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【悪役転生 レイズの過去を知る 】―俺だけが知る結末を、今度こそ覆す―(現在物語を全話を丁寧に修正しています。6-13話大幅に加筆してます。。)  作者: くりょ
レイズを知る。

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劣った力。



「アルバード……レイズだ!! 氷属性と……死属性を扱う!!」


やけくそ気味に名乗った瞬間、ヴィルの眼が細く鋭くなった。


「アルバード……レイズ?」


低い声が訓練場に落ちる。

「――やはり、おまえはレイズではないな」


木刀の切っ先が、ほんのわずかに俺へ傾いた。

「問う。なぜ“死属性”を知っている?」


空気が一気に張りつめる。


死属性――それはアルバード家が外へ出さない“事実”。


禁じられているわけではない。

だが名乗った瞬間、人は劣等と断じる。


家は侮られ、縁は切れ、騎士団も門戸を閉ざす。


だからこそ、徹底して隠されてきた。

「死属性は悪徳でも禁忌でもない。だが、この国では“劣印”だ。」


ヴィルの声は静かだったが、砂塵よりも重く胸に沈んだ。


「知る者は限られる。屋敷の者ですら、上の許しなくして口にはしない。……にもかかわらず、おまえは自ら名乗った。」


木刀の影が、俺の足元に伸びる。

「答えろ。誰に聞いた。――おまえは何者だ。」


喉が焼けるほど乾く。

言い訳を探すより早く、背中を冷たい汗が伝った。

そのとき、指先がかすかに白む。


氷の気配――いや、違う。

影が滲むように、熱でも冷でもない“空白”が皮膚の下で蠢いた。


ヴィルの眉がわずかに動く。

「……やはり反応するか。」


俺は無意識に一歩後ずさる。

この世界では、ただ名乗るだけで“下”へ転げ落ちる烙印。

それを俺は、覚悟もなく口にしてしまった。


ヴィルは木刀を肩に載せ、静かに告げる。

「ここで嘘を重ねれば、おまえは守れない。レイズも、家もだ。」


心臓が強く跳ねる。

――どうする。


“俺”を言うのか。

それとも、“レイズ”を演じ切るのか。


砂塵が、音もなく落ちる。

やけに澄んだ空気の中、俺は叫んだ。


「……俺は、死……死属性の使い方を知っている! だから殺気を向けるのはやめてくれ!」


必死だった。

(ムリムリ……ほんと怖い! この人、マジで強いよ! ゲームでもこんな強キャラいなかったのに……!)


ヴィルの眼がさらに鋭くなる。

「死属性の“有効性”を知っている、だと?」


声は重く、冷たい。

「……そんなことは、誰にも解明できていない。この世に“扱える者”など存在しないはずだ。なぜ嘘を重ねる?」


「ほ、ほんとに! 本当に知ってるんだ!」


必死に首を振る。

「証明だってできる! ただ……今は使い方が分からない。だから……教えてくれ! 教えてもらえれば示すから! だから殺すのは待ってくれ!」


長い沈黙。

やがてヴィルは木刀をゆっくり下ろし、俺を見据えた。

「……示せるのか?」

「お、教えてもらえれば……! 必ず!」


さらに、沈黙。

やがてヴィルは吐息を漏らした。

「……いいだろう」

「ほ、ほんとに!?」


「だが覚えておけ。これは“修練”ではない。生まれ持った属性を、どう生かすかを探るだけだ。……死属性が本当に使えるというのなら、ここで初めて証明される」


その言葉は冷静で、容赦がなかった。

彼にとってこれは現実だ。

ゲームもチュートリアルも存在しない。


あるのはただ、生まれ持った属性と、それを使う覚悟だけ。


そして――

ヴィルは静かに、俺を正した。

「……それと、名を違えるな。」


木刀の柄で地面を軽く叩く。

「重大な間違えをしている。アルバード・レイズではない。――レイズ・アルバードだ。」


重い沈黙が落ちる。

その一言は、訂正ではない。


“家に生きる者”としての在り方を、突きつける宣告だった。

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たくさんの方に読んでいただき、本当にありがとうございます。 完結済の長編です。レイズたちの物語をぜひ最初から。
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