第十話 Favorite Floor: HANDS(ハンズでお気に入りの階)
たくさんのお話の中からこの物語をご覧頂き有難うございます!
この"アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます"は、これからの展開が面白いお話なので、ぜひぜひ続けてご覧頂きたく♪
書き溜めが出来ていないので、しばらくは一日一回投稿になりますが、朝の8時に続きのエピソードをご覧頂けるようにしております!
余談ですが……前作、"100分の2の青写真"(完結済)、もし、まだご覧頂いてなければ、こちらもご一読頂けると嬉しいです!
本当はブックマークとか、応援くださーい!とか言いたいところですが、今はたくさんの方にご覧頂きたいのでPV還元で宜しくお願いします!
続きをお楽しみ下さいませ♪
優月菜
東急 HANDSに到着。
おもちゃ箱をギュッとした様な店内は、いつも人で溢れてる。
しかも今日は土曜日の午後。
当たり前の様に、上階に行くには人と人の合間を縫う様に店内を抜けて、左奥にある特有の階段を上がらなくてはならない。
一階フロアの入り口手前で少し人避けしながら灯は立ち止まって享に話しかけた。
「Tallはさ、ハンズの何階がお気に入り?」
「あかりんは?」
「ん?」
「せーので一緒に言う?」
「うん!」
「せーの」
「五階!!」
見事に声が合わさる。
灯は享の為に気遣う。
「やっぱり、そうだよねー!万年筆を先に見たいから、PARCO側から入ろうっか?」
「O.K.!」
享はそんな気遣いをしてくれる灯が、どんどん近付いて来てくれるのを感じて嬉しくなっていた。
それが例え、幼馴染の隣のお兄ちゃんでもいい。
今はそれが一番大事だと思った。
PARCO側の入り口から入るとすぐ三階。
ハンズの特有の階段を数階上ると、すぐ五階だ。
二人は迷わず5Bに向かう。
「やっぱり五階はいいよね」
「紙とインクの匂い」
「落ち着くー」
二人はまた声が揃って笑い合った。
5Bフロア。
お目当ての万年筆はここにある。
「これだよ、キャンディ」
「うわ!こんな値段で買えるんだ。驚きだね」
「でしょ?六百円!しかもカートリッジは十五本も入ってるのに百八十円」
「確かに書きやすいけど……」
万年筆は他にもたくさん当たり前の様に、値段もピンからキリまで品揃えは豊富だ。
確かに灯にお勧めされた万年筆も色も柄も選べる。
『やっぱり女の子用な気がする……でも』
享は思わず灯に提案した。
「あのさ、お揃いで買わない?」
「え?」
「形から入るもありかなって」
「あぁ、あの偽装恋人として?」
「その言い方はどうかと思うけど、まあ、そう」
「う、う、うん。わかった」
「どれにしよっか?」
「Tallが選んでいいよ。何か考えてみたら、これは女子向けな感じだったよね。ごめん。違うのでいいよ」
「書き易いし、これ気に入ったんだよ」
「本当に?無理してない?」
「本当に本当だよ」
「本当に本当にホント?」
亨は小学生の頃の約束の前の儀式の様に、灯のおでこに自分のおでこをくっつけると目を見つめながら
「本当に本当にホント!」
と、言って笑った。
灯は、享の肩を思わず強く押して身体を離すと
「バカ!もう小学生じゃないんだよ」
顔を真っ赤にして、そっぽを向いた。
亨は何ごとも無かったかの様に笑いながら
「これにしよ」
灯に向かって二本のキャンディを差し出した。
紺地に白い星柄と、その逆の白地に紺色の星柄。
「カートリッジは僕は無難に紺にするけど、あかりんはどうする?」
「ん?」
灯の顔は熱でもある様に紅潮していて、ぼんやりしている。
「あかりん?」
享はおでこに手を当てた。
「熱なんてないよ」
『Tallのバカ!また色々思い出しちゃうじゃん!』
「これね!可愛いと思ってた」
差し出しされた万年筆を見ながら灯は言う。
「じゃ私は……」
「こっちね」
「え?紺色の方?」
「白い方が目立つから、こっちが僕」
「でも」
「気に入ったんだもん。渡さないよ……あ、それとも完璧お揃いにする?」
灯はもう何が何だか分からない享のペースに流され始めている。
「完璧おそろ?」
「同じ白にする?」
灯のやり返したい気持ちが覚醒した。
「うん!同じ白にする!」
「え?本当に?」
「うん!カートリッジは……いや、カートリッジも紺色にする!」
「O.K.!他に見るものない?」
「Tallがないなら、今日、私、髪の毛も切るから急がないと。寮の夕飯門限があるんだ」
「え?自宅通いじゃないの?」
「違うよ。大学の近くの女子寮にいるの。まあ、その話は追々……お互いで買って交換っこする?」
「うん。そうしよう」
『それぞれ同じものを購入したのに、交換っこって……』幼い頃の記憶と重なり合う気持ちにはなるも、本当の恋人同士みたいだと亨は嬉しくなった。
先に会計を済ませた灯が、享に渡すはずのハンズの袋に先ほどのピンクのインクの万年筆で何か書いている。
享が会計を終えて灯に近づくと彼女は慌てて、袋を後ろ手に隠した。
「あかりん?今、何してたの?」
「え?」
「何か袋に書いてたでしょ?」
「髪の毛切り終わったら、帰りに交換ね!」
また頬を赤らめた灯を愛おしくも可愛いと心から思う享。
「分かった。じゃ、帰りにね」
「うん、じゃ、Tallの行きつけの美容院に連れて行ってくれる?」
「きっと驚くよ」
「え?何で?」
「女子寮は大学近くってことは東横線だよね?」
「うん」
「まずは美容院がある代官山に移動してもいい?」
「うん」
渋谷駅から代官山駅に電車で移動し、街中を歩くこと数分。そこにお目当ての美容院Museはあった。
「あのさ、もしかしてTallは代官山に住んでんの?」
「それは内緒ね」
「え?誰に」
「大学では誰にも話してないし、通学はバイクだから」
「え?じゃあ、今日はどうして?」
「今朝は雨だったからバイクやめたんだ」
「ここに住んでるってバレないために電車で渋谷まで行ったんだったの?」
『意外と鋭い。本当はそうじゃないけど』
「まあハンズには行きたかったんだけどね。あの女に後をつけられてんのも気づいたから……でもお陰でいいタイミングで、あかりんに会えた」
満面の笑みで見つめる海の色の享の瞳に吸い込まれそうな灯だった。
本日投稿日7月3日!
驚くべきことが!!
初投稿依頼、低空飛行だったので先行きを案じておりましたが、初の日間にランクインさせて頂きました!
64 位
[日間]現実世界〔恋愛〕 - 連載中
嬉しくてもう号泣です(T ^ T)
これからも
Just like starting over
〜アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます!!〜を引き続きご覧頂来ますように宜しくお願い申し上げます♪
優月菜
☆追伸☆
62 位
[日間]現実世界〔恋愛〕 - 連載中
またもやランクイン!!
皆様本当に有難うございます♪
今日は嬉しくて眠れないかもの
優月菜でした☆




