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【悪役転生 レイズの過去を知る 】―俺だけが知る結末を、今度こそ覆す―(現在物語を全話を丁寧に修正しています。180-189話修正、大幅に加筆しました。)  作者: くりょ
レイズを知る。

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当主の実力。

「じゃあ――未来の当主様?」


イザベルはわざとらしく首を傾げる。


その口元にはいたずらっぽい笑みが浮かんでいた。


「魔法の実力、見せてもらおっかな?」


その言葉を聞いた瞬間。

レイズは待っていましたと言わんばかりに胸を張る。


「ふっ……」


顎を上げる。


「よぉし、見てろよ!」


自信満々。

まるで英雄が必殺技を披露する直前のような表情だった。


もちろん。

死属性は使わない。

あれは切り札だ。

ヴィルからも、


『決して軽々しく見せてはなりません』


と何度も念を押されている。

ならば――

見せるべきはもう一つの力。


氷属性。


ゲームの中でも後半になってようやく解禁される希少属性。

そしてレイズが最も期待している力だった。

レイズは深く息を吸う。


意識を集中する。


身体の奥にある魔力へと手を伸ばす。

ゆっくりと魔力が集まっていく。

青白い光が生まれた。


淡く輝く粒子が身体の周囲を巡り始める。

イザベルは思わず目を見開いた。


(すごい……)


まだ幼いはずのレイズ。


だが、その魔力操作は既に新人の域を超えている。

そして。

レイズは右手を前へ突き出した。


「……アイスフィー――ッ!!」


次の瞬間。

どさっ。

レイズが倒れた。


「え?」


イザベルが固まる。


「え?」


再び言う。


「えぇぇぇぇぇぇっ!?」


慌てて駆け寄る。

倒れたレイズは地面にうつ伏せになっていた。

ぴくりとも動かない。


「レイズ君!?」


肩を揺する。

反応はある。

生きている。


ただ――

魔力が空っぽだった。


そう。


知識があっても。

技術があっても。

魔法を発動するための魔力量が足りていなかったのである。


草原を吹き抜ける風だけが、なんとも言えない空気を運んでいった。


しばらくして。

レイズはむくりと立ち上がる。

服についた砂を払う。


そして何事もなかったかのように顎を引いた。


「……っふ」


妙に落ち着いた顔を作る。


「これは未来を見せた魔法なのさ」


まるで大賢者。


あるいは全てを悟った老人のような口調だった。


イザベルは数秒固まる。


そして――


吹き出した。


「あはははっ!」


肩を震わせる。


「な、なにそれっ!」


笑いが止まらない。


「レイズ君ずるい!」


「あはははははっ!」


腹を抱えて笑い転げる。

レイズは顔を真っ赤にしながらも必死に平静を装った。


「笑うなよ…」


「これは深遠なる未来視だ」

「未来を見せた代償で魔力が尽きたのだ」


それらしく言ってみる。


だが。


声が微妙に震えている。

必死に誤魔化そうとしているのが丸分かりだった。


結果――


さらに面白くなった。


「あはははっ!」


「もうダメっ!」


「レイズ君おもしろすぎるっ!」


草原にはイザベルの笑い声がいつまでも響いていた。


――不発。


結果だけ見れば、それで終わる話だった。

だが。

今レイズが発動しようとした魔法は、確かに未来に存在する。


氷属性。


その力の一端。

もしも今。

もしもこの時。

その魔法が完成していたなら――


イザベルは驚愕しただろう。

ヴィルは言葉を失っただろう。


そしてアルバード家は、その異常性に戦慄することになる。


なぜなら。

死属性だけが異常なのではない。


死属性。


それはゲームの理を崩壊させる、まさにバグのような力。


だが――


氷属性もまた異常だった。

レイズという存在に秘められた、もう一つの規格外。


ゲームの中で。


誰よりもレイズに期待していたプレイヤーだからこそ知っている。

その力がどれほど常識外れなのかを。


そして。


まだ誰も知らない。

この小さな失敗が。


未来の怪物の、ほんの始まりに過ぎないことを。

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たくさんの方に読んでいただき、本当にありがとうございます。 完結済の長編です。レイズたちの物語をぜひ最初から。
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