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Just like starting over 〜アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます!!〜  作者: 優月菜


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第八十六話 A White Day return gift.(ホワイトデーのお返し)


「どんな餃子かなー」


買い物カゴをカートに入れて、楽しそうにしている享と灯は笑いながら野菜コーナーを回る。


「長ネギ一本と白菜四分の一のを探して、私は他のを探すから」

「了解(Copy that)!」


享が野菜コーナーの葉物の方に行っている間に、ニラ一束と大葉を探す灯。

餃子センターで食べた大葉の餃子がかなり美味しかったのでマネしてみようと思ったのだ。


「灯、長ネギ売り切れ、今日特売日だったみたい。その代わりに小ネギがあった、これでも大丈夫?」

「おぉ、もちろん!その方が使い勝手がいいくらいだよ!有難う、Tall!白菜はあった?」


「最後の一個!ちょっと傷んでるところあるけど、どう?」

「いいよ!大丈夫!じゃ、お肉コーナーに行こう」

「何使う?」

「もちろん豚ひき肉!」

「Only?」

「やっぱり肉汁がジュワッとしないと!」


豚ひき肉のパックと大判の餃子の皮を二袋を手に取る灯に享が尋ねる。


「二人で何個食べる気?」

「え?やっばり無理?」

「大判なら一個で良くない?」

「そうかなぁ、じゃ、小さくしてたくさんにしようかな……」

「いや大判がいい!」

「二十五枚だと残りの一個がケンカになると思うけどな……まっ、いっか。じゃ、一袋ね」


「ニンニクは?」

「入れない」

「え?」

「その代わり、生姜を入れる」

「ショウガ?」

「香りはニラで、味の方は生姜のお陰で、あっさり食べられるよ」


そのあと、灯はチューブタイプのおろし生ショウガと卵を一パック、カゴにいれた。



うちに帰ると、いつもなら灯は先にお風呂、享がご飯の支度のはずが、今日は逆転することに。

享にはお風呂掃除をいつもより念入りにする様に、お願いした上での、シャワー。

それが灯は時間稼ぎになると考えていた。


昼抜きの二人は、お腹がペコペコだ。

というのも、珈琲屋の帰りに灯が餃子を作ると言ったら、享が早く帰ろうと急かした為にお昼を飛ばして、早い夕飯をゆっくり楽しむ事になったからだ。


とにかく享がシャワー浴びて戻ってくる頃に仕上げたい灯は手際よく、先に米を研ぎ、炊飯器に仕込むと次の作業に移る。


買い込んだ野菜を洗い刻み、ボールに入れた挽肉と一緒にこねて行く。

卵を全卵ではなく黄身だけ一つ落とす。

そこに下ろし生ショウガの出番だ。

にゅーっと、十センチくらい入れた。

そしてまた粘りが出るまでこねる。


真ん中にまとめて平らにしたところを、だいたい五等分に分けると手を洗った。


このあと、餃子の餡をスプーンですくって皮の真ん中に乗せた後、皮半分のところに水をつけてチョイチョイっとヒダを寄せて皮で包む。


半分と一個は普通の餃子、もう半分は大葉を皮の上にひき、その上に餡を乗せる。

大判の餃子がパンパンになるほどの量を入れても、少し餡を余らせるが灯のやり方だ。

銀色(ステンレス)のバットの上に餃子を成形しながら、綺麗に並べて行く。


そして極め付けは玉子の中華風スープ。

餃子の残った餡をスープカップ二杯ちょっとの鍋のお湯に落とす。

そのあと、白胡麻と鶏ガラスープの素、少しだけ残しておいた刻み小ネギをいれる。

そして先ほどの残した白身と全卵一個を丁寧に撹拌したものを箸を使いかき回しながら、たらし入れた。

フワフワ玉子の中華風スープの出来上がりだ。


いつもより、ゆっくり入る様に灯が言って、そろそろ享がシャワーを浴び終える頃合いだ。


餃子も既にフライパンに並べ焼き目を少しつけたところで、お湯を入れて蒸し焼きが終わり、本焼きに入ったところだった。


炊飯器もちょうど、ご飯も炊き上がった。


リビングにパジャマ代わりのスウェットを着込んで、髪の毛にフェイスタオルを被ってガシガシ拭きながら享が入って来て、開口一番。


「最高!香りだけで飯三杯行けそう!」


灯は、まだ食べてもいないくせにと思いながらも最高の褒め言葉だと思った。




「あかりんの言った通りだった」


お醤油に酢を垂らして、少しラー油を入れたタレで食べる灯のジューシーな餃子は大判にも関わらず、

ニンニクベースではなく、ニラの香りで餃子らしさを醸し出しつつも、ショウガのお陰であっさりしていたので享は何個も行けそうだったらしい。

大葉入りもまた違った味わいを楽しめたのが功を奏したようだ。


最初のご飯一杯目で五個平げた享は、二杯目のご飯の時、

「後、何個食べていい?」

と聞いて来た。


「半分このつもりだったけど、あと十個食べていいよ」

灯がそう言った時、本当に嬉しそうに叫んだ。

「Thank you!」


結果、享は更に灯におねだりして更に二個分けてもらったのだ。

一人で十七個食べたが、物足りなかったらしい。


後片付けをしている灯に

「玉子スープも玉子がフワフワだった!」

カウンター越しに話しかけてくる。


「分かった!また作るから」

「本当に?」

「本当です」

「楽しみ増えた!」

「それは、どうも……でもホワイトデーなのに餃子って、ちょっとだったよね」


「何で?大好きだよ!餃子!ほら、子供の頃、どっちの家も父さんの帰りが遅い時、よくやったよね。ホットプレートでたくさんいっぺんに焼いてさ」

「あの時もTallたくさん食べてたね」

「楽しかったんだ、みんなで食べるのが!それに美味しかった」


「何にしようか悩んだけど、喜んで貰えたなら良かった」

「灯、有難う」

「どう致しまして」


享は本当に嬉しそうだった。


夕飯の後、灯がお風呂に入ってリビングに戻って来た時、ガラス張りのドアから部屋の灯が消えているのが分かる。


恐る恐るドアを開けてリビングに入る灯。


「え?Tall?もう寝ちゃったの?」


思わずベッドルームのドアハンドルに手を掛けた時、後ろから手を引かれた。


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