたのは……リンって呼ばれているニンゲンだ。
正しくは、ゴシュジンさま。
言いにくいから、リンでいいんじゃないかと思うけど、そう言ったらめっちゃ怖い白ネコに怒られた。
白ネコは、すげー怖くてヤバいヤツだ。ちっちゃくて弱そうな見た目だし、オイラと比べるとオモチャみたいな爪しか持ってないのに、超怖い。にらまれたら、羽がぜんぶ抜けるんじゃないかっていうほど、ふるえてくる。
だから、ホントにダメなことなんだろう。
ダメなんだろうけど……ゴシュジンさまってやっぱり言いにくいから、オイラはこっそりリンのことはアネゴって呼んでる。
ときどき、母ちゃんかなぁ?とも考えるんだけど……なんだろう、ちょっと違う気がするんだよなぁ。
ちなみに、オイラが"ミチル"になる前、ホントの母ちゃんと父ちゃんがいた。ただオイラは、そのときのことはあまり覚えてない。
アネゴが「ミチル」と呼んでくれたときから、オイラはオイラになっていろんなことが見えたり、分かるようになったからだ。
だから、アネゴはオイラの親みたいなもんだと思ってる。ただ、母ちゃんって感じじゃないんだよなぁ。
アネゴはときどき、白ネコより怖いときもあるけど、基本的に優しい。
オイラの好きなものも分かっていて、イイコにしてたらご褒美をくれる。ああ、それとお使いができたときも、ご褒美をくれる。
ときどき頭を撫でたり、掻いたりしてくれるのも好きだ。
オイラがふざけても、たいていは笑って許してくれる。ただアニキや白ネコは、ふざけるとすっげー怒るから要注意なんだけど。
―――ある日、屋根の上で珍しくアネゴがのんびりしてた。オイラは横に降り、ふと、森にいる鳥みたいに「ピルルル~」とキレイに鳴いてみた。
「えっ、今のはミチルか?お前、そんな鳴き方が出来るのか」
「ピルル~(鳴こうと思えば、できるぞ!)」
ふふん。キレイな鳴き声だろ?
オイラ、練習したんだ。鳥たちの歌がすっげー良かったからさ。
すると、アネゴはオイラの頭を優しく撫でてくれた。
「こんな天気のいい日に聞くのに、ピッタリだな。……たまに、その声を聞かせてくれ」
「ピルル~!」
そうか!
やっぱりアネゴもこういう歌は好きか!
いいよ、オイラ、アネゴのためならいっぱい歌うよ。アネゴって、カワイイものやキレイなもの、結構好きだもんなー?オイラ、ちゃあんと知ってるんだ♪
>2025年10月31日活動報告より




