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Just like starting over 〜アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます!!〜  作者: 優月菜


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第六十六話 What the heck happened?(いったい何が起きたの?)


校内は大槻学長の噂で持ちきりだった。


「裏口入学の斡旋」

「補助金獲得と新学部設置」

「大学所有の不動産・用地買収をめぐる開発利権」

などなど、検察側の調べでは政治家との癒着があったと思われる証拠が上がったらしい。

その上で、国税局の査察も入った。


大槻学長は連日任意ではあるが事情聴取を受けている。


「俺達、どうなるんだ?裏口とか思われたらさ」

「金持ちで、推薦入学とかが怪しいんじゃね?」

「いずれにしても迷惑な話だよな」


「そう言えば、大槻さんも捕まったんだってな。父親の悪さ知ってて加担したらしい」

「え?そうだったんだ!うわー信じらんね!」


「そう言えば、あんなにご執心だった横溝享から鞍替えしたんだよな。ほら法学部の一年のハンサムにさ」

「何か、あれも大槻さんが無理矢理迫ったって噂だぜ。何しろ学長の娘だった訳だし、それに応じなかった横溝享が普通じゃなかったって事だな」


あちこちで、こんな噂が囁かれる中、緊急理事会が秘密裏に開かれ、「大学の社会的信用を著しく失墜させた」として大槻学長に辞任を促したが、当の学長は知らぬ存ぜぬを通そうとしたため、解任決議が行われた。


理事長=学長が解任となれば、理事会及び学部長は全て解任が大前提だ。


実は入院中の学部長(旧体制派)がいない隙を突いて、学部長代行を務めた龍馬は教授会をまとめ上げ、疑惑の全容解明に向けた決定や書類を検察庁に川端を通じて提出していた。

その功績が認められ龍馬が新体制が決まるまでの間、学長代理として指名された。


大学として関わる一番の問題として「特別調査委員会(第三者委員会)」の設置をし、裏口入学や不正資金の解明を行うとして、外部の弁護士や元検事などを入れた内部調査組織の立ち上げを決定。


その後、該当学生・関係教職員への処分方針の確認に入り、不正に関与した事務局長や教員の停止処分、および裏口入学が発覚した学生への対応方針(事実確認と学則に基づく懲戒処分)を協議するととなった。



法学部学部長室。


火曜日のど真ん中lunch改め学部長室lunch日。


「何だか凄いことになったね」

「本当にね」

「Tallは、あまり驚いてないような気がする」

「うーん、学長は最初から胡散臭い気がしてたから」

「そうなんだ」


お弁当を食べなから話す灯と享。


学部長机で仕事をする龍馬が口を開いた。

「おいおい、君達、まったりしすぎ」


「そう言う、オッさんこそ学長代理なんだから、この部屋にいるのおかしいだろ?」


「いや、やたら広すぎて、あそこは落ち着かないんだって!しかも文学部校舎だし……学部間抗争が絶えなかったから居心地も悪くてさ」


「法学部はいつになったら学部長が決まるんですか?」

灯が割って入る。


「え?新体制が決まったら、僕が戻るよ」

「え!まじで?」


享が嬉しそうに

「あかりん、春までここでご飯食べられるよ!」

と言った。


龍馬はため息をついた。

灯は笑った。





夕飯の片付けをしている灯。

以前、国際電話を取って慌てた灯は電話は取らない。

自室の方で享が出るも、切り替えてリビングの受話器を灯に差し出した。


「汐恩さんから」

「お兄ちゃんから……」


電話を代わると享は自室に戻って行った。


「そろそろ父さんと会ってやってくれないか?」

「お父さんと?」


「最近、俺も浪人生混じって予備校通って、受験勉強してるから、夜たまに会って飯食ったりするんだけど……何となく、お前の話になるんだよな」


「そう、なんだ」

「ダメかな?俺と三人で」

「いつ頃?」

「次は今度の金曜の晩なんだけど」

「いいよ……」

「本当に?享に相談しなくていいのか?」

「何で?」

「あ、いや、何となく」


待ち合わせ場所はまた後日という事になった。


享がしばらくしてリビングに戻って来た。

灯はソファに腰掛けて窓の外を見ている。


享もソファに腰を下ろした。


「お父さんと会わないか?って」

「お父さんと?」

「うん」

「そう……会いに行くんでしょ?」

「うん」

「送り迎えするから日にち決まったら教えて」

「うん」


享は立ち上がると灯のおでこにキスして言う。

「おやすみ」

「ん……Tall」

「ん?」


「もう少し側にいて欲しいんだけど」

「え?」

「誰も見てない時の方が、側にいてくれない気がする」

「それは……」


『無邪気に言われてもなー。限界点まで来そうだからとも言えないし……自室で筋トレして発散してるとも言えないし……』


「灯、じゃ、一緒にドイツ語勉強しよっか?」

「え??」

「それとも心理学でも」

「勉強か……じゃ、いい。お風呂入るね」

「あ、うん」


もう暦の上では十二月を過ぎ、肌寒くなって来て、恋人同士は距離を縮めるのにもってこいのこの時期に享は少し遠慮がちになっている。


灯に無防備に甘えて来られると、その先を考えてしまう。いくら灯自身が、どんな事でも享となら大丈夫だと言われていても、尚、あの日の"約束"を思い出していない灯には何も出来ないと思ってしまう。


お風呂に浸かりながら灯は思う。


『"約束"思い出したからって言ったら……変わるのかな?この関係……でも無理だからワガママ言ったらダメなんだ』


"約束は守れない"は変わらないと灯は思っていた。


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