第七話 Matchmaking(縁結び)
たくさんのお話の中からこの物語をご覧頂き有難うございます!
投稿時間に試行錯誤中の優月菜です!
皆様の読みやすいお時間って、いつなのでしょうか?
余談ですが……前作、"100分の2の青写真"(完結済)は真夜中にお読み頂いてる方がいらして、皆さん、このお時間に?!と驚きましたが……。もし、まだご覧頂いてなければ、ぜひぜひご一読頂けると嬉しいです!
この"アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます"も、これからの展開が面白いお話なので是非続けてご覧頂きたく!!
書き溜めが出来ていないので、しばらくは一日一回投稿になりますが、いろいろいろいろ迷った結果、やはり、朝の8時に投稿することに致します!
本当はブックマークとか、応援お星様くださーい!とか言いたいところですが、今はたくさんの方にご覧頂きたいのでPV還元で宜しくお願いします!
行ったり来たりで申し訳ないので、今日ももう一話、お詫びに投稿致します。
続きをお楽しみ下さいませ♪
優月菜
「それから毎日銀杏をはいて」
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気づいたら外ではもう本は読めないほど寒い季節がやって来ていた。
「灯ちゃん、毎日有難う」
「やっと落ち葉がなくなったと思ったら冬が来ちゃいましたね」
灯は笑った。
そこで神主さんが言う。
「あそこの小屋ね、お札とかお守りをお参りに来た方に授けるところなんだけど、小さいながらもストーブがあるから寒くはないんだ」
「はぁ」
「これからは、あそこで本読んで行く?」
「え!?いいんですか?」
「うん」
その日から灯は神社の社務所通いが始まった。
灯にも友達はいたが、わりとその辺りは教育水準が高く私立中学に進学する為に塾通いしている子も多く、仲良しさんとは遊ぶ時間がなかった。
結果、灯は家に帰っても一人きり。
つまらない毎日。
社務所はなかなか居心地が良かった。
大きなお座布団を借りて、大好きな本を読む。
たまに神主さんが宿題をやっていると見てくれる。
そのうち、勉強も教えてくれる様にもなって、灯は成績も良くなった。
そしてまたクリスマスがやって来た。
連絡が取れないことに享に対して諦めがついた灯は今日は千紗子が神主さんに灯に良くしてくれるお礼方々迎えに来ると言うので社務所で待たせて貰っていた。
「神主さんちはクリスマスにケーキ食べるの?」
「子供の頃は食べたけどね」
「サンタさん来た?」
「うん、来たよ」
「いつまで来たの?」
「え?うーん、僕はあんまりいい子じゃなかったから幼稚園くらいまでだったかな?でも灯ちゃんはいい子だからサンタさん毎年来るでしょ?」
「来ないよ」
「え?」
「もう六年生だもん、みんなとっくにサンタさんはパパって知ってる。けどね、うちにはパパいないから」
「そうなの?」
「うん」
この神社の宮司、宮守崇は、灯が真っ直ぐ家に帰らない事情は何となく察してはいたが、面と向かって聞いた事はなかった。
ただ、こんな素直で気が利いて、なんなら社務所の窓口の手伝いまで出来るようになった灯を、むしろ不憫に思ったくらいだった。
そんな時、社務所の窓ガラスを叩く女性がいた。
「あ、お母さん」
「え?」
崇は窓ガラスを開けて挨拶をしようとするも、走って来たのか息を切らしながら、その女性の方が先に頭を下げたまま名乗った。
「いつも灯がお世話になっております。なかなかご挨拶に伺えずもうわけございませんでした。母の長谷部千紗子と申します。また本日も遅くまで申し訳ございません」
「あ、いえ……」
頭を上げて肩ほどまでの黒髪をかき上げた時、崇は驚いた様に
「菊池さん?」
「え?」
「菊池千紗子さんだよね?中高一緒だった宮守なんだけど」
「え!宮守崇くん?じゃ、ここ宮守くんのお宅なの?こんなに近かったなんて……」
「じゃ、灯ちゃんのお母さんって千紗子さんだったんだ。うわ!すごい偶然だな。こんなにいい子の親御さんってどんな方なんだろうって思ってたんだよ」
「いえいえ、図々しくご面倒をお掛けしていたかと思います。つきましては、あの大変失礼かとは思ったんですが、灯がいつも良くして頂いているお礼です。お納め下さい」
崇に千紗子は大きめのクッキーの包みを差し出す。
それを無下には出来ず崇は受け取りながら
「あぁ、いやぁ、かえってお気遣いさせて申し訳ないね。灯ちゃんは本当にいい子で、最近なんか社務所のお手伝いまでしてくれて助かってるくらいで」
頭をかきながら、照れていた。
灯はその時、ちょっと閃いた。
「お母さん、ケーキ買って来た?」
「もちろん!大きいの買って来たよ。さあ、神主さんにご挨拶して帰りましょ」
崇が一人でこの神社を切り盛りしているのを知っている灯は
「今日、いつものお礼に神主さんにも一緒にケーキ食べて貰いたいなぁ」
「え?何いってんの?そう言う事はご家族で」
と、崇が言うと
「神主さんはご家族いないでしょ?」
「おいおい、いきなりそう言う事暴露しないでよ」
そこに千紗子が反応して
「え?あら、それなら、もし良ければ」
灯の家に崇を招くことになった。
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「私は神社の神主さんとお母さんのキューピットになった訳よ」
「そうなんだ。それで苗字が変わったんだね!びっくりしたよ」
「ある時、話があるって神主さんから、急に"宮守"になってくれないか?って言われた時には、さすがに"え?プロポーズ?"って笑っちゃったけどね!
Tallも私が結婚しちゃったと思ったの?」
「ん……まあその」
「Tallは相変わらず、ちょっとバカだよね」
「え?」
「結婚してたら他の男子と付き合う?」
「あ、そうだね」
享の笑顔に灯は一瞬小学生四年生に戻った。
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見送りに行った羽田空港の出発ロビー。
灯と享は大人一人用のロビーチェアに二人で座っていた。
「泣かないであかりん」
「だって、来年まで会えないんだよ」
「泣いてたら、お話する時間がなくなっちゃう」
「う、う、うん」
「あのね、僕、考えたんだけど、約束を追加したいんだ」
「約束の追加?」
灯には追加の意味がよく分からなかった。
「どう言うこと?」
「僕は向こうに行ってもあかりん以外、好きな子は作らない」
「え?それ約束するの?」
「あかりんは?」
「……私だってTall以外好きにならないよっ!」
そう言うと灯は思わず享の首に抱きついた。
享の顔があっという間に赤くなった事を灯は知らないで、そのまま抱きついている。
「お願いがあるの」
「何?Tall」
「あかりんの髪の毛綺麗だから、次に会う時まで僕のこと好きだったら切らないで欲しいの」
灯は当時、短めのおかっぱ頭にする為に、いつも定期的に本人の意思とは関係なく床屋に連れて行かれてた。
「そんな簡単な事?するよ!切らないでいる」
「ホントに?」
「もちろんだよ!じゃ私もお願いがあるの」
「何?」
「寂しくなったり、悲しくなったりした時は、アイスクリームを食べること!元気が出るからね!絶対だよ!」
「あかりんと会う方が元気になるけどね……そうやって、いつも僕の心配ばかりしてくれる、あかりんが大好きだよ」
頭の上から聞こえた享の声に反応して灯が上を見上げた時、灯のくちびるに、ほんのり柔らかい感触が……。
「約束だよ!」
「え?あ?うんうん」
灯は何が起きたのかは分からなかったが、約束を守るは忘れてなかった。
そしてその夕方に享を乗せた飛行機はニューヨークに向かって旅立った。




