第15章: 「忠誠の代償」
キン!キン!
剣と剣が火花を散らす。
カイル vs レオン。再び。
だが、様子がおかしい。
カイルの動きが鈍い。肩の傷が治ったはずなのに、魔力が体を蝕んでいる。
「お前...」
レオンは息を切らしながら言う。「魔王の力に耐えられてない」
「うるさい」
カイルは嘘をついた。体が熱い。視界が揺れる。
魔王は空から見下ろしている。何もしない。
ただ、見ている。
『試されているのか?』
『ボスは俺の忠誠を試しているのか?』
その時、背後から悲鳴がした。
村の子供だ。魔物に追われている。
カイルの体が勝手に動いた。
魔物を切り捨て、子供を庇う。
「カイルさん...?」
子供は怯えた目で彼を見た。
『何をやってる...』
『俺は魔王側だぞ』
レオンが子供を抱きかかえた。
「逃げろ。森の外へ」
子供が走り去る。
レオンはカイルを睨んだ。
「お前の中に、まだ人間が残ってる」
「黙れ」
カイルは剣を振り上げた。だが、手が震える。
魔王の声が響く。
「カイル。命令に背いたな」
空気が重くなる。
魔王の殺気がカイルを貫く。
「罰を与えよう」
黒い槍が空から降ってくる。カイル目掛けて。
「っ!」
レオンが割り込んだ。聖剣で槍を受け止める。
ドン!衝撃で二人が吹き飛ぶ。
「なぜ庇う...」
カイルは地面に倒れながら呟いた。
レオンは血を吐きながら笑った。
「お前が子供を助けたからだよ。バカ」
魔王は黙って見ている。
そして、静かに言った。
「面白い。もう少し遊ぼう」
空がさらに暗くなる。
ボスの本気は、これからだ。
――第15章 終わり――




