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Just like starting over 〜アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます!!〜  作者: 優月菜


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第六十四話 The seven mysteries of our school.(学校の七不思議)

皆様、お盆はいかがお過ごしでしたか?


お墓参りに行ったり、親戚と会ったり……子供の頃の懐かしい話をしたり。

お盆って、誰かを思って懐かしむ時でもありそうですね。


最新話を午後八時に投稿致します!


お楽しみに♪



少し二人の生活に慣れてきた週末。


灯が思い描き始めていた甘い気分は、あの風邪の日のキスだけ。


次の日からは、夕飯が終わると享は論文の仕上げがあるからと言い出し、後片付けが済むと以前のようにティータイムなどを過ごさずに自室に引きこもって出てこない。


仕方ないので灯も自分の部屋で勉強をする。

もちろん享がうるさく言うから鍵を閉める。


それでも朝起きると

Morning(モーニン)

享は笑顔で、ベッドルームからで出て来た寝癖頭の灯に駆け寄って頬にキスして抱きしめる。


今日もいてくれて良かったって感じだ。


「おはよ」


灯は恥ずかそうに答える。


「朝ごはん出来るから、早く顔洗っておいで」

「はい」


この繰り返しが木曜日の朝からの土曜日の今朝だ。


「今日は二限で終わるから、どっかお出掛けして買い物しようか?」

「……」

「灯?どうした?」

「……私といると享、窮屈なんじゃない?」


「え?何で?」

「裏のお部屋って狭いんでしょ?」

「いや、八畳はあるから狭くはないね」

「でも今までベッドのない勉強部屋だったんだよね?」


「あ、うーん。まあ、ちょっと集中する為にね」

「何だか、陽当たりのいい広い方のお部屋を使わせて貰ってる上に、食事も作ってくれて、私に合わせて今日なんて一限ないのに一緒に登校してくれる訳だし」


「あのね。灯がここにいてくれるってことが僕には重要なの。わかる?」

「え?」

「それだけで、今は満たされてんの」

「でも……」


「夜は……本当、今、やることがあり過ぎて時間がないんだ。でも、もう少しだから」

「そうなの?」

「うん、とにかく、今だけだから。灯は気にしないで。ご飯食べて」


「うん、分かった」


灯は享の作ったお味噌汁をごくりと飲んだ。




「おはよう」

「あ、灯ちゃん!」

「ん、何かあった?」


福ちゃん達がニヤニヤしてる。

美春が開口一番。


「同棲始めたんだってね!もう早く言いなさいよね〜噂になってからじゃなくてさ!」

「!!」


喜子も美智子も先が聞きたそうにしている。


「あ、うん」

「とうとう来たかー!灯も大人になって、ママは嬉しいよ」

「え?ママ?大人って?」

「え?」

「え?」

「えーーー!?」


同棲の噂は意外にも知れ渡るまで時間がかかっていて、享には何やら考えがあるらしく、女子友達から聞かれたら教えるように言われていたが……。


美春がこの五人の中では、中学生の頃に彼氏が出来、最速で、いわゆる大人の仲間入りを果たしていた。今は社会人の彼氏と恋愛中だ。

後の三人は似たり寄ったりのようだが、灯よりは、とっくに先に進んでいる。


「ちょいちょい、灯さん。一緒に住んでるのに、横溝先輩とは、その……」

「何?」

「まだ、何もない?」


その時、熱に浮かされて訳も分からず、享と濃厚な口づけを繰り返したのを思い出した灯の顔は一気に赤くなったが……。


「ん?……微妙な感じ……皆さん、残念ながら、これはまだお子ちゃまなままですわ」

美春が言うと福ちゃんも喜子も美智子も頷いた。


「……お子ちゃまじゃないもん」

「そう言う態度がお子ちゃまなんだって」

「……」


図星だった。




深夜。

小さな懐中電灯を手に持った二人連れ。

裏門の鍵を開けて校舎の裏口まで、そろそろと歩く。

花梨と李人だ。


「花梨さん、本当にどこの部屋の鍵もあるんですか?」

「警備室にあるのと同じ束をパパも持ってるんだから、ほら、これ。明日からのゴルフに備えて前入りしていないから、ちょっと拝借して来た」


大きな金属製の輪に鍵がこれでもか!っと下がっていた。

「すごい!どこでも開けられちゃうんですね!」

「もちろんよ、李人。まずどこに行くの?」

「それは、やはり音楽室のベートーベンですね。文学部校舎の四階です」


二人は階段を上る。

「何かドキドキするね」

「そうですね……ドキドキすると言えば、花梨さん

本当にもう横溝先輩の事はいいんですか?」


「何、何、李人ったら妬いてんの?享は、見た目だけのトウヘンボクだから!花梨があの手この手で、色々しても全くなびかないんだから!あの日、あの幼馴染とか言うチビに渋谷で会った時も、私のこと無視して!!頭に来たから、あのチビのこと、どうにかしてやろうと思ったのに、事あるごとに享が気がついちゃって、結局、上手く行かなかったし!」


「え?それって?どうにかしようとしたって?」

「あらやだ、何か私言ったかしら?」

「あ、上手く行かなかったって」

「うーん、李人の元カノよね?あのチビ」

「まあ花梨さんみたいにスラっとはしていないですけど……」


三階の踊り場を折り返しながら階段を上がる。


「李人ったら、私、スラっとしてる?」

「花梨さんはスタイルいいですよ」

「音楽室って防音よね?」

「ええ、そうですね」


音楽室の鍵を開けて中に入ると、暗幕で窓は隠され真っ暗な闇しかない。


「怖い〜!」

わざとらしく花梨は言うと李人にしがみついた。


「僕も怖いです!早く出ましょう!」

花梨は李人に手を引かれ、いつもなら喜ぶところが、不服そうに外に出た。


「そう言えば、歴代の学長の肖像画が飾られている廊下が、ここの一階にありますよね?」

「あ?うん」

「新しい七不思議に、笑う肖像画って言うの増えたの知ってますか?」

「え?何それ?」


「行ってみましょう。夜中の12時頃、とある肖像画が笑うらしいんです」


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