泡
空が暗くなった。誰かが上を見る。
「おお……」
兵士たちが息を呑んだ。天から炎をまとった巨大な球が迫ってくる。大気を震わせながら一直線に、こちらへ。
「降臨……?」
虹のエリイは心を躍らせたが、老軍師は震え上がった。
「ただのヤバい隕石かも」
地面が揺れ、空気が唸る。あと数秒。
エリイはドロップ缶を振った。
「いいわね」
フードをかぶった。桃色になった。
「いくわよ」
ヤシの実のようなものを出した。虹のエリイが固まる。他のエリイが赤、青、黄、緑と四体あらわれた。
「うわぁ……」
怯んだ。というか、引いた。
ピンクのエリイがパスをした。
「タッチ!」「アタック!」「フィニッシュ!」「ハリケーン!」
四色のエリイがそれに続く。勢いが加速する。赤いエリイが最後に強く蹴り上げた。それは天高く雲を突き抜け――ドゴォオオオォォォン!!
巨大な球体は、空中で爆散した。
その瞬間。
ぽん。兵士が泡になった。
ぽん。術師が泡になった。
ぱぽん。ぱぽぽぽん!
すべてが泡になって消えた。静寂。
虹のエリイは暗い顔で地面を見つめた。
「おしまいかよ……」
しかたなくラオが姿を現した。外宇宙の先から来たので、さすがに疲れていた。深いため息をつく。
「みんな。ここに座れ」
六人が円になって座る。ラオはこめかみを押さえた。
「話を整理する。空が晴れた。草原ができた。虹から降りてきた。そして」
「隕石って……」
虹色エリイが顔をしかめる。
「ほら!!」
どれかのエリイが鼻を鳴らした。
「ほらじゃない。お前、惑星割ったよね」
五色のエリイが顔をしかめた。
「蹴り落としの展開まではいい……もはやいい……」
ラオは下を向く。
「泡……なぜ泡……」
「あわわ……」
どれかのエリイが口に出した。ラオは息を吸って目を閉じたが、はるか遠くの山がいくつか割れた。
「どうする。いい加減」
沈黙。
「うーん……プ、プ◯キュア?」
「え……私リーダー」
「私は風」
「じゃあ水」
「カレー食べたい」
「バカなの?」
虹のエリイが耐え切れず声を上げた。
「私もまぜろ!」




