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深淵に沈む意識

暗闇が、底知れぬ深淵のように広がっていた。

音も、光も、温度すらない。


ただ、全身を包む沈黙と重さだけが、ゆっくりと、じわじわと身体を押し潰す。


呼吸のたびに、胸の奥に空虚が広がる。

鼓動だけが、自分の存在を確かめる手掛かりだった。


足も腕も、指先さえも水に沈むように重く、動かそうとしても意志が水の抵抗に押し返される。


(……ここは……どこだ……?)

(……なんで……どうして……)


声は、闇に吸い込まれて消えた。

思考だけが、深い水の底で揺れるように繰り返される。


景色が歪む。


白い光。

血の匂い。

崩れ落ちる仲間たちの影。


そして——エリシアが消える瞬間。


アッシュの胸が締めつけられた。


(守れなかった……)

(俺が……守れなかった……守れなかった……守れなかった……)


手を伸ばしても、届かない。

声にならない叫びだけが、胸の奥で何度も反響する。


次の景色では、自分の炎がエリシアの胸を貫く。

彼女の瞳が揺れ、微笑み、そして——消える。


(俺が……殺した……)


喉が裂けるほど叫んだはずなのに、声は出ない。

胸の奥が焼けるように痛み、空気のない闇の中で全身が震える。


さらに景色が変わる。

孤児院の仲間たちが倒れていく。

最後に残ったのは自分だけ。


(どうして……俺だけが……)

(どうして……みんな……死んだ……)


罪悪感が重りのように身体を沈め、呼吸さえも苦しく、時間の感覚はすべて溶けた。


痛みも悲しみも、すべてが鎖のように意識を縛る。

どれほど経ったのかも分からない。

闇は永遠に続くかのようだった。


そして——


ポルが崩れ落ちる瞬間が映る。


「アッシュ……すまねぇ……」


(やめろ……やめてくれ……)


「守れなくて……悪かった……」


(違う……違うんだ……!)


「お前を……一人にして……悪かった……」


(俺のせいだ……全部……俺の……)


アッシュは膝をつき、闇の中で何度も頭を抱える。


(俺が……全部……壊した……)

(……どうして……どうして俺だけ……)


闇がさらに濃くなり、意識は完全に沈み込む。

——だから、目覚められなかった。

——だから、現実に戻れなかった。


だが——


ふと、足元に小さな光が落ちた。

雪のように白く、温かい光。

その輝きだけが、まるで深い闇の中で生き残った希望のかけらのように、静かに揺れていた。


アッシュは顔を上げる。

闇の向こうに、誰かが立っている——

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