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Just like starting over 〜アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます!!〜  作者: 優月菜


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第四十九話 His oversized shirt...(彼のおっきなシャツを……)


「後片付けは僕はがするから、お風呂ゆっくり入っておいでよ」


「お邪魔してるの私の方だから、片付けておくからTallこそ、お先にどうぞ」

「いやいや、女の子の方が先でしょ」

「でも……その……」

「どうした?」


灯がモジモジして赤い顔して俯きながら、

「あの……洗濯したいから、後がいいの」

「あ、そか」


享も気づいて赤くなる。

とりあえず享から洗濯機の使い方を教えて貰うことになった。


壁内はめ込み型の全自動洗濯物。


「洗濯物入れてフタ閉める。こっちの投入口に粉洗剤入れて閉める。こっちは柔軟剤(ダウニー)入れて閉める、で、開始ボタン押す」

「だけ?」

「うん。こっちは乾燥機」

「海外製の洗濯機も乾燥機も初めて見た……すごいね」

「そか」


「Tall?」

「ん?」

「さっきから返事しかしないで何か変だよ」

「え?そう?」

「変!」

「いやいや、何も言うことがないだけだから」

「あ、そ」


「じゃ、僕、シャワー派だから先に入るけど、速いからね。支度して待ってて」

「あ、うん。あ!」

「何?」

「パジャマ替わりになりそうな服貸して貰えないかな?」


『来た!!!』


享はドキドキしているのを灯に悟られない様にしながら、

「シャツとか?」

「んー、トレーナーがいいな!今日借りたみたいなヤツ!膝くらいまでくるから、ちょうどワンピースみたいで良かったんだ」

「あ、そう。分かった。出しておくね」

「うん、お願いね!有難う。あ、ペンダント外すの忘れないでね。じゃ、お風呂ごゆっくりね」


灯はリビングに戻って行った。


享は意気消沈しながら廊下にあるクローゼットの中に置いてある収納引き出しから、自分の着替えと灯に貸すトレーナーを出す。

『あ、そうだった。これ……』

毛糸のかたまりを掴んで出した。


「あかりん、お待たせ」

ネイビーのスウェットの上下を着て、頭をタオルでガシガシと拭きながら享がリビングに戻って来て、"しるし"ペンダントをリビングテーブルの上に置いた。


「あ、はーい」

つられるように灯も外した“しるし"ペンダントを享のペンダントの横に置く。


ショップ袋から出した服がリビングに散乱していた。

享は辺りを見回しながら、ソファにかける。


「あ、値札取ってたんだ」

「勝手にペン立てからハサミ借りちゃった」

「ん、いいよ。全部取ってくれたの?有難う」


「え?だってほぼ私のだもん。当たり前だよ……それよりか、こんなにたくさん買って貰って……毎週、掃除に来る?肩でも揉む?」


「側にいてくれるだけでいいよ」


ソファの前で直座りしていた灯が享の方を見上げる。


「Tall……」

「あかりん……」


瞬間、灯は側にあった服をかき集めながら

「ホント有難う!で、洗濯する物だけど、ジーパンとジャンパー以外は洗っていい?」

「ん、任せる。これトレーナーね」

「有難う!タオルも借りていい?」

「バスルームの洗濯機の上の棚に置いてあるの、どれでも使って」

「分かった!有難う」


『今、いい雰囲気なのかと思ったのにな……』

『今、雰囲気に流されるとこだった……』


お互い、近いのに違う意味でため息をついた。



バスルーム。


「Tall、遠慮しなくていいのに……」

バスルームの端の方に、ジーパンとトレーナーとダンガリーシャツが畳んで置いてある。

「下着この中に隠してる?聞かないで一緒に洗ったらダメかな……」

今日買って貰った服と下着、お風呂に入る前に今自分が着ていた服もジーパン以外、洗濯機に入れる。


『たくさん入る洗濯機だし、ジーパンの色は出ない感じだけど……享のジーパンとあとで別に洗うかな』

 

裸になった灯。

端っこに置いてあるジーパンの上の享の服もそっとそのまま洗濯機に入れた……が、シャツが気になる。


『ちょっとだけ……』

素肌の上に享のシャツを羽織った。

『Tallの匂い……小さい頃から変わらない……優しいダウニーの香り』


自分の身体をギュッとする。

『灯?どうなの?こんなにTallのこと好きなのに……何も言わないの?』


「Tall好き」

享のおっきなシャツに包まれて灯はその場にしゃがみ込み、こっそり泣いた。



「お風呂有難う」

何事もなかったかの様にリビングに戻った灯。


「ゆっくり出来た?」

「うん」

「こっちおいで、髪の毛乾かしてあげる」

「え?」


ソファの真ん中をトントンと叩いて、おいでおいでする享。

灯は近づいて

「お願いします」

享の横に座った。


享がドライヤーでタオルドライした後の灯の髪を優しく撫でるように指で漉きながら、風を当てて行く。

灯は思わず、眠たくなって身体が揺れたのを支えた享。


「おっと、あかりん、もうおネム?」

「あ、ごめん。気持ちよくなって……」

「Tall、歯磨きした?」

「え?まだだけど……」

「私は済ませたから……洗面所使って」

「あぁ、うん」


『おいおい、昨日はともかく、今日はこんなのヤバいだろ!無防備すぎるぞ灯!』


享の胸はドキドキのギューギューだ。


「あかりん、これ」

先程の毛糸のかたまりを差し出す。


「え?毛糸の靴下!メグママが編んだの?」

「うん、僕が小学生の頃のやつ」

「履いていいの?」

「部屋用であまり使わなかったから、まだ使えるかな?って思って……こっちに来る時にあかりんが履けたらいいなって持って来た」


早速、履いてみる灯。

「可愛い!借りたトレーナーと同じネイビー!お揃いみたいなんだけど!」

「それを言うなら僕もスウェット、ネイビーなんだけど」

「あれ、ホントだ!お揃い!」


享の隣に座って寄りかかる灯。

「何か、あの頃に戻ったみたい」

「あの頃より大きいよ」

「確かにTallは、ものすごく大きくなった」

「あかりんはチッサイまんまだね」

「え?……うん、まあ、そうだね」

「言い返さないの?」


「ホントのことだし……160センチくらい身長がある友達多いし……白河先輩とか美人でスタイルもいいし羨ましいよ」

「いや、灯はそのままがいい。来場者票見たでしょ?220人もの人が灯を姫だと思ったんだよ。灯が美人さんって証拠だよ」


「あれは……写真映りじゃないのかな?あのパネルに騙されて……」

「何ですぐそう言うことばかり言うの?灯はこんなに可愛いし、賢いし、困ってる人を見ると黙ってられないいい子なのに」


「Tall?」


「歯磨きしてくる。眠たかったらベッドルーム使って、中から鍵閉まるから」

享はそっけなく言うとリビングから出て行った。


ソファには既に享用と思われる枕と毛布が置いてあった。


『Tallは何でそんなに私に優しいのかな?本当に私のこと好きなのかな?……私も忘れられなかったし……一緒なのかな……おやすみぐらい言ってから寝よう。今日は特に、このままじゃ、側にいるのも気まずいし……バカだよなーホント』


灯は今日着ていた下着は二日目だと言うことと、今日買って貰った下着は初めて着るものということで、うっかり全部洗濯機に入れてしまったのだ。


ということは?


『この下、何も着てないの享に気づかれない様にしないと……何だか変な風に思われたくないし』


とにかく享が戻ったら、鍵のかかるベッドルームを借りようとは思うものの、三人掛けと言いつつソファは享には小さ過ぎると思う灯。


どうしたものか?と思案している時、享が戻って来た。


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